アクションカメラといって思いつくのはGoProやDJIでしょうか。
少し前までアクションカメラはGoProしか選択肢がないようなイメージでしたが、2024年現在は高性能な機能を搭載したメーカーが参入してきています。
そのなかで注目のメーカーがアクションカメラや360度カメラの製造・販売を手がけるInsta360です!
最近はGo 3Sという親指サイズのアクションカメラを発売したことでも話題になりました。
そんなInsta360からは新製品を含め多数のアクションカメラが発売されていますが、正統派なアクションカメラといえるのが今回レビューする「Ace Pro」。
他のメーカーにはないギミックやライカと共同開発のレンズなど、魅力がたくさんつまったアクションカメラをレビュ-していきたいと思います。
本記事はInsta360様から製品をご提供いただき作成しています。
特徴
- ライカと共同開発されたレンズ
- 1/1.3インチセンサー
- 4K120fpsの動画撮影
- 2.4インチのフリップ式タッチスクリーン
- AIハイライトアシスタント
同梱物
- 本体
- バッテリー
- 標準マウント
- フレキシブル粘着マウント
- Type-C to C ケーブル
便利なセットも発売中
本体だけの購入をスタンダートとしつつ、撮影環境別に便利なアクセサリーが同梱されたキットも発売されています。
- バイクキット
- クリエーターキット
- パワーキット
- 水中キット
- GPS撮影キット
- サイクリングキット
- ウィンターキット
今回僕はクリエーターキットを提供していただきました。
クリエーターキットは「あらゆるものを撮影しようと計画している人向けの究極のオールラウンダーセット」とされています。
三脚がセットになっているのが特徴で、自撮りや設置しての撮影などがしやすい仕様です。
デザイン
ブラックを基調としたデザインのなかに、ところどころ使われる赤のラインがかっこいい。
この時点で個人的にはGoProやDJIより好み。
レンズをよく見ると、共同開発をしたメーカー、「ライカ」の文字が見えます。
また、レンズ下にはF値や焦点距離も記載。
F2.6の焦点距離16mmということで、かなり広角まで対応しています。
本体上部にはマイクと録画ボタンが配置。録画ボタンは大きく押しやすいので、操作ミスなく使用できて好印象でした。
左側面には電源ボタンと端子カバーがあります。GoProはマイクロSD、USB-C、バッテリーが片側に全部固まっていたので、マイクロSD・USB-Cとバッテリーが別れた場所にあるのはGoProと違うポイントです。
右側面にはバッテリーが搭載。モトブログやVlog用途で使用予定の人は予備バッテリーと充電セットがあると撮影時のバッテリー問題がなくなるでしょう。
背面はタッチ操作ができる2.4インチの大型ディスプレイを搭載。視認性が高く、見やすく操作もしやすいです。
また、このディスプレイは180度開くフリップ式になっているので、撮影中の映像を確認しながら撮影を進められます。自撮りが他社製品と比べて圧倒的にしやすいのが良いポイント。
底面には磁気マウントを装着させるための窪みがあります。
マグネット吸着が想像以上に取り付けしやすく、ものすごく気に入りました。
アクセサリーを付け替える頻度が高いアクションカメラにこのマウントは相性抜群です。
画質
映像をいろいろ撮ってきたので、素材をもとに見ていきたいと思います。
明るい場所での撮影
こちらたまたまAce Proを持っていったら撮影許可が出たかわさき100フェスでのSHISHAMOのライブ映像。
レビュー用にこんなに良い素材が取れて感謝…
ライブ中、さまざまな色があるのでいろいろ見られると思いますが、人肌・暖色・寒色と、すべて鮮やかめに表現されているように感じました。
空の青さなどもきれいに見えますが、観客の赤いタオルの鮮明さや各色の発色のよさが目立つのではないでしょうか。
iPhone13 miniの映像と比べるとわかると思うのですが、iPhoneは全体的に暗めな発色に対し、Ace Proの色味が鮮やかで鮮明です。
好みの部分もあるかとは思いますが、僕はAce Proの暖色・寒色ともに色が濃いめの鮮やかな発色の方が好き。
