最新性能がどんどん更新されていくARグラス。
以前は映像が見えるだけのガジェットでしたが、ここ数年の急激な進化によってVRデバイスのような機能性まで持ち合わせるようになってきました。
それが今回レビューしていく「VITURE Luma Ultra」。
ハンドトラッキングを可能にしたことによって手での操作を実現したり、実際の映像に近づける6DoFの機能性も搭載しています。
今回はVITURE Luma Ultraを実際に使ってみて感じた良かったポイントや気になったポイントについてまとめていきます。
提供:VITURE
VITURE Luma Ultraの特徴
- 視野角52度
- 6DoF対応
- 解像度1200p
- ハンドトラッキング対応
- 視度調整機能搭載
- HARMAN監修によるサウンドシステム
- 価格89,880円
VITUREから発売されているARグラスのなかでは現状最高性能のARグラス。
視野角も広く、ハンドトラッキングや6DoFに対応など、市場のARグラスと比べても見劣りしない最先端の技術を盛り込んでいるところが魅力です。
視度調整機能も搭載しており、過信は注意ですが視力が気になる人にとっても大きな味方となるでしょう。
ARグラスとしつつ、秘めたポテンシャルはVRデバイス級というところで、ARグラスで市場の1番熱い機能を試したい場合、VITURE Luma Ultraは見過ごせないARグラスとなっています。
モデル別の比較
今回はVITURE Luma Ultraをレビューしていきますが、同時期にVITURE Lumaが発売され、そして2026年3月にはVITURE Beastという新機種が登場予定です。
新製品が増え選択肢がいろいろとあるので、スペックを比較していきます。
| 項目 | VITURE Luma Ultra | VITURE Luma | VITURE Beast | VITURE One Pro | VITURE One |
|---|---|---|---|---|---|
| 価格 (税込) | 89,880円 | 64,880円 | 82,880円 | 74,880円 | 29,800円 |
| 3DOF / 6DOF | 6DOF 対応 | 3DOF対応 | 6DOF 対応 | 3DOF対応 | 3DOF対応 |
| FOV (視野角) | 52° | 50° | 58° | 46° | 43° |
| ディスプレイ解像度 | 1920 x 1200 | 1920 x 1200 | 1920 x 1200 | 1920 x 1080 | 1920 x 1080 |
| 最大リフレッシュレート | 120Hz | 120Hz | 120Hz | 120Hz | 60Hz |
| 最高輝度 | 1500 nits | 1000 nits | 1250 nits | 1000 nits | 1000 nits |
スペックを見てわかる通り、VITURE Luma Ultraが最高精度のトップの製品。
その廉価モデルとしてVITURE Lumaがあります。
廉価とは言いつつ、視野角も50度あり、市場のARグラスとしては上位に入る性能をしています。
また、旧モデルのVITURE One Proよりも価格が安価ながら視野角が上というところで、現状ベーシックなARグラスが欲しいなVITURE Lumaを選ぶ方が無難でしょう。
公開時点では発売されていませんが、VITURE Beastというモデルも発売がきまっており、これは視野角が広がった広角な見え方が特徴なモデルと言えます。
公式HPを見てみると6DoFは対応なようですがハンドトラッキング対応と書いてなかったので、ハンドトラッキングを体験したいならVITURE Luma Ultra、視野角を優先するならVITURE Beastという棲み分けになるのかもしれません。
VITURE Luma Ultraのデザイン
カラーは1種類で特に選択肢があるわけではなさそうです。
全体通して一般的なARグラスと変わらない形状をしています。

ボディやツルに関してはスケルトン仕様となっており、ちょっとメカメカしい作りになっていました。

正面にはカメラが搭載されていて、このカメラでハンドトラッキングなどを検知しているようです。

グラス上部には視度調整ダイヤルが搭載。

これによって0D~-4Dまでの近視調整に対応しています。
僕は視力が0.01ほどなのですが、この補正範囲で小さな文字まではっきり見えるようになりました。
とはいえ、乱視は補正されていないので、正確に見えるようにするにはインサートレンズの使用が必要です。
右側のツルにはボタンが1つ、これは電子調光機能を調整したり、2Dと3Dを切り替えたりできます。

電子調光機能が搭載されているということで、遮光カバーなどは同梱なし。
透過してみるか、調光で暗くして見るかのどちらかで視聴をしていくことになります。
反対側には輝度とカラーモードの変更を呼び出せるボタンと、その調整をする長いボタンの2つが搭載。
本体の物理ボタンでいろいろな調整が可能です。
右側のツルにはマグネット端子が付いており、専用のケーブルを接続することによって映像が見える仕様。

マグネットにより着脱が簡単なのは魅力です。
ノーズパッドは中が空洞になっており、装着時の鼻の痛みを軽減できるとともに、これがマグネットで取り外しできます。

調整用のノーズパッドの部品も同梱されているので、自分の鼻に合うものを選びましょう。
全体的な装着感ですが、重量も83gとなっており、ARグラスとしては重めの部類ですが、重すぎて付け心地が悪いというほどでもないです。
ツルの締め付けもそこまで強くないので、メガネをかけるような自然なかけ心地で装着できると思います。
また、ツルの根本は角度が調整できるようになっているので、このあたりを整えることでさらに装着感が向上するでしょう。
VITURE Luma Ultra レビュー
ここらからはVITURE Luma Ultraの各項目についてレビューしていきます。
画質・見え方
まず視野角が52度というところで、市場のなかでも広めの性能。

