「あの機能性を求めるとこの機能がない…」
みたいな、ここはいいけどそこはだめ、みたいな悩みはキーボード選びではよくあることだと思います。
そんな悩みも吹き飛ばすほどすべてに優れた市場最高性能のキーボードがNuPhy の「Air75 V3」。
日本語配列にも対応し、いよいよ本当に隙がなくなったロープロファイルの市場最高傑作とも呼べるキーボードです。
今回は実際にNuPhy Air75 V3を使ってみてよかったポイントや気になったポイントについてレビューしていきます。
提供:三陽合同会社
NuPhy Air75 V3の特徴
- Air75シリーズの最新作
- 日本語配列&英語配列に対応
- 3種類のキースイッチを選択可能
- ガスケットマウント採用
- キーボード単体での尊師スタイルに対応
- 擬似的なMod Tapに対応するほどキーマップソフト
- 4000mAhのバッテリー
- 価格28,600円(公式)
- 10%オフクーポン適用で25,740円
特徴としては求めている性能が全部入りつつ高性能というところ。
昨今のキーボードに求められる性能はすべて盛り込みつつ、それですべてのクオリティが高く非常に満足度が高いです。
さらに最近日本語配列(JIS配列)に対応したということもあり、キーボード初心者にもおすすめできる機体になっています。
また、日本語配列対応はかなり優秀だと感じていて、これまで多機能なキーボードはもれなくUS配列で、配列の関係でどうしても良いキーボードが使えないという層が一定いたと思うのですが、そんなくすぶっていた人にもぜひおすすめしたい機能性があります。
打鍵感が良いのはもちろんキーマップソフトのカスタマイズ性能も非常に優れているため、既存のUS配列キーボードと並べても優秀なのはもちろんなこと、日本語配列でみたときにはぶっちぎりの性能をしているのではないかと思うほどです。
他社と比べて
ここを話しだすと長くなるので簡単にしますが、気になる製品としては下記なのではないでしょうか。
- Lofree Flow
- Lofee Flow 2
- Lofree Flow Lite
- IQUNIX MQ80
定番人気ロープロといったらこのあたりで、このラインナップのなかでどう戦っていくのかというのが非常に大切なポイント。
打鍵感はどれも良いという前提ですが、打ち心地的には個人的にはLofreeやMQ80の方が好み。
NuPhy Air75 V3は若干反発弱めでしっとりしているような感覚になるので、ハキハキした打鍵感が良いのであれば他社がおすすめ。
機能性に関してはNuPhy Air75 V3が勝っていると思います。
キーマップの拡張性に関してはLofreeもFlow Liteで対応していますが、擬似的なMod Tapに対応しているNuPhy Air75 V3の方が優秀であるように感じました。
最後に日本語配列に対応しているのはこのなかだとLofree Flow LiteとNuPhy Air75 V3なので、この2機種で比べるならNuPhy Air75 V3の方がソフトもハードも豪華なように感じます。
このあたりは後日詳細を話すかもしれませんが、ひとまずざっくりこのような感じです。
NuPhy Air75 V3のデザイン
カラーについてはホワイトとブラックの2種類展開。

キーキャップの差し色とのバランスが良いので今回はホワイトを選択。
キーキャップは基本はホワイトで、端にあるキーが赤・黄色・緑となっていて、差し色になっています。
キーキャップはサラサラとした触り心地で感触が良いです。
印字については中央に文字が印字されているタイプで視認性が高め。
右端の赤色のボタン部分はロータリーノブと交換が可能です。

ボタンのままにもできますし、ノブにもできるので、操作しやすい方で使ってみてください。

さらにとなりのLEDに関してはバッテリーの残量表示となっているようです。
フレームはアルミで高級感を感じます。
側面には接続方法の切り替えボタン・Win/Macの切り替えボタン・レシーバーの収納口・USB-Cのポートがあります。