暗い場所での撮影
暗所の撮影に強いと謳っているAce Pro。
実際に夜間に撮影してみましたが、ブレの少ない撮影なら性能が活かせる・手ブレまで入ってくると微妙、と感じました。
夜間の撮影に関して、歩いている様子を撮る分にはアクションカメラとしてはかなり明るく撮影ができます。
上のYouTubeが暗所の歩き撮影上手く撮影できているので見てみてください。
一方で、バイクに取り付けて夜間に撮影したのですが、周囲の風景が素早く変わり、ブレもかなり大きいとノイズや黒潰れが目立ったように感じました。
暗い場所だとどうしても光を集めるための時間が必要なためか、被写体が高速で動く自転車やバイクでの夜間撮影は難しいでしょう。
手ブレ補正
アクションカメラとして重要な手ブレ補正機能。
この性能についても精度が高く、大きめの揺れでもほとんど揺れを感じないほど補正が効きます。
補正に関しては高・標準・低・なしの4段階を選択可能。
実使用で手ブレ補正なしを選ぶことはほとんどないとは思いますが、今回比較のためになしの映像も撮影してみたので、なしと補正ありの映像を比較してみてください。
手ブレ補正:なし
まずは参考用に手ブレ補正なし。
さすがに何も効いていない状態だと、路面の振動を直接受け取ってしまい、画面は大きくガタついてしまいます。
手ブレ補正:高
もはや本当に凹凸のある路面を走ってる?と疑いたくなるほどの補正力。
手ブレ補正なしの映像と見比べてもらえばわかる通り、走っている道路はかなり振動を感じる路面。
それがツルツルの道でも走っていると感じてしまうくらい滑らかで揺れを感じない映像が撮影できました。
また、段差についても上り下りをしてみましたが、車道と歩道の切れ目になっている少し傾斜のついている段差程度なら少し映像が動く程度の揺れで撮影できています。
さすがに段差は揺れますが、ガタンと大きく感じてしまうほどの揺れがこれくらいの揺れに収まっているのであれば高い補正力があるといえるでしょう。
手ブレ補正:標準
続いての標準モードですが、正直標準でも効き目は十分で、路面の凹凸であれば振動を感じないほど滑らかな映像で撮影ができました。
標準でも十分補正が機能してますが、上位のモードがあるのであえて使うことがあるのかもしれませんが、基本使用は高でよさそう。
手ブレ補正:低
なしと比べるとある程度補正を感じますが、さすがに映像が揺れてるな、というのがわかるくらいの補正力。
自転車走行の動画だと補正の効きが正直厳しいと思いました。
歩きながらの映像くらいならいいのかもしれませんが、バイクや自転車など、ハードに揺れる映像を撮影する場合には向きません。
手持ち撮影について
ライブ映像を撮影する際、Ace ProとiPhone13 miniどちらも手持ちでの撮影だったのですが、見比べみると細かなブレの違いを感じます。
やはりAce Proは自転車のような大きなブレではない手持ちの撮影であっても補正をかけてなめらかな映像が撮影可能です。
一方で、iPhoneの場合は僕がサビに合わせて縦揺れでノっていることがはっきりとわかる揺れが映像から見て取れます。
手持ち撮影をする場合であっても手ブレ補正の効きの差が出てくるでしょう。
GoPro HERO8と比べると性能差を感じる
最新型12まで発売しているGoProを8で比較してしまうのは少し気が引けますが、自分が今所有しているGoProが8なのでこれで比較してみました。
当時GoPro HERO8を使っていたときもアクションカメラの手ブレ補正の強さに感動していたのですが、今Ace Proと比べてみるとGoPro HERO8は常に小さくブレているように感じます。
この辺りブレ補正の強さは技術の進歩を感じるとともに、Ace Proの補正力の強さを再認識できました。
バッテリー性能
バッテリーはメーカー公称だと100分の撮影が可能とのこと。
実際に自分で計測してみた結果としては、4K30fpsで撮影したところ70分持続して撮影できました。
これは撮影モードによっても変化があると思うので1つの基準として考えてください。
とはいえ、実測値から考えても60分以上の撮影が可能なので頻繁にバッテリーを交換しなくてもいいのは大きなメリット。
