僕は5年前くらいに購入したLGの34インチのモニターをずっと使っているのですが、他のガジェット同様にモニターも年を追うごとにどんどん進化しています。
僕のような数年前のモニターを使い続けている人・モニターを初めて購入しようか悩んでいる人には特に見て欲しいのですが、最近のモニターは機能性もデザイン性も非常に高いです。
今回レビューするのはINNOCNの「24C1F-P」というモニターで、USB-C1本ですべての接続が完了してしまうのが特徴の使いやすいモニター。
さらにスタンドの機能性も高く、これを1台持っておけば他に必要な物は特にないと言えるような利便性の高さも魅力です。
実はコンテンツ制作の仕事をしていたときにモニターのコンテンツも担当したことがあり、国内外合わせて20台以上は実際に使ってきた経験があります。
この経験を踏まえながら、実際に24C1F-Pを使ってみてわかったことや気がついたことについてレビューしていきます。
提供:INNOCN
24C1F-Pの特徴
- IPSフルHDパネル
- 低ブルーライト認証
- USB-C1本で完結
- KVM機能搭載
- 多機能スタンド調節
- 価格24990円
24C1F-Pの外観・付属品
24C1F-Pの同梱物やデザインについて見ていきます。
同梱物
- モニター
- スタンド
- 電源ケーブル
- HDMI
- 説明書
デザイン
カラーについては特に殊類はなくブラックのモニターのみのようです。
サイズは24インチとなっており、大型モニターとはいえないくらいのサイズ感。
ディスプレイについてはベゼルが細く、非常にスタイリッシュな印象。
ギリギリまでディスプレイになっているような感じなので、サイズ以上に大きく見えますしミニマルな印象にも見えます。
フレーム下の部分についてはINNOCNのロゴがあります。
ディスプレイ右下にはメニューを操作するために必要なボタンが5つ搭載。
このメニュー操作に関してリモコンはないので完全手動での設定方法です。
背面はシンプル。
付属のスタンドが取り付けられていますが、これはVESAマウントなので汎用性が高く、他のメーカーのモニターアームなども容易に取り付けられます。
そして各種ポートが背面に搭載されています。
これについては後ほど詳しく説明予定。
少しだけお気に入りポイントを話すと、電源が内蔵型のモニターでコードがすっきりしていることと、海外メーカーだけど充電端子はしっかり日本の規格に合っているというところ。
どでかいACアダプターみたいなのを使わなくていいのも海外用の変換プラグを使わなくていいところも非常に気に入っています。
24C1F-P レビュー
ここからは24C1F-Pの各項目についてレビューしていきます。
画質関係:フルHDだけどきれいに感じる
個人的にモニターとしてチェックしておきたい項目をピックアップ
項目 | スペック |
---|---|
解像度 | フルHD |
パネル | IPS |
色域値 | sRGB99% |
コントラスト比 | ー |
リフレッシュレート | 100Hz |
まずサイズとしては24インチなので、大きな画面が欲しい人には向かないサイズですが、初めてのモニターとして使うには十分くらいのサイズ感ではないでしょうか。
サイズがどうしても気になるのであれば家電量販店でiMacとか見てみると似たようなサイズ感なのでイメージが持てると思います。
サイズが24インチというところで解像度はフルHD。(4Kが欲しい場合は必然的に大きなディスプレイが必要)
で、基本的には作業用モニターという認識で購入するべきモニターですね。
一応リフレッシュレートが100Hzまで出ますし、モニター内部でもゲームモード的な色調補正とか応答速度の補正もありましたが、ゲームに特化していれば同価格帯でもっとリフレッシュレートが高いモニターも視野に入ります。
RPGなどは問題なくプレイできそうですが、FPSをしっかり遊びたい人が選ぶモニターではありません。
映像のきれいさに関してですが、フルHDですが問題なくきれいに見えていると感じました。
ディスプレイの粒感もないですし、色も鮮やかに見えて視認性が良いです。
パネルもIPSパネルというところで作業用モニターとしては問題ないクオリティだと感じています。
4Kディスプレイになるとさらに映像のなめらかさみたいなところが増してくるのですが、これはどこまで求めるのか・好みの領域でしょう。
デザインの実務に使えるか、という点においては申し訳ないんですけど僕では判断がつきません。
sRGB99%というところで、悪くはないのだと思うのですがもっと上もありますし、そもそも色域値が同じだからすべてのモニターの発色が同じだというわけでもないのが難しいところ。
僕がエンタメ消費をしたり作業をしたりする程度ではまったく問題なく使えていますが、デザイン業務で使いたい人にとっておすすめできるレベルかどうかは判断し兼ねます。
これまでの経験からくる主観で話すのであれば、4KとかOLEDを採用しているモニターは黒の表現や色の鮮やかさがさらに高いレベルで表現されていたので、「IPS・フルHD」は少なくとも避けた方が良いような気もしています。
