ASUSからARグラス登場!|多彩な機能とポテンシャルを秘める「ASUS AirVision M1」|おすすめのポイントをレビュー

年々話題になってきている感じるARグラスですが、また新しいメーカー参入してきました。

今回紹介するのはゲーム関連デバイスでお馴染みのASUSから発売された「ASUS AirVision M1」。

日本市場では初となるタッチ操作による機能の制御やスタイリッシュなデザインが特徴です。

そんなASUS AirVision M1を実際に使ってみてわかったことや気になったポイントについてまとめていきます。

  • ASUS AirVision M1
5月15日まで予約受付中

提供:ASUS

ASUS AirVision M1の特徴

  • 最大100インチの大画面ディスプレイ
  • 1100nitの高輝度
  • DCI-P3 95%の広色域を実現
  • 87gの軽量設計
  • 視野角38度
  • 高透過ビジョンで、快適な視界と安全性を確保
  • タッチ操作で輝度やウィンドウモード切り替え可能
  • 専用アプリでマルチタスクレイアウトや画面との距離を設定
  • GREEN FUNDINGでクラウドファンディング中
  • 最安値99,800円(一般予定販売価格111,420円)

なんとついにASUSからも新型のARグラスが発売されました!

昨年のTGS2024時点でデモ機が展示されていたらしく、いつ発売かと待ち構えていたらようやく発表されて嬉しく思います。

これまでARグラスを専門にしているようなメーカーばかりだったので、ここにきてゲーム関連デバイスに強いASUSが参入したことによって市場がさらに盛り上げるのではないでしょうか。

そんなASUSから満を持して発売されたARグラスですが、他メーカーにはない最新鋭の技術があり、トップを走るメーカーを脅かすほどのポテンシャルを秘めていると言えるARグラスであると感じました。

一方で、ポテンシャルはあるが現状のクオリティだと他メーカーの完成度に追いつかないポイントも多々あり、総評としては「ARグラス初購入者にはおすすめできないが、ARグラス好きにはこのポテンシャルを感じて欲しい」というところ。

正直な話、この価格に対して視野角が38度というのは、ARグラス好きでも気になるポイントです。

コスパで考えてしまうと視野角47度で定価4万切りのモデルや、性能ではブレ補正や電子調光機能を搭載したモデルが立ちはだかります。

そのため、最初の1台として現在の競合ひしめくARグラス市場で戦うには苦しい性能です。

しかし、市場として本体価格を下げて戦うしか道がないのかと思っていたところに、性能や独自性によって価格勝負ではない活路見出せたのではないかと思わせてくれるポイントもありました。

この後のレビューでは「市場と比べてどこに差があるのか」や「市場で見たときの独自性」など、このあたりも各項目を見ていきつつ、これまでの経験をもとにまとめていきます。