また、バッテリーの検証時は熱暴走で止まることなく撮影を続けられました。本体に熱は持つものの、熱暴走で止まらなかったのは素晴らしい。
音質
マイク音質については、話したことや周囲の音は認識可能なレベルの録音はできました。
風切り音に関しても風切り音低減である程度防げますし、話声も内容がわかります。
しかし、iPhoneと比べてみると音質の差を感じました。
ライブの映像を録音してみましたが、撮影機材のiPhone13 miniではクリアな音が聞こえてくるのに対して、Ace Proは全体的にこもった音で聞こえてきます。
もちろん、主眼が映像なのでどこまで音質を求めるかにはなってしまいすが、音質を重視したい場合は外部のマイクで録音し、編集で映像と音声を合成する方が満足度の高い映像になりそうです。
操作性
タッチスクリーンに関しては何の不満もなくスムーズな操作が可能。
スマホのようなUIなので、操作に困ることはないでしょう。
設定に関してもアイコンがふんだんに使われているので、直感的に見てわかりやすい仕様になっています。
また、物理ボタンに関して使用頻度が高い録画ボタンはしっかりと大きい作りになっていて撮影したい瞬間、瞬時に押しやすい形状に。
UIと物理ボタン、どちらも使いやすいように考えられています。
マウントについて
マウントは磁気マウントを採用。
ワンタッチで取り外しができる使用になっていて非常に便利です。
マウント下部にはGoProとの互換性もあるタイプのアダプターとなっているため、GoProアクセサリーを持っている人は併用して使用できます。
僕もGoPro用に持っていたバイクのアクセサリーを使って素材用の動画を撮影しました。
気に入ったポイント
たくさんの魅力がつまったAce Pro。ここからは実際に使用してみて気に入ったポイントについて解説していきます。
発色がよく鮮やかな色味
まずこのアクションカメラを使用して感じたのはとにかく発色がよく、鮮やかな色味で映像が撮影できるということ。
暖色や寒色の表現が濃いめで、個人的にはかなり好み。
白飛びしているような感じや色味が薄いような雰囲気もないので、色味の編集なしでも鮮やかな映像が撮影可能。
今回撮影した素材はどれも色の補正はかけていないので参考にしてみてください。
自転車のガタ付きも気にならない強力な手ブレ補正
手ブレ補正は十分な効きがあると感じました。
自転車とバイクでブレを試しましたが、どちらの環境下でも不自然な揺れを感じることはありません。
自転車では路面の凹凸によってかなり大きく揺れていましたし、バイクは常に振動があるような状態での撮影でしたが、出来上がりの映像でそれらの揺れを全く気にしなくて大丈夫なほどの補正がかかっていたのはさすがと言うほかないでしょう。
手持ち撮影での手ブレ補正ももちろん効きますが、自転車・バイク用途など、激しい動きの中で使用を考えている人にも自信を持っておすすめできます。
フリップ式タッチスクリーンが最高
本当にフリップ式タッチスクリーンは革命だと思いました。
他のアクションカメラはフロントディスプレイに現在撮影している映像が映し出される、というような方式が多いですが、正直フロントディスプレイ程度の大きさでははっきりと撮影している様子を確認できません。
しかし、このフリップ式タッチスクリーンであれば180度開くことができるので、2.4インチの大きなディスプレイを見ながら撮影状況を確認することができます。
コンパクトで自撮りもしやすいのであればVlog撮影機として本当に優秀なように感じました。Vlogカムを使わなくてもいいくらい。
また、ディスプレイが稼働式なことによって、バイク・自転車での撮影にも恩恵があります。
これまでバイク・自転車での撮影の場合、撮影中の映像というのは確認の方法がありませんでしたが、フリップ式のディスプレイであれば90度の開きで使えば画像のように、バイク・自転車に乗りながらでも少し下を見れば映像が確認できるようになっています。
もちろん、走行中の確認は危ないので注視はしないでほしいですが、撮影中に撮影したい映像が撮れているかどうかサッと確認しやすくなったこの機構は素晴らしいと感じました。
磁気マウントが手軽で使いやすい
