市場を驚かせたXREAL Oneの登場も記憶に新しいところですが、新型のARグラスがまた登場しました。
それが今回レビューしていく「RayNeo Air 3s」。
ARグラスとしては低価格ながら、高画質で高音質。
特に音質に関してはXREAL Oneを超して市場トップクラスではないかと感じるほどのクオリティです。
そんなRayNeo Air 3sを実際に使ってみてわかったことや気になったポイントについてまとめていきます。
提供:RayNeo
RayNeo Air 3sの特徴

- RayNeo HueView™️による画像品質の飛躍的な向上
- 幅広い瞳孔間距離に対応
- 3つのカラーモード
- 201インチのスクリーン
- 145%sRGB
- 視野角47度
- 世界初のデュアル対向音響室設計
- Whisper Mode搭載
- 78gの軽量な重量
- 価格39,999円
特筆すべきは定価の安さ。
もちろん4万円が安いとは思いませんが、定価が5万円を当然のように超えてくるARグラスにとって、39,999円は驚異的です。
現状市場最安値は2年型落ちの機種で定価40,980円のXREAL Airだったので、その価格を下回る新製品を出してきたのはものすごい企業努力を感じます。
では安いから性能が悪いのか?というとそんなはずはなく。
画質がきれいなのはもちろんなこと、特に気に入ったのは音質。
音の良さはオープンイヤー型のイヤホンをしているような感覚で、他のARグラスの音質よりも優れているように感じました。
手頃な価格で高クオリティというところで、ARグラスデビュー機の有力候補と言っても良いでしょう。
RayNeo Air 2sとの違い
旧モデルにRayNeo Air 2sというモデルがあるのですが、大きな違いは価格。
これまでRayNeo Air 2sが定価64,499円(3月31日時点Amazon)だったのに対し、大幅な値下げを実現。
さらに性能としては色域やコントラスト比が向上し、映像のきれいさは当然のように上がったと言って良いでしょう。
RayNeo Air 3sのデザイン
カラーについては特に種類はないようで、ブラックをメインとしたカラーのみとなっています。
正面はスモークのかかったようなグラスとなっており、他のARグラスと比べても深めの暗さ。

これによって、遮光カバーなしでもどこでもある程度映像が鮮明に見えます。
グラスの中を見ると、ディスプレイが奥に見える構造で、この辺りはXREALなどのARグラスと大きな差はなさそうです。

ノーズパッドについても空洞があるタイプが採用されており、鼻への負担感も軽減できます。

ツルの部分はメタリックなグレーを基調とした色味。

右側のツル輝度の調整ボタンとUSB-Cポート、左側のツルに音量調整ボタンとモード切り替えのボタンが搭載されています。



スピーカーについてはツルの左右の上下に2発ずつ、計4発搭載されていました。

重量は78gと軽量で、これはARグラスとしては標準的な重さといえます。
RayNeo Air 3s レビュー
ここからはRayNeo Air 3sの各項目についてレビューしていきます。
画質

ARグラスとして気になる画質についてですが、映像の端まで鮮明に見えてきれいな映像が目の前いっぱいに広がります。
ディスプレイの広さとしてもこれまで使用してきたXREALのARグラスと大差なく、迫力のある映像が見えました。
視野角については47度で標準的といったところで、XREAL製品と同程度です。
最新作のXREAL Oneよりは狭い視野角となっています。
画質周りで特に気に入ったのは輝度と映像のなめらかさ。
まず輝度については調整ボタンで調整ができるのはもちろんなのですが、かなり明るく設定することができます。
この調整によって、映像がより鮮明に見えるようになり、映像のきれいさが増したように感じました。
同価格帯のARグラスにはXREAL Airがあるのですが、確実に画面の明るさが違うため、同価格帯でもRayNeo Air 3sの方がきれいに映像が見えるでしょう。
また、映像のなめらかさについても違いがあるように感じました。
コントラスト比や色域値の向上によるためか、映像がよりはっきり見え、粒立ちや粗さのようなものを感じずに映像を楽しめます。
OLEDという採用しているディスプレイのスペック的には大幅な違いはないはずなのですが、RayNeo Air 3sはXREAL Airよりきれいに見えましたし、XREAL Oneと同等にきれいに見えたように感じました。
これだけきれいに映像が見えるということで、動画鑑賞用に使っても迫力があって感動できますし、僕のメインの使い方である外出先で使用するといった用途でも快適に使えそうです。

視力について
ARグラスで不安となるのは視力の不安ではないでしょうか。
普段メガネを使用している場合、メガネを外して使用しなければならないARグラスは不安がありますよね。
そんな視力関係の不安を解消するのがインサートレンズです。
ARグラスの中に度付きのレンズを装着することで、視力の不安を解決します。
このインサートレンズですが、RayNeo Air 3sも対応しているとのこと。
購入に関しては提携店の「JUN GINZA」で販売しているので、万全の状態で映像を楽しみたい人はこちらをチェックしてみましょう。
機能性
機能に関して特筆すべきはカラーモードが搭載されているところ。
カラーモードは4つあり、「スタンダート」「ムービー」「ゲーム」「Eye protection」。