背面はABS素材のケースとなっていて、少し透ける仕様。

2段階調整可能なチルトとゴム足がついています。

このゴム足ですが、PCの上に置いて使う尊師スタイルを単独で可能にする仕様で、タイプスティックスのような尊師スタイルを快適に行うための製品がなくても使えます。

デスクに置いて使うのも良いですし、PCの上に置いて使うこともできるというこの仕様は非常に優秀だと感じました。
NuPhy Air75 V3 レビュー
ここからはNuPhy Air75 V3の各項目についてレビューしていきます。
打鍵感
スイッチは以下の3つから選べる仕様。
- Red nano(リニア):押下圧45g
- Brown nano(タクタイル):押下圧50g
- Blush nano(静音リニア):押下圧42g
今回はリニアのRed nanoを使っています。
メーカーから残り2種類のスイッチも提供いただいたので、後ほど紹介予定。
スイッチ以外の特徴としてはガスケットマウントを搭載していて、衝撃吸収や打鍵の響きに関わっている仕様と、3.5mmのロープロファイルとしては深めのストローク。
一般的なロープロファイルのキーボードはもう少しストロークが浅く設定されているのですがNuPhy Air75 V3は深め。
そのため、想像以上に押し込むことができてたしかな打鍵を感じられます。
スイッチの種類に戻って打鍵感を見ていきます。
まずはRed nanoですが、打鍵感としてはややしっとりめの打鍵感。
リニアスイッチなだけあってスムーズに底まで落ちていき、反発も適度。
軽快なタイピングができるでしょう。
しかし、LofreeやMQ80などのロープロファイルキーボードに比べるとやや反発が弱い感じ。
指が跳ねるような感覚を味わいたい人は別のキーボードの方が良いかもしれません。
とはいえ、この若干の弱さは好みの範囲内なので、NuPhy Air75 V3の方が感触が良いと感じる人もいるでしょうし、LofreeやMQ80の方が良いという人もいるかもしれません。
続いてBrown nano(タクタイル)についてはRed nanoと比べて押下圧が重くなったというところで、さらにはっきりとした感触となっています。
また、タクタイルという特性もあり、底打ち付近で若干引っかかるような感触もプラスされています。
青軸のクリッキーな感触と大きな音は抑えつつ、でも感触は楽しみたいという人にはおすすめです。
最後Blush nanoに関しては静音リニアと言っているだけあり非常に静かかつリニアらしいスムーズさがあります。
また、反発についてはRed nanoよりもあるような感じがしていて、個人的にはこの3種類のなかでは1番好みかもしれません。
もっと言ってしまうと、最近人気のLofreeのVoidという静音スイッチより個人的にはこっちの方が好みなくらい。
非常に完成度と満足度の高いスイッチだと感じました。
打鍵音・静音性
静音性についてはRed nanoとBrown nanoは同じような音でBlush nanoに関しては明らかに静かです。
まずRed nanoとBrown nanoについてですが、底打ちしたときにカタカタとした音が響きます。
この音量については常識の範囲内というくらいの音量なので、そこまで大きくて著しく周囲に影響を及ぼすような音ではないと感じました。
とはいえ、それなりに響く音はしているので、静かすぎる環境で使えばしっかり音は響くと思います。
Blush nanoに関しては非常に静か。
トントンとした音が響くだけであまり目立つ音ではありません。
そのため、職場で使うのであればBlush nanoを選ぶのが良いと感じます。
静音性だけで比べるとLofreeのVoidスイッチの方が静か気もしますが、わずかな差ではあるので、この音量差で購入の決め手になるほどではないと感じました。
キーマップソフト
キーマップソフトに関してはNuPhy IOという自社のWEBアプリが使えます。
アプリをダウンロードするわけではないので、どこでも使えるのが魅力。
また、保存方式に関してもオンボードなので、自宅で設定して職場でその設定のまま使う、というような運用も可能です。
ソフトの中身に関してですが、非常によくできています。

まずシンプルなキーカスタマイズについてですが、これは変更したいキーを選択した状態で、下にある変更先のキーをクリックすれば簡単に変わります。
英数からメディアキーまで多様な種類があるので、好みのキーを割り当てすることができるでしょう。
Fnキーは変更できない、という縛りもないためカスタマイズ性は非常に高いです。
レイヤーについてはFnレイヤーが3種類設定可能。
Fnキーを押している間だけ別のレイヤーに移動ができるという仕組みとなっています。
個人的にはこの機能を使って、左端に設定したFnキーを押しながら「A」と「S」を押すと音量の増減ができるという設定が好み。
他にも左手でFnキーを押しながら右手でテンキーのような設定にしてキーボードを使う、といった運用方法も可能なので、この辺りは自分のスタイルにあわせて開拓していくとよりキーボードを多彩に扱えるようになるでしょう。
1点懸念がFnレイヤーあるものの、完全にレイヤーを切り替える方法がなさそうというところ。
一般的な機能だと、レイヤー切り替えボタンを押すと別のレイヤーに瞬時に切り替わるという機能があるのですが、NuPhy Air75 V3の場合はFnキーを押している間だけレイヤーが切り替わるといおう設定のみ。
そのため、完全にレイヤーを移行させる場合はWinモードとMacモードを切り替えるしかないのではないかと思われます。
自分の使い方では基本的に使用は1レイヤーで、用途に応じてFnレイヤーを使う程度なので問題ないのですが、日頃からレイヤー自体を切り替えて使い倒している人には致命的な弱点かもしれません。
WinモードとMacモードの切り替えによって擬似的な2レイヤーにはなっていますが、これも物理ボタンでの切り替えとなっているので、瞬時にというポイントに重きを置くのであればキーボード上で操作