最近ずっとハマり続けているARグラスですが、ついにARグラス絡みのイベントに参加してみました!
参加したイベントはXRクリエイティブチームの「Atelier Vision」による、Meta Quest 3やXREAL Lightを活用した作品の最終発表会。
創意工夫あふれる作品が多数あり、これまで体験したことのないAR技術にふれることができました。
今回は自分が実際に体験したことや、このイベントの概要などについてまとめます。
Atelier Visionとは
「Atelier Vision」は最新の技術と表現の可能性を探求する学生向けXRクリエイティブチームです。
Atelier Visionでは、同世代の仲間と力を合わせて、VR/MRグラスと最新技術を駆使した次世代サービスを春休みの期間で集中開発し、世に送り出すことを目指します。
XRやSpatial Computingに興味がある学生を対象としたコミュニティです。
https://atelier-vision.forgers.co.jp/
「Atelier Vision」はForgers社がプロデュースする学生向けXRクリエイティブチームとのことでした。
主催の方に話を聞いたのですが、今回の展示会にあたってはチームを組んで制作に取り組んでいるようです。
しかし、参加している学生は住む場所がバラバラなので、オンライン上でコミュニケーションをとり、今回の発表会に向けて制作を進めたそうです。
参加資格としては詳細はこちらから確認していただきたいのですが、ざっくりまとめると学生であることとXR関連に興味があるということ。
学生時代から制作に興味を持つだけではなく、コミュニティにも積極的に参加をしているという熱意を感じました。
株式会社Forgers
- オンラインストアやカタログに、手軽に「AR試し置き機能」「3Dビュワー機能」などを搭載するサービス「RITTAI」
- 3Dデータや画像・動画ベースのデジタルマニュアルで製品の機能・手順を分かりやすく表現する「RITTAI MANUAL」
上記のような企業が抱える悩みをVR/AR導入支援やサービスによって解決する、VR/AR開発を行うスタートアップの会社のようです。
XREALが協賛
このプロジェクトに関して、ARグラスのメーカーであるXREALが協賛しています。
制作物の体験会のなかでも、ハンドトラッキング機能に対応しているXREAL Lightが使用されていました。
XREAL Lightは5月に発売される予定の新型「XREAL Air 2 Ultra」と同じポジションのARグラスで、Air 2 ProやAir 2とは違い、グラス前面にカメラが搭載されているのが特徴です。
当日の流れ
- ライトニングトーク
- 作品体験タイム
- 懇親会
作品体験の時間は各チームがブースを作り、そこで開発担当の学生の方から直接レクチャーを受けつつ、制作物を体験しました。
展示作品の紹介
今回は7つの作品が展示・体験できました。
各チームの概要についてはこちらから。
体験した作品
今回は時間の兼ね合いと、XREALのARグラスが使われている展示を優先に周ってしまったので、すべては見られませんでした。
ただ、体験した2つの展示に関しては担当者の方から詳しく説明をしてもらいながら体験ができたので、感動したポイントを中心にまとめておきます。
WorkDoubles
正直早く実装されて欲しいレベルで感動しました。
制作物の概要としては、ARグラスのなかに表示されているキャラクターに質問すると答えてくれたり、メモをとってくれたりするなど、SAOのユイ、アイアンマンのジャービス/フライデーが現実のものになったような感覚です。
質問に答えてくれる機能
少し上でも説明しましたが、こちらがキャラクターに「ねえねえ」と話しかけると、質問を受け付ける状態に移行。
その状態で「今日の天気は?」などの質問を投げかけると、質問に回答してくれました。
これはXREAL Lightに搭載されているマイクとChatGPTを使うことで、適切な質問を処理できるようになっているとのことです。
他にも「メモ」と言うと、視界上にポストイットサイズのホワイトボードが視界に浮かび上がります。
そのメモには、その後話した言葉が音声で自動入力されました。
本当に会話型で行いたいことが進んでいく感覚は次世代を感じます。
ハンドトラッキングにも対応
大変感動したメモの機能ですが、メモがすごいことだけに留まりません。
なんとハンドトラッキングに対応していました。
ハンドトラッキングに対応していることによって、視界に浮かび上がったているメモのホワイトボードを手のひらを握り込むように掴み、この動作が認識されるとホワイトボードを自由な位置に移動させられます。
つまり、自分の見やすい方向でメモを取り終わったあとは、視界の邪魔にならないところに自分の手で移動して置いておけるということ。
この使い勝手のよさには脱帽です。
さらに、移動の機能だけではなく、メモのホワイトボードには手書きをする機能まで搭載されていました。
これによって、音声のメモだけではなく、空中をなぞるような動作でホワイトボードにはメモを取れているような状態に。
学校とかで空中に漢字の書き順とかみんなでなぞりながら確認していたことを思い出したのですが、あれが今後は本当に空中に全員字が書ける未来が待っているようです。
いつもの食事があなたに届くまで!