GoProのマウントを使用していて感じたのは、アクセサリーの付け替えがめんどくさいこと。
特に、GoProをつけた状態で下のネジを抜く作業がいつも苦手で苦戦していました。
しかし。Ace Proであれば磁気マウントのおかげで、ひとまずマウントを外してから広々としたスペースでネジを外す作業などができます。
もしくは、磁気マウントを大量購入してしまえば、よく使うアクセサリーには事前に取り付けてしまってワンタッチで外して付け替えるだけの運用も可能。(カメラのアルカスイスのプレート運用みたい)
アクションカメラは実際のところカメラ単体で使用する場面は少なく、何かしらの形でアクセサリーを使用していると思います。
ですが、その肝心のアクセサリーの付け替えは一手間だったので、ワンタッチで簡単に取り外しができて付け替えられるようになっているのは簡単で最高です。
気になった・気をつけるべきポイント
ものすごく気に入っているアクションカメラですが、使用しているなかで気がついた気になるポイントもあったので共有しておきます。
逆光には注意しながら撮影する必要があるかも
あまりない条件ではあるかもしれないのですが、極度の逆光環境で撮影する場合、色の移り変わりが激しくなる場合があるので注意が必要です。
僕が気がついたのはブルーインパルスの飛行撮影時だったのですが、ブルーインパルスを追いかけて撮影をしていると画面が暗くなったり明るくなったりを繰り返してしまいました。
ホワイトバランスの調整かな?と思うのですが、同じ映像を撮っていたiPhoneと比較してみると、iPhoneの方が色のブレが緩やかです。
ここまで極端な環境で撮影は少ないと思うのですが、バイクであればトンネルから出た直後の外光や水中撮影なら水上に出た瞬間など、違和感を覚えるタイミングがある場合があるので、撮影時に注意が必要だと感じました。
1.4インチネジ穴があれば完璧だった
磁気マウントは最高なのですが、欲を言えば1.4インチネジ穴も欲しかった…
現在だとGoPro HERO12に採用されているのですが、底面にアクセサリーもつけられるし1.4インチネジもつけられるんです。
アクションカメラは何かとアクセサリーを接続するためん、GoPro関係のアクセサリーだけではなく、カメラ系のアクセサリーとも併用する場合があります。(三脚とか雲台とか)
しかし、これまでそれらのアクセサリーに接続する場合はGoProの変換マウントみたいなものを必ず装着しなければいけなかったのですが、底面に1.4インチネジ穴があればそれらが不要に!
これ地味だけどめちゃくちゃ便利な仕様で、手軽さよりも頑丈さを優先したいとか、ひとまず簡単につけたい、磁気マウント忘れを防げるなど、1.4インチネジ穴がないのがこれまでの普通ではありましたが、あった方が撮影の幅や利便性が高まると感じています。
あれば本当に完璧だと感じました。
本体が他社と比べると重め
個人的に1番好きなギミックがフリップ式のタッチスクリーンなのですが、これのせいで重たくなっているように感じます。
唯一無二のできることと引き換えに、重量に関しては他社と比べても1番重い仕様に。
Ace Pro | DJI OA4 | GoPro HERO12 | |
重量 | 179.8g | 145g | 154g |
手で持つ分には気になるほどではないのですが、これがマウントに装着すると考えるとやや懸念点に。
バイクや自転車に取り付ける際、他製品より重いということはその分頑丈に固定しないと外れやすかったり、ブレやすかったりするのではないでしょうか。
激しく動くことが想定されるアクションカメラで本体が重くて固定が外れやすくなってしまうリスクが上がってしまうのはデメリットに感じました。
まとめ
発売から半年以上は経っているアクションカメラではありますが、未だ市場にフリップ式で高性能な製品はないことから、この機能が欲しいのであれば唯一無二の選択肢となるアクションカメラです。
まだバイクでロングツーリングで使用するなどもできていないので、今後もっと使い込んで改めてレビューをしたいと思います。
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