以前使ったことがあるVITURE Oneの43度と比べると明らかに画面が大きく見えました。
映像のきれいさについても他メーカーにも劣らない鮮やかできれいな発色となっています。
解像度は1200pとなっており、縦に見える幅がやや広いといった仕様。
シンプルに映像を見るだけであれば十分な精度があると思います。
VITURE Luma Ultraはシンプルに見るだけではなく、リアルタイム3D機能にも対応していて、アプリ接続時に見ている映像を3D化させることができます。
3D化については3DSのような立体感が得られる表示ですが、遠近の見せ方が思いのほか自然でクオリティが高いように感じました。
この3D化が意外と遠近感があり迫力が得られるようになっているので、ゲームや映画でさらに迫力を感じながら映像を楽しみたいと思っている人には相性が良い機能だと思います。
VITURE Proネックバンドの拡張性
見え方を語るうえで外せない製品がVITURE Proネックバンド。

これとVITURE Luma Ultraを接続することで、スマホとは無線での接続が可能になったり、ハンドトラッキングを可能にしたりと、機能性を大幅に拡張できる強力なオプション製品です。

まずざっくりできることをまとめると下記。
- アプリ接続によりスマホと連携で無線化
- ハンドトラッキング可能
- 6DoF対応
- AIアシスタントを搭載
- Google Play ストア対応
- 3DoF & スムーズフォロー(ブレ防止)対応
正直VITURE Luma Ultraの機能性というのは、このVITURE Proネックバンドありきと考えて差し支えないほどVITURE Proネックバンドの有無で性能が変わってきます。
あまりにも機能性が盛られすぎてもはや何がどうなっているのかわからなくなるくらいですが、要はこれがAndroid搭載端末となっていて、第二のスマホのような立ち位置でいろんな機能をサポートしてくれます。
まず特徴としては、VITURE ProネックバンドとVITURE Luma Ultraは有線で接続しますが、スマホは無線で接続。

そのため、首元から手元にかけて今まで伸びていた不快なケーブルというのはなくなりました。
そして、操作についてはスマホ自体をWiiリモコンのように操作したり、トラックパッドのようにそうさしたりと選べるので、目の前に出ている画面の操作はかなり快適。
さらに画面の操作については本体とネックバンドに搭載されているカメラによって手を認識できるので、スマホすらさわらずに次世代的な操作が可能です。

このハンドトラッキング機能について、僕はXREAL Air 2 Ultraぶりの体験だったのですが、XREAL Air 2 Ultraよりも正確な挙動をしているように感じましたし、VITURE Proネックバンドの併用が必須とはいえ、ついにARグラスでハンドトラッキングがそれなりに使えるようになったことに感動しています。
XREAL Air 2 Ultraでは自主開発の対応したアプリでくらいしか使えなかったので、この実装は大きな進歩だと感じました。
若干遅延があるので最高にスムーズとまではいきませんが、ほどほどに反応してくれるので、十分ハンドトラッキングを楽しめると思います。
ここまででもかなりお腹いっぱいなのですが、VITURE Proネックバンドは装着すると6DoFに対応します。
これによって、映像との距離や高さを認識できるようになるので、映像に近づいて等身大の大きさで見るといった体験も可能です。

実用的かはちょっと微妙ですが、映像に手軽な端末で近づけるのは楽しい体験になると思います。
使っていて重さや装着感が気になるかなと思ったのですが、この部分についてはそこまで気になりませんでした。
しかし、使用時のファンの音はそれなりに大きいので、外出先でこのVITURE Proネックバンドまで完全装備した状態で併用するのは騒音の観点から現実的ではないように感じます。
そのため、かなり多機能ではあるものの、マナーを優先するのであれば自宅専用機となりそうです。
アプリについて
VITURE Proネックバンドが非常に重要ではあるものの、VITURE Luma Ultra単体の性能を引き出せるSpaceWalkerというアプリがあります。
これを使うことで3DoF表示や画面の大きさの調整、リアルタイム3D化、マルチスクリーンなどの動作を行うことができます。