今後幼児や児童の学習教材のスタンダートが変わっていくのではないかと思えた制作物。
食事にしようされている食材の、育成や出荷の流れを体験しながら学べるコンテンツ。
コンテンツのなかに2種類の活用法があり、Meta Quest 3(型まで確認しなかったので、違っていたらすいません)を利用したMR体験とXREAL Lightを使用した料理の樹形図の表示(後ほど説明)がありました。
両方とも体験できたので、MR・ARそれぞれについてまとめます。
視点が面白くて強烈に記憶に残る
このチームのコンテンツは食事にフォーカスしたもの。
今回はカレーの流れについて体験をしました。
自分の目の前に表示されているプレート(この時点でリアルさに感動)に空中に浮かんカレーを掴んで置くと、玉ねぎ、じゃがいも、にんじんなど、使用されている野菜に分解。
そしてさらに野菜を選ぶと、その野菜の生育過程を体験できるコンテンツがスタートします。
じゃがいもの過程を体験したのですが、土を畑に入れるところから始まり、たねいものカット、植え付け、虫の駆除、収穫など、1つ1つの動きが体験できました。
かなり細かい動きまで再現と体験ができて、くわで畑を耕すことや虫を摘んで駆除するなど、普段安全性の観点や気持ち悪さからなかなか体験できないことが手軽に行えるのが革新的だと感じました。
また、かなり体を動かしたので、視覚だけではなく動きも合わせて行ったことにより強烈に記憶に残る体験になったと思います。
ARグラスでは素材の樹形図を表示
Meta Quest 3を使用したコンテンツでは体を動かすMRタイプのコンテンツでしたが、XREAL Lightを使用したAR型のコンテンツもありました。
こちらのコンテンツではARグラスを使用して料理を分解して、何にどんな材料が使われているかが一目でわかるように。
開発担当者の方がコンテンツの説明のときに「今後図鑑などがこんな表記になっていくといい」話していたのですが、これはまさにその通りで、イラストの図鑑よりも立体感をもって見られたので、その点で体験としての価値が高いように感じました。
ARグラスが身近に使える日が近づいてきている
他にもまだまだ面白そうなコンテンツがまだまだあって、本当に可能性ばかりを感じました。
現状ARグラスを使用する場合、実はARと呼べる機能はそこまで充実していません。
実際には小型ディスプレイと呼ぶ方が正しいのかもしれないほど。
最近自分が気軽に使えるレベルのARというとHELLO!MOVIEの映画に字幕を映すという機能くらいで、他は特に使用してはいません。
というのもARやARグラスに対応したアプリというのがそこまで開発されてなく、体験できる術がなかったり、実用に足るアプリがなかったりする状態です。
ですが、流通しているアプリはなくても、このイベントのように開発できるツールはあって、開発ができる人材はいる。
つまりあとは市場が大きくなってしっかり開発してくれる企業や個人が増えていけば解決するのではないでしょうか。
何かのきっかけさえあれば、普及していく未来や可能性が見えました。
学校教育も変わっていく?
今回個人的に気になっているのは教育の形も変わっていくのではないかというポイント。
「見た手遊びの訓練装置」の開発担当の方が説明の際にふれていた内容が非常に興味深く、見立て遊びが発達やさまざまな能力の向上に関係しているのではないかということを言っていました。
例えばごっこ遊びなど、今手元にあるものを理想のものに「見立てる」ことで、想像力を育めるのではないかというような内容だったのですが、これはまさにそうで、学校の学習のなかでも登場人物の気持ちを把握するために「ロールプレイ」を取り入れるのはめずらしいことではありません。
実体験でしか得られない感覚や習得しやすいという傾向がある一方で、実際に体験するのが難しかったり、ロールプレイではリアリティがいまいち足りないなどの課題がありました。
ですが、MR技術を使用すれば高い再現度でさまざまなものを「見立てる」ことによって、実体験として受け止めやすくなるのではないでしょうか。
- 体験しにくいことが簡単に体験できるようになる
- 自分ごととして物事を把握しやすくなる
これがスタンダートになれば、子ども用の学習教材の質や基準が一気に変わりそうだなと感じました。
まとめ
XRに興味がある人であれば誰でも参加ができるイベントだったとはいえ、知り合いがいるわけでもないのでちょっといくのを躊躇しましたが、結果行ってみて本当によかったと思います。
ARグラスのARらしい使い方ができたことによって、さらにARグラスへ興味が出ましたし、知見も深まりました。
また機会があれば参加したいと思います。
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