ASUS AirVision M1のデザイン

まずはカラーですが、種類はないようでブラックを基調としたデザインのみとなっています。

正面のグラスについては丸みを帯びていて優しい印象です。

他メーカーと比べると円に近いような形状になっており、長方形寄りのレンズが多いなかで独自性を感じます。

このスタイルであればデザインとしても成立しやすいかもしれないですね。

レンズは透明ですが、マグネットタイプの遮光カバーをつけて暗くすることができます。

グラスの透過度ですが、これは業界でも1番透明度が高いレンズなのではないかと感じました。

映像をみるときは遮光カバーありで見るのが前提の透明度にはなりますが、遮光カバーなしの状態だとちょっと視界が暗くなった程度で見られます。

現在透明度の高いARグラスというのは市場にないので、めずらしい方向性です。

グラスのなかのディスプレイも他社とは違う形状になっています。

他メーカーは斜めに切られたような形状をしていますが、ASUS AirVision M1は平面に切り取られたような形状に。

これによってレンズを通して見たときの視界で、メガネの縁のような境界線を感じにくく、映像に没頭しやすくなるでしょう。

ノーズパッドは中が空洞にはなっていない薄型のタイプ。

メガネのツル部分にはボタンなどはなく、スタイリッシュなデザインとなっています。

左側面の凹みがある部分がジェスチャー対応のパッド部分になっており、ここをスライドやタップすることによって輝度の調整や表示モードの切り替えなどを操作可能です。

ASUS AirVision M1 レビュー

ここからはASUS AirVision M1の各項目についてレビューしていきます。

画質・見え方

解像度については他メーカーとも変わらないフルHDの画質です。

実際に見て見たところ、十分にきれいに見えました。

動画や映画などを見る分には問題なく視聴ができるでしょう。

しかし、他のメーカーのARグラスと比べたところ、こちらの方が彩度が高く見えたので鮮やかさ重視で見るのであれば別メーカーの方が優位かもしれません。

今トップと比べてしまいましたが、画質自体についてはARグラス全体を比べても顕著に違うというほどではないと思っています。

画質は問題ないと判断できるレベルで、よく見て比べて見ると鮮やかさに違いがある程度だと感じました。

大きく差を感じてしまったのは視野角。

ASUS AirVision M1は視野角が38度で、これは体感狭めの画角であると感じます。

ディスプレイが目の前に広がっているものの、少し遠くに映っているようなイメージ。

視野角がもう少し広いと、さらに近く、そして見切れない映像を楽しめるので、没入感を重視する人は注意が必要であると言えるでしょう。

機能性

機能性に関してはASUS AirVision M1が他メーカーを突き放していたり、追従していたりしています

高い機能性があると感じているポイントは3つ。

  • ジェスチャー操作
  • 専用アプリ
  • マグネットタイプの遮光カバー

それぞれについて解説していきます。

ジェスチャー操作

市場にあるARグラスはこれまで輝度や音量を調整したい場合はツルの部分にある物理ボタンを押して調整する必要がありました。

しかし、ASUS AirVision M1には物理ボタンがありません。ではどうやって操作するのか。

なんとタッチ操作に反応してさまざまな操作をジェスチャーで行えます。

本体左側にあるタッチパッドによって数多くの操作を手元で行うことが可能。

行える機能としては下記のようになっています。

  • 輝度調整
  • 再生停止
  • 透過モードの切り替え
  • ディスプレイの位置調整
  • 表示モードの切り替え
  • 3Dモード
  • クイック調整

これらの機能がARグラス側で操作ができるのはASUS AirVision M1が初なのではないでしょうか。

他メーカーのARグラスでは自由度の高いカスタマイズボタンやジェスチャー操作はまだ一般的ではなく、対応しているARグラスは限定的。

多彩な機能をデフォルト状態でもジェスチャーによって使い分けられると言う点ではASUS AirVision M1の方が多機能です。

ジェスチャー操作では1本指でスライドや長押し、2本の指を使う操作もありました。

1本指を使う場合はかなりスムーズで、2本指になると少し操作に失敗が増えますが、これからの進化でさらにスムーズになることでしょう。

操作を覚えるのが大変かもしれないですが、ツルの部分をすっきりさせつつここまで多機能にしたのは素晴らしいです。

専用アプリ

ASUS AirVision M1には専用アプリの「ASUS AirVision」があります。

Windows限定のアプリとなっているので、MacやAndroidではこの拡張機能は使えません。

「ASUS AirVision」では下記の設定ができます。

  • 仮想ディスプレイ設定
  • 表示設定
  • 距離設定
  • その他

仮想ディスプレイ設定では「仕事モード」「ゲームモード」「インフィニティモード」など、さまざまな設置方法で設定をすることができます。

仕事モードだとメインの画面の両側に3面のディスプレイが映るような設定が可能です。

表示設定は遅延の減少や明るさの調整、距離設定はディスプレイとの距離を調整して最適な位置を見つけられます。

その他ではジェスチャーの設定などが行えます。

このカスタマイズ性の高さは他メーカーのアプリを超す機能性だと感じました

ディスプレイの設置方法の自由度の高さやジェスチャーの設定など、細かいところまで設定ができる非常に優秀なアプリです。

これまでハードの進化は各社かなり力を入れているのですが、ソフトに力を入れているメーカーがほとんどありません。

しかし、ASUSはソフト力が入っており、その機能性は業界トップ背中を捉えたどころか並んでいると感じるほど。

残念なのが、ハードのスペックが足りておらず、この快適さを存分に感じられていないところ。

だからこそ、次の一手に期待したくなる。ASUSであればこれまで数々のクオリティの高い製品を生み出してきているので、ARグラスもどのように進化させていくのか僕はかなり期待してしまいました。