もちろん、VITURE Luma UltraとスマホやPCを繋ぐだけで目の前に映像が映ってARグラスとしての使用はできるのですが、さらに拡張性高く使っていく場合にはアプリとの併用も視野に入れましょう。
音質
HARMAN監修によるサウンドシステムということで、音質は非常に良いです。
これまで数多くのARグラスを使ってきましたが、音響に関しては確実にVITUREが1番。
オープンイヤー型の良いイヤホンを使っているかのような体験ができます。
とはいえ、音漏れ対策ができているわけではないので、けっこう音は周りに聞こえてしまいます。
そのため、迫力のある音で聞こうとすると必然的に音が大きく周囲に聞こえてしまうので、電車内のような隣の人との距離が近い場所で使うのは注意が必要です。
自宅や音を気にする必要がない場所であれば、イヤホン不要で映像と音を楽しめると思います。
気になるポイント
良いポイントもたくさんあるVITURE Luma Ultraですが、気になるポイントについても共有します。
多機能さゆえの視野角の狭さが惜しい
VITURE Proネックバンドが非常におもしろいです。
精度はVRデバイスに及びませんが、体験としてはかなり近い。
ARグラスでVR的なコンテンツが楽しめるようになるのも時間の問題ではないかと思わせてくれる期待感があります。
だからこそ、視野角がこの体験を楽しむには足りないと感じてしまいました。
52度も市場で見ると決して狭い視野角ではないのですが、あまりにもVITURE Proネックバンドを併用したAR体験がおもしろいので、もっと使いこなしたいと考えるとどうしても視野角が必要になる気がします。
特にハンドトラッキングに感動しているのですが、現状の視野角だと手の認識位置がどうしてもグラスのカメラの位置に依存するので、腕を高くあげないといけません。
VITURE Proネックバンドにもカメラがついているようで、多少サポートはしてくれるのですが、それでも正確に動かすなら心臓と同じかちょっと上くらいで手の操作をしなくてはいけない感じ。
このあたりの感知の広さとか、6DoFをもっと没入して楽しむといったときに、視野角がもっとあればさらに楽しくなるのに、というところで物足りなさを感じてしまいました。
とはいえ、市場のなかでも広めの設定にはなっているので、ここは今後の技術の進歩に期待です。
オプションの有無で体験がかなり変わる
とても多機能で高性能な一面がある一方で、この性能は基本的にネックバンド頼り。
単体での性能としては基本的には映像を見るだけのシンプルな仕様となってしまいます。
VITURE Luma Ultraという製品はハンドトラッキングや6DoFといった機能が目玉となって取り上げられているので、これらの性能がネックバンドなしで使えないのは正確に情報は伝えているとはいえ、ややミスリード感もありますし、追加購入はユーザー目線ちょっとがっかりするのも事実でしょう。
最新鋭の体験ができるとしつつ、追加で44,980円払わないといけないというのはかなり大きな差。
また、ネックバンドがないとせっかく本体に搭載されているカメラも機能が使えず、6DoFはもちろん3DoFまでかなり制限を受けるというところで、表示方法についても大きな制限が生まれてしまいます。
他にもVITUREはおもしろいオプション製品があり、VITURE Pro モバイルドックを使うと最大2台のXRグラスを同時接続しながらゲームが可能に。

これによって、外出先で大きな画面が使えない状態でも2人で映像を楽しむという遊び方もできます。

2人でAR体験をシェアするといった製品はVITUREからしか発売されていないと思うので、この辺りの拡張された体験というのは強みだと感じています。
一方で、やはりこれらはオプション機能。
ARグラス自体がかなり高い出費なだけにさらに出費を重ねてまでこれらの機能を使いたいかと言われると検討の余地があると感じてしまいました。
現状機能性だけで見るなら間違いなく市場最高性能ですが、AR単体の性能として見るのであれば別メーカーの方が優秀な製品があると言わざるを得ません。
マグネットの接続はずっと気になる
映像を出力するケーブルがマグネットなのがずっと気になります。
脱着自体は楽で良いのですが、断線のリスクを考えると、独特な仕様でケーブルがメーカーに依存するのが怖い。
もちろんメーカーからケーブルは発売されていますし、そもそも接続の安定性の観点からも純正品を使って欲しいというところなのはわかるのですが、ケーブルという消耗品においては、普通のC to Cで他メーカーの映像出力ケーブルを選べる選択肢が欲しかったです。
VITURE Luma Ultraがおすすめな人
視度調整機能付きの高性能ARグラスが欲しい人
最新鋭の機能が楽しめるARグラスが使いたい人
他社と比べても突出していると感じるポイントは機能性の高さ。
現在一般向けのARグラスとして1番なめらかなハンドトラッキングや6DoFへの対応、そして専用アプリの機能性の高さなど、間違いなく市場で現在発売されているARグラスのなかでトップクラスの性能をしています。
ARグラス自体の性能としても、視度調整機能があってインサートレンズなしでも使用が可能性があったり、イヤホン不要なほど高音質なスピーカーが搭載されていたりと、着用時のストレスを可能な限り取り除いた設計も嬉しいポイント。
アプリも数種類あり、しかも機種の制限がなく楽しめるのもさすがとしか言いようがありません。
デバイスを選ばず、実用的なAR体験をもっと自由に楽しめる準備ができつつあると感じました。
一方で、目玉のハンドトラッキングや6DoFはオプションのネックバンドがないと使えないことや、ARグラス単体で使用する場合には3DoFにも対応できていないなど、単体使用時の性能については、日常使用時や感動といった面で満足度が低くなる気がします。
シンプルに映像を見るだけであれば十分なクオリティはありますが、新体験をしたい、単体でも機能性の高さを感じたいと考える場合は注意が必要です。
まとめ
市場のなかでも最高性能のARグラスのレビューでした。
できることがどんどん増え、ARグラスの技術にさらに期待できます。