基本はスタンダートで見れば良いですが、ムービーにすると温かみが増して彩度が高くなったような映像になり、ゲームにすると明暗がはっきりと見えるような色補正となります。
Eye protectionは目の使えを防止するために、全体的に黄色に寄ったような柔らかい色味に変化。

このようにシーンに合わせてカラーモードを選べます。
僕はシンプルにスタンダートで使っていますが、用途によって色味を調整できるのはありがたいですね。
その他の機能としてはウィスパーモードという音量を小さく漏れが少ないようにできます。
他は特にはなく、3DoF表示・ブレ補正・視度調整などはありません。
製品自体の多機能さとしてはカラーモードくらいですが、ツルに音量の調整ボタンも輝度の調整ボタンも付いているなど、利便性には長けている面もあります。
装着感

重量は78gと標準的。
ですが、特別重いと感じることもなく、長時間装着していても問題ありません。
ツルが頭を締め付けるような感覚もなく、非常に快適に装着し続けられるでしょう。
ノーズパッドも空洞があるタイプなので、鼻に痛みや重さを感じにくく、軽快に使用できます。
装着感については何も問題ありません。
音質

正直ここはかなり驚きました!めちゃくちゃ音質良い!
最近オープンイヤー型のイヤホンのレビューもするのですが、それらと比べても良いくらい音が良くてびっくりです。
正直これまでのARグラスは音が「聞こえる」レベルで、ARグラスから音楽を楽しむことはもちろん、アニメや映画の音声も積極的に聞こうとは思えないほどのレベル。
しかし、RayNeo Air 3sは本家イヤホンのようなサウンドで音が楽しめます!
特筆すべきは低音の厚みだと思います。
これまでのARグラスはどうしても低音に厚みが足らず、音質は軽めのテイストで安いイヤホンで音を聞いているような感覚になりがち。
ですが、RayNeo Air 3sは低音がしっかり響くので、曲全体の迫力を感じられるほどなのはもちろん、人の声やBGMにまで迫力を感じられるほど。
正直これくらい聞こえるのであれば僕はイヤホン不要で映像や音楽を楽しんでも良いと思うレベル。
同価格帯のXREAL Airには圧倒的な差をつけるサウンドで、それどころかBoseのサウンド調整を受けたXREAL Oneよりも良いと感じました。
これまで音響はVITUREが頭1つ抜けている状態でしたが、そこに並ぶか追い抜いたほど音響がよくなっています。
音漏れはする
音質が良くなったのは喜ばしいところですが、注意点としては音漏れ。
これに関してもRayNeo Air 3sが悪いというわけではなくARグラスすべての問題です。
構造上どうしても音を塞ぐようにできていないので、かなり音漏れをします。
それこそ自分が迫力を感じながら十分満足な音で楽しもうとすると近くの人には確実に音が聞こえると思ってよいでしょう。
自宅であれば関係ないかもしれないですが、電車やカフェなどで使用した場合は確実に音が聞こえてきます。
一応RayNeo Air 3sにはウィスパーモードという音量を小さくする機能も搭載されていて、このモードをオンにすることである程度の音漏れを防ぐことが可能です。
しかし、完全に音漏れを消し去るものではないので過信は禁物。
互換性
どの機器に接続できるのかというところですが、USB-Cで映像出力に対応しているモデルであれば大概大丈夫です。

最新のiPhone16やiPadにはもちろん、SwitchやPS5、Androidのスマホにも接続して映像を映し出せます。
ポータブルゲーミングPCと組み合わせて使うのも相性が良いので、どこでも大迫力でゲームができるでしょう。
注意としてはSwitchやiPhone16eなど、一部機器には直接接続しただけでは映像が出力されないというところ。
Switchであれば、テレビに映しているときに必要になるドックが必要になります。
ですが、ドックを持ち運ぶのは現実的ではありません。
そこでRayNeo Air 3sでSwitchを最大限楽しむためにおすすめなのがオプション製品であるJoyDock。

RayNeo Air 3sとSwitchの間にJoyDockを接続することで、大きなドックを使わなくてもSwitchの映像を映すことができます。
Switchと接続してたくさん使いたい人は購入を検討してみてください。
その他気になるところ
素晴らしいところがたくさんあるRayNeo Air 3sですが、気になるところもあったので共有します。
正面から映像が見えてしまう