映像処理や視野角が市場のトップラインと同等になったとき、このアプリであればASUSが優位なのではないかと感じます。

装着感

重量が87g、そしてノーズパッドが空洞なしというところで、ここも市場から大きく突き放されているところ。

市場のARグラスが80g程度で、ノーズパッドは空洞ありでふかふかした付け心地になっているので、この辺りもなんとか改善できるとスタンダートに近づけると感じました。

実際つけてみた感覚としてはグラス側に荷重の偏りを感じるし、長時間使用だと鼻も他のARグラスに比べると痛みがちかなというところ。

とはいえこの差がダイレクトに購入するかしないかに繋がるかどうかというと、そうでもないです。

30分くらい連続でつけるとさすがに差を感じますが、5〜10分くらいであればそこまで大きな差にはならないと思います。

音質

音質は正直これで音楽を楽しめるというレベルではないです。

低音の鳴りも感じられず、音声が聞こえるといったくらい。

音量上げると上げただけしゃかしゃか音が聞こえるので、音質を楽しむというのは難しところ。

しかし、ARグラスはスピーカーが剥き出しという構造上、どんな高級機であっても音漏れしてしまいます。

そのため、人がいる環境で音を聞こうと考えると自然と本体からではなくイヤホンから聞くことになるでしょう。

最近のARグラスは少し前に比べて音質が大幅に改善し、ARグラス自体で音楽を楽しめるほどですが、僕自身音漏れが気になるので外でARグラスを使うときARグラス本体のスピーカーを使うことはありません。

そのため、音質は良いと言えませんが、イヤホンを併用してしまえば使用場面が減ることを考慮すればそこまでのマイナスポイントにもならないのではないかと考えています。

1台で映像も音もまとめたい人には残念ですが、見ている映像の音が誰かに聞かれるのが嫌な人は必然的にイヤホンになるので問題ないでしょう。

ASUS AirVision M1がおすすめな人

最新技術のARグラスを試してみたい人
ASUSのプロダクトが好きな人

ARグラスマニアとも言える僕視点、かなりポテンシャルを感じる点がASUS AirVision M1にはあります。(ここについては後ほど力説予定)

そのため、僕のような市場のARグラスをとことん楽しみたいとか、ASUSのプロダクトが好きだという人は知見を深めたり所有欲を満たしたりするために購入するのはありだと思います。

しかし、ARグラスを初めて買うとか、日常的に使いやすいARグラスを探している人には正直おすすめできない製品です。

理由としては性能と価格のアンバランスさ。

シンプルに価格が市場全体で見ても高額です。

現在作業用途での最高性能のARグラスは定価7万円ほど。

他メーカーの格安〜一般的なモデルを見ても4〜6万円ほど。

つまり、価格は市場全体で見てもかなり高額であると言えます。

価格は高かったとしても機能性が充実していれば問題ないとも考えられますが、残念ながら視野角は38度で画面が他モデルと比べると小さく映るうえ、映像も他モデルの方が鮮やかに見えました。

スペックについては市場的には下位傾向、機能についてはポテンシャルを感じる、しかし価格はトップクラス。この実態があるので、理解せずに購入してしまうのはメーカーとしてもユーザーとしてもミスマッチを起こしやすく、お互い気持ち良い関係が築けないと思います。

ASUS AirVision M1の魅力はどこ?