機能性:USB-C1本ですべて完結する
個人的にはかなり気に入っているのが機能性の部分。まずはポートの紹介から。
- HDMI x 1
- USB A x 2
- USB B x 1
- USB Type-C 65W x 1
- LANポート(RJ45)
作業用モニターとしてはポートが十分にそろっているのではないでしょうか。 特にUSB-Cが優秀で、このポートに接続している機器は映像出力も充電も入力機器の接続も行えてしまいます。
つまりUSB-Cケーブル1本で配線が完了してしまうのです。これは最高。
これまでHDMIで接続していた人からすると革命なのではないでしょうか。僕もずっとHDMIで接続していたので、USB-C1本が嬉しすぎてこれだけでもめちゃくちゃに気に入っています。
では、HDMIはなぜついているのかというと、こちらにももう1つ端末を接続することができからです。
僕の環境で使うのであれば、USB-CにMacBook、HDMIにSwitchといった感じでしょうか。
モニターから出力先を操作することができるので、このモニターに2つの端末を接続しておき切り替えられます。
KVM機能
このモニターの大きな特徴はKVM機能に対応しているところ。
KVM機能とはKVMデバイスに接続した1つのキーボード、モニター、マウスを使用して、2台のコンピューターのコンテンツを表示および操作ができるといった機能。
何を言ってるかあまりピンとこないと思うので、解説していきます。
このモニターには裏のポートにUSB-Aが2つあります。
ここには何を接続しておくことを想定しているかというとマウスとキーボードです。
このポートに接続することによって、ハブのような機能をモニターが担ってくれるので、挿したマウスやモニターが使えるようになります。
そしてここからがさらにポイント。
この挿した端末を接続している2つの端末どちらでも使えます。
本来はMacBookで使っていたらMacBookにしか使えませんが、モニターに入力端末が挿さっているので、映像を切り替えた際には切り替え先のPCでも同様にモニターに挿さっているキーボードやマウスを使えます。
これまで接続端末を切り替えると、切り替えるごとにBluetoothの接続しなおしがあったかと思いますが、それがなくなるということ。
複数端末を切り替えて使っていた人にはありがたいポイントです。
しかし、この機能については大きな欠点を抱えているので、これについては「気になるところ」で詳細に解説していきます。
モニター設定
たいがいのモニターにはモニター側に調整ができる機能が備わっています。
24C1F-Pも同様で、ディスプレイ右下のボタンを押すことでさまざまな設定が可能です。
コントラストや輝度を調整できるのはもちろん、ゲームに特化した色調補正など、さまざまなモードがあります。
モニター自体で可変できる部分が多いので、好みの色味にして映像を楽しむことができるでしょう。
また、このメニューから映像の切り替えや入力端末の切り替えなども行います。
スタンド:別途アームを買わなくてもいいほど
スタンドもかなり気に入っています。まずは何ができるのか確認。
- 120mmの高さ調節
- 左右45度の回転調節
- 前傾5度
- 後傾20度の調節
- 垂直90度の回転
見てもらったらわかる通り、できることが非常に多いです。
格安モニターだとスタンドは何も調整できないということもめずらしくないので、これだけ調整ができるのは非常にありがたいところ。
まず高さの調整が簡単にできるのが非常にありがたいポイント。
何か特別な操作とか留め具とかがあるわけではなく、モニターを持ってスイスイ調整できます。
そして高さだけかと思いきや、前傾後傾どちらにも倒すことができ、さらにはスタンドの根本から横方向にも回転可能。
極め付けには、縦置きも可能にする垂直90度までの角度調整。
正直、モニター設置では困ることがないのではないかというくらい多彩な置き方に対応しています。
背面はVESAマウントに対応しているので、もちろんモニターアームなどの接着も簡単です。
普段だったらモニターアームを使いたくなるところですが、24C1F-Pはスタンドが優秀なのでアームを使うのが逆にもったいないと感じるほど。
スタンドの台座部分だけ少し場所を取るのが環境によるところだとは思いますが、このサイズ感をおけるのであればスタンドをそのまま使用するのもかなりおすすめです。
その他気になるところ
魅力の多い24C1F-Pですが気になるところもあったので共有です。
1つ気になったのが「KVM機能に対応しているけど使いにくい」というポイント。
僕がこの機能に詳しくないので間違っていることを言っていたら申し訳ありません。
24C1F-PはKVM機能に対応しているので、このモニターに接続しているキーボードやマウスを、接続先のPCやゲーム両方で使えるという機能を搭載しています。
これによって、出力を切り替えたとしても同じキーボードやマウスで接続ができるので、非常に便利に使用ができるという機能です。