映像を見ていると、何を見ているか正面側からわかってしまうのがかなりデメリットのように感じました。
自宅での使用のみであれば関係ないかもしれないですが、公共の場で使うときは大問題。
目の前の人に何を見ているのかモロバレしてしまうのはなかなかに恥ずかしいのではないでしょうか。
ARグラスのメリットには「誰にも今見ている映像をのぞかれない」というところもあると思うので、このプライバシーが確保できないのはかなり痛いように感じました。
特に電車内メインで使う僕にとって正面から映像が見えてしまうというのはかなり致命的。
正面に立っている人に、スマホ以上に見ている画面がバレてしまうのは恥ずかしいことこのうえないです。
他社製のARグラスであれば遮光カバーがありそれで見えないようにできるのですが、RayNeo Air 3sは遮光カバーがありません。
遮光カバーが必要ないグラスの設計が良さでもあるのですが、映像が見えてしまうという点においてはデメリットに。
公式でオプション製品で販売していないかな、とも思ったのですがありませんでした。
そのため、映像バレというところにはある程度割り切りをして使う必要がありそうです。
ソフトウェアの連携は弱い
RayNeoが特別弱いというわけではないのですが、XREALと比較してしまうとソフトウェア周りの弱さは感じずにはいられません。
XREALのARグラスであればPCと接続すると複数のモニターを映し出してマルチディスプレイのように使用ができます。
一方で、RayNeo Air 3sではPCに接続して複数のモニターを使う機能はありません。
スマホの場合はAndroidにアプリがあり、そのアプリを使用するとGoogleの検索画面であれば3画面まで出力できました。

そのため、Webで操作ができるnotionなどで作業するのであれば可能ですが、PowerPointなどのアプリを複数画面で操作するのはできないと思います。
また、3画面まで出力可能とは言いましたが、映る画面は湾曲された画面が現れ、その画面は湾曲がキツく、正直見ていて快適かと聞かれるとかなり微妙。
できるけど見たくない、さらにできることも限定的で快適な作業環境かと言われると厳しさがあります。
ミラーリングは優秀ですが、ソフトウェア面はまだまだ課題があるように感じました。
ですがこの点についてはXREALが先を行っているだけで、その他メーカーは同程度といったところ。
RayNeoが圧倒的に劣っているかと言われるとそうではなく、標準的なくらいです。
しかし、XREALのアプリを知ってしまうと物足りなさを感じてしまうでしょう。
機能性はシンプル
価格が最安値ということもあり、際立って特別な機能は特になく、シンプルなARグラスといった印象。
ARグラスとしての性能はもちろん十分なので、問題ないと言えば問題ありません。
しかし、現状上を見るとXREAL Oneや他社製にはRokid・VITUREなどがあります。
XREAL Oneであれば遮光カバーのいらない電子調光機能が搭載されているほか、ブレ防止機能や単体で3DoF表示対応など、機能性が優秀。
RokidやVITUREに関しては視度調整機能があり、視力に不安がある方でも、一定程度調整が可能です。
このように他社製と比較してしまうとシンプルにミラーリングができる「だけ」という評価になってしまうかと思います。
ですが、シンプルながら搭載している機能1つ1つはクオリティが高いため、ない機能については惜しいですが、価格を考えればないからといってものすごくマイナスになるかというとそれも違うかなといったところ。
RayNeo Air 3sがおすすめな人
ARグラスだけで動画やゲームを大画面で楽しみたい人
手頃な価格でARグラスデビューがしたい人
今回率直に僕が「良い!」と感じたのは音質。
音漏れについては正直避けられところではありますが(これはどのARグラスも共通)、音質に関しては1万円くらいのオープンイヤー型イヤホンにも引けをとらないほどの性能。
最近レビューをした「HUAWEI FreeArc」や「ACEFIT Air」と比べても遜色のないレベルの音質でした。
これはARグラスとしては非常にクオリティが高く、Boseが監修しているXREAL Oneや音響の強さを売りにしているVITUREにも負けないどころか勝っていると感じるほど。
正直これまではARグラスの音質が悪いから音に関してはイヤホンを別で着けようという感覚でしたが、RayNeo Air 3sであればイヤホン不要で単体で映像も音も楽しめると感じました。
また、映像についてもsRGBのカバー率が145%と日本市場のARグラスの中ではトップで豊かな色彩表現が楽しめます。
輝度も高めに設定できることから映像がはっきりと見え、非常に満足感と迫力のある映像を楽しめるでしょう。
ARグラス自体の質は非常に高く、約4万円という価格を考えれば同価格帯の中では優秀なARグラスであると思います。
価格に関してもかなり優秀で、現状ARグラス最安値が定価40,980円のXREAL Airとなりますが、製品自体の品質としては確実にRayNeo Air 3sの方が上です。
映像のきれいさや音質を考えれば、同価格帯ならRayNeo Air 3sをおすすめします。
懸念としてはソフトウェアの弱さといったところでしょうか。
PCと接続して複数モニターの表示やRayNeo Air 3s単体で3DoF表示という高度な機能には対応していません。
そのため、多機能に使いたい場合は別のメーカーのARグラスも視野に入ってくると思います。
まとめ
画質・音質・価格のバランスが素晴らしい良いARグラスのレビューでした。
音質についてはARグラス最高峰、それでいて市場最安値の定価には驚きを隠せません。
もちろん気をつけなくてはいけないポイントはありますが、総じて非常にクオリティの高いARグラスであると言えるので、気になった人はチェックしてみてください。