僕が考えるASUS AirVision M1の最大の魅力は「可能性」です。

現状のクオリティだけで見てしまうと正直他社と圧倒的な差を感じる部分もあります。

一方で、市場でトップを狙えるかもしれないというポテンシャルを感じたのも事実。

大きく3点僕の中で大きな魅力があるのでまとめていきます。

ジェスチャー操作の搭載

まず1つ目に取り上げたいのがジェスチャー操作による機能の操作。

シングルタップや2本指での操作で様々な機能を使用できます。

これは現在XREALを含め市場にはない機能で、非常に革新的だと感じました。

ARグラスは輝度の調整、音量調節、透過度の調整など、意外と使いたい機能は多いものの、それらを物理ボタンで制御しようとすると本体が突起だらけになってしまってデザイン性も使いやすさも損ねてしまいます。

そんななかでジェスチャー操作によってこのあたりの操作をまるっとまとめられたのは機能性にもデザイン性の優れる素晴らしい仕様だと感じました。

これは今後他社もマネするトレンドになるかもしれません。

ユーザー体験の中で、“自然に触れて操作できること”はこれからもっと重要になると感じています。

専用アプリの機能性

実は自社で実使用に耐えられるアプリを開発しているのはXREALくらいというのが実態です。

そのため、マルチディスプレイを使えるというだけで実は市場2位の実力を持ったと言っても過言ではないでしょう。

マルチディスプレイを表示させられるだけであればこれまでもTCLのARグラスがアプリをリリースしていたり、RokidやRayNeoがAndroidアプリを準備していたり、他社も一応準備がありました。

しかし、ASUSのアプリはディスプレイが複数見えるのはもちろん、ディスプレイの配置を変更したり、ジェスチャーの操作を自由に割り当てしたりすることができます

このカスタマイズキーに機能を割り当てるような操作はXREALも最新作XREAL Oneになってようやく実装した機能なので、ここは市場トップと並走していると言えるでしょう。

一方でARグラス自体の性能がまだ追いついていなくていまいちこのアプリの性能を活かしきれていないようにも感じるのですが(見える範囲が狭いとか、色がいまいちとか)、これからハードが進化すれば解決できる問題でもあると思います。

正面が見やすい仕様

けっこう感動しているのが画面をオフにした状態での正面の見やすさが全ARグラス中1位だと感じました。

他のARグラスはどうしてもディスプレイ部分が視界に干渉するような感じで、かけると視界がせまくなるような感覚になります。

本来的には映像を見ていないときはサングラスのように使えると便利だなと思っているので、視界が開けているというのはメリットになり得るでしょう。

また、視界が開けているというところで、ソフトウェアさえ整えば本来的なAR技術に1番親和性が高くなの可能性もあるのではないかと感じました。

例えば現在XREALしか対応していないサービスですが、映画館で自分のARグラスに字幕を映すHELLO!MOVIEというサービスがあります。

字幕部分だけ映して映画は気持ちよく鑑賞したいという関係上、理想は普通のメガネのような広い視界です。

しかし、現状のXREALのARグラスだとディスプレイの縁部分が視界に干渉して、映像がちょっと狭まったり、縁が見えてきになったりします。

そんな課題がある字幕でのARグラス使用なのですが、縁部分の干渉が少なく普通のメガネに近いASUS AirVision M1であればXREALのARグラスよりも見やすくなるのではないかと感じました。

このように、視界が見やすいからこそ目の前にディスプレイを映すという小型モニター的な使用ではなく、本来的な空間に情報を映し出して生活を豊かにするといったAR的な使い方と親和性が高いと言えます。

これから革新的なAR技術が開発されたとき、1番親和性が高いのは視界がクリアなASUS AirVision M1かもしれません。

まとめ

ASUSが発売してくれたことに嬉しさを感じますし、製品自体のポテンシャルをすごく感じます。

ハードとしてのスペックは同価格帯のメーカーよりは劣るものの、今後市場のARグラスを追い抜ける可能性は秘めているし、市場標準のスペックにこの機能性が載っていたら間違いなく市場のトップを争える機体だと感じました。

そのため性能がさらに向上されるであろう次期モデルに大きく期待しています。

  • ASUS AirVision M1
5月15日まで予約受付中

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