8月に発売されたばかりの新製品「XREAL Beam Pro」。
XREALのARグラス専用のOSを搭載し、これまでにないAR体験を実現させてくれる相性抜群のオプション製品。
このBEAM Proですが、前モデルとしてXREAL Beamという商品もあります。
僕も実際に持っていて使っているのですが、見比べて見てもわかる通り、デザインから大きく異なっている製品です。
名前こそ似ているものの大きく変化のあった製品のため、違う点や進化した点など、どのような変化があったのかについてBeam ProとBeamの実機を使いながら解説していきます。
基本別物・一部機能が混在してる
名前が似ていて正当な進化系のような印象を受けますが、実機を使ってみるともはや別物。
使うべき用途や最適な環境が異なるので、できることをよく確認する必要があると思います。
それぞれの性能を端的に表すと以下のようになると感じました。
- Beam Proは単体で機能が完結している
- Beamは接続先の端末をサポートできる
Beam Proは単体で機能が完結している
Beam ProにはAndroidベースのOSが搭載されており、Androidスマホのようにアプリを自由にダウンロードして使うことができます。
さらにXREALのARグラスを接続すると、目の前に専用のホーム画面が現れ、Beam Proをリモコンのように使いながら目の前の画面を操作できます。
本体にはカメラも搭載し、空間撮影に対応。ARグラスをかけて見てみると立体感のある画像や映像を楽しめます。
Beamに搭載されていた3DoF表示やブレ補正といった、表示に関する機能は引き継いでいる部分もあり、快適に映像を視聴できました。
SIMは挿せない
ほぼスマホとしてかなり優秀なのですが、注意点としてはSIMが挿せないので本体由来の自由なインターネット接続はできないというところ。
スマホのテザリングやWi-Fi環境が必要なところはちょっとおしいポイント。
Beamは接続先の端末をサポートできる
Beam ProはそのままARグラスに接続すれば映像が見えますが、Beamは単体利用(一部VODを楽しむとか)もできるものの、メインの使い方としては何か別の端末を接続すること。
例えば僕であればiPadとXREAL Air 2 Proの間にBeamを接続して利用し、電車の中でARグラスをかけた時の揺れをBeamのブレ防止機能を使って軽減し、快適な状態で映像を視聴しました。
また、SwitchとARグラスを接続しても映像が見えないのですが、Beamを間に挟むことでSwitchの映像も楽しめるようになります。
他には設定を行うとBeamと接続機器を無線で接続し、本来必要な有線での接続を省略できるようになるというポイントも魅力。
このように単体で利用というよりは、他の端末と併用したときに快適な作業環境を作り上げるのが得意。
ブレ防止がとにかくえらい
このオプション製品の強みは、個人的には無線接続ではなくてブレ防止にあると感じています。
自分はという話ににあるのですが、初めてXREAL Air 2 Proをかけたときはあまりの映像の揺れですぐに酔ってしまい、5分程度しかかけ続けることができませんでした。
その後も慣れてはいくものの、1番使いたいシュチュエーションであった電車で使ってみたところ、イスに座って使うときとは比べ物にならないほどの揺れを感じてしまい、使用を躊躇するように。
しかし、BeamとiPadを接続して使用すると、これまで感じていた揺れがほとんどなくなり、映像が揺れないことで酔わなくなって長時間使用できるようになりました。
主な違い
Beam Pro | Beam | |
---|---|---|
OS | AndroidベースのNebulaOS | 独自のOS |
ホーム画面 | 本体でリモコン的な操作 デュアルディスプレイ アプリを自由に使える | 基本はボタン操作 一部アプリでリモコン的な操作可能 単一の画面 アプリは制限あり |
カメラ | ⚪︎ | × |
接続方法 | 有線のみ | 有線/無線 |
マルチディスプレイ | ⚪︎ | × |
3DoF表示 | ⚪︎ | ⚪︎ |
ブレ補正 | ⚪︎ | ⚪︎ |
サイドビュー | × | ⚪︎ |
価格 | 32980円〜 | 16980円〜 |
簡単に表にまとめてみました。
それぞれについて詳細に解説していきます。
OS:Beam Proはほぼスマホ
Beam ProにはAndroidベースの専用OSであるnebulaOSが搭載されています。
これがほぼスマホと呼べるくらいの出来で、一部アプリに対応していないところ以外は見分けがつかないほど。
Android由来だからこそ、PlayStoreにあるアプリもダウンロードできて自由に使えます。
Notionを入れてタスクの管理をすることもできれば、ゲームを入れてプレイも可能です。
愛用しているアクションカメラのInsta360のアプリが唯一くらいで入れられなかったのですが、これは空間撮影用に2眼あるからなのかな、と考えています。
2024年9月に再度試したらダウンロードできました。使用当時は使えなかったのですが、アップデートしたということでしょうか。
まだすべてを把握しているわけではないですが、カメラ系のアプリについては互換性がないものもあるかもしれません。
その他に関しては今のところ特に制限も見つけられず、本当にスマホといったところ。