しかし、24C1F-Pには大きな欠点が2つあると感じました。
それが接続端子の問題と入力切り替えの問題。
まず接続端子ですが、このKVM機能を使うためには接続端末に接続する必要があるのですが、この接続端子がUSB-Bという今使用している人はあまりいないのではないかと思われる端子。
USB-Cで接続している端末は充電もレシーバーも映像出力も1本でできるので問題ないのですが、HDMIで接続している端末はそうではありません。
HDMIで接続している場合はレシーバーなどの機器の接続を認識させるためにUSB-CまたはUSB-Bの接続をする必要があります。
USB-Cはメインの接続で使用していると仮定すると残るのはUSB-Bですが、このケーブル持っている人いますか?僕は使ったことがありません。
僕視点の話にはなりますが、この使ったこともないケーブルが付属しているならまだ良いのですが、入っていないんですよね。つまり自分で購入の必要がある。
これはなかなかめんどくさく感じてしまいました。
入力端末を動作させるポートが必要なのだとしたらUSB-Cにしてほしかったところ。
そしてもう1つの問題が切り替え問題。
このモニターで入力端末の切り替えを行うときはメニュー画面から操作をする必要があります。
しかし、これがかなりめんどくさく、ワンタッチで切り替えるということができません。
高級なモニターとかになると、接続先の端末を検知して自動で切り替わるようなのですが(というか勝手に全部対応していると思っていた)、このモニターは手動です。
ディスプレイ右下のメニューボタンをおして接続機器を選択して、探して…僕はめんどくさくて切り替えをしない前提でデスクを構築してしまうかもしれないと思いました。
そもそもKVM機能の切り替えだけではなく、映像出力に関しても手動で行わなければいけないので、画面の切り替えとかKVM機能はあるものの、切り替えという作業にとことん向いていない印象です。
「一応出力は複数行えるけど、手間である」ということは覚えておいた方が良いでしょう。
僕がこのモニターを起点にデスクを構築するのであれば、基本はMacBookとの接続、もう1つの接続先はなしか手間がかかることをわかったうえでSwitchを繋ぐんじゃないかなと思っています。
めんどくさくなったらHDMI切替機を購入してしまいそう。
24C1F-Pはこんな人におすすめ
配線までこだわれるちょっと良いモニターが欲しい人
このモニターの魅力は大きく2つあると思っていて、1つがスタイリッシュなデザイン、そしてもう1つが機能性の高さです。
まず1つめのデザインですが、ベゼルが細く、ディスプレイ全体が非常に整った形をしています。
ディスプレイのなかにはベゼルが太くスタイリッシュさに欠けるものやカラーリングやロゴの位置からやぼったさを感じるディスプレイがあるのも事実です。
そのなかでこのディスプレイは(というかINNOCNのディスプレイは)全体的にスタイリッシュにまとまっていてデスクに置いても様になるデザインでしょう。
そしてそんなスタイリッシュさをさらに押し上げるのが機能性。
まずはUSB-C1本ですべてを完結できるという機能性を褒めたいところ。
この仕様によって、出力はもちろん充電も同時にできますし、キーボードやマウスのレシーバーもあわせて接続できます。
これまで併用していたハブを使わなくてもよくなるほどの機能性というところで、デスクにはあまり物を増やしたくないけどモニターを設置してみたい、と考えている人にはちょうど良いのではないかと感じました。
正直このモニターが職場にあったら非常に嬉しく感じますね。
画質もそれなりにきれいでポートの拡張性も高く、USB-Cハブがいらない・タコ足配線のような挿し方をしないで済むというあたりで、使いたいと思うほど。
あとは備え付けのスタンドが驚くほど優秀です。
高さの調整は軽い力で簡単に調整できますし、縦横前傾後傾など、あらゆる角度に幅広く対応できます。
特に垂直方向の回転によって、縦画面でも簡単に使えるのは非常に優秀なスタンドであると言えるでしょう。
この手のモニターの欠点としてスタンドは付属している「だけ」のような製品が多く、結局はモニターアームを使わないと話にならないということも多いのですが、24C1F-Pの場合は逆にこのスタンドを余らせるのがもったいないような気がしてくるほど。
このモニター1台で配線や設置まですべてを完結させられるうえ、サイズも大き過ぎずにスタイリッシュなデスク構築を目指せると思います。
そして価格についてもセール時狙うと2万円以下くらいで購入できるようなので、配線までこだわったちょっと良いモニターが欲しい人にはおすすめです。
まとめ
モニターをいろいろ見てきたのですが、そのなかでもINNOCNは良いイメージの印象があったので「改めて良かったな」という印象でした。
格安を狙うならもっともっと安いモニターがありますし、ゲーム用ならまた別の選択肢なので、用途を考えて購入を検討してみてください。
コメントを残す