一方でBeamは、固定のホーム画面があり、できることとしてはAmazonPrimeでの映像視聴が可能です。
YouTubeやその他自由にアプリを入れられるという仕様ではないので、単体利用の場合の自由度は低いです。
ホーム画面
Beam ProはXREALのARグラスと接続すると専用のホーム画面が表示されます。
これまで専用のホーム画面が映る他メーカーのホーム画面も見てきたのですが、自分が入れたアプリを自由に起動して見られるホーム画面は初めてです。
RokidやTCLも見てきたのですが、指定のアプリしか表示されなかったので、自分がダウンロードしたアプリが目の前にちゃんと表示されているのが画期的。
このホーム画面はBeam Proを動かすことで操作もできますし、マウスを接続しておけばポインターが表示されます。
デュアルディスプレイにも対応していて、2つの画面を見渡しながら作業ができました。
Beamは従来のARグラス端末のオプション製品といった感じで、接続すると目の前に専用のホーム画面が立ち上がります。
ホーム画面では本体を使用してのリモコン操作はできませんでしたが、AmazonPrimを起動時はリモコンのように操作ができました。
この画面はスマホやPCを接続すると消えてしまう画面なので、設定をしたい場合は他端末には繋がないでおく必要があります。
カメラ:空間撮影がBeam Proならできる
Beam Proはカメラが搭載し、そのカメラでは空間撮影で写真や動画を立体的に撮影ができるようになりました。
筐体についている2つのレンズで撮影をすることで奥行きを感じられる画像や映像を撮れます。
これはなかなかに新しい体験で、いままで2Dの画像・映像が主流でしたが、これからは3Dの立体的な写真を撮るアーティストが現れるかもしれません。
Beamは中継機的な側面が強いので、カメラは搭載していませんし、ディスプレイもありません。
これまでのARグラス用オプションとしては正統派なデザインでしたが、Beam Proがあまりにも飛躍的な進化をしてしまったことで、単体でできることの性能としては大きな差が生まれています。
接続方法:Beamであれば無線接続も可能
Beamの利点としては接続端末の映像視聴を快適にするというところがあり、この特徴として挙げられるのが接続端末の無線接続です。
例えばスマホとBeamが同一Wi-Fi環境下にいれば、iPhoneの場合はミラーリング、Androidは画面のキャストをタップすると無線接続が簡単に行えました
これはかなり魅力の機能であり、BeamとARグラスを接続する必要はあるものの、スマホやPCと接続して身動きが取れないという制約はなくなるので、使用端末は自由な場所に置いておけるのが便利。
Beam Proはワイヤレスでの接続には対応していないため、必ず有線での接続が必要になります。
表示方法:3DoFとブレ補正はBeam Proに継承
表示関係については3DoFとブレ補正に関してはどちらの製品にも搭載されている機能でした。
どちらにもオレンジ色のボタンがあり、押すと表示モードを切り替えられます。
ARグラスは自分の瞬きや呼吸といったささいな動きですら大きく映像が揺れてしまうので、3DoFやブレ補正といった、揺れを軽減できる映像の視聴機能を搭載しているのは他社にはない大きな魅力。
表示方法の違いとしてはBeamにはサイドビューという、見ている映像を小さく隅に配置できるモードがあります。
正直これはあまり使ったことがなかったのですが、ARグラスをつけっぱなしで歩きたいながら映像も見たいという人にとっては画面を縮小して横に配置することで視界を確保できて良いのかもしれません。
映像が隅に配置され縮小するとはいっても見える視界が狭くなるため、注意は多いに必要なので気をつけてください。
Beam Proはこんな人におすすめ
新しいAR体験を楽しみたい人
Beam Proの特徴はなんといってもXREALのARグラス専用のOSであるNebulaOSが使えるようになったことによる新しいAR体験。
専用のホーム画面が目の前に広がり、それをBeam Proを使ってリモコンのように操作。
デュアルディスプレイも展開できるので、マルチタスクも楽々こなせます。
さらには空間撮影によって、これまではできなかった新しい画像や映像を撮影できるようになるというところで、これまでの端末とは一線を画すAR体験ができるでしょう。
Beamはこんな人におすすめ
自分のスマホやPCに3DoF表示やブレ補正を付与したい人
一方Beamを購入するメリットとしては、自分の使いたい端末に快適な性能を付与できるというところ。
例えば無線化機能であれば、スマホやPCをARグラスとは接続していなくても、BeamとARグラスさえ接続されていれば映像が見える状態を作り出せます。
他にもブレ防止機能によって、自分の使っている端末から見える映像のブレが抑えられて快適な映像に調整できたり、3DoF表示にすることで画面を固定して視聴することもできるように。
Beam Proでは別の機器の中継で使うということはできないので、お気に入りの端末があり、その端末を最適化させようとするとBeamの方が最適だといえます。
まとめ
可能性を感じているBeam Proとこれまでブレ防止でお世話になってきたBeamの2機種を比較しました。
名前は似ていても用途が大きく異なるので、自分の環境にあわせて購入してもらえればと思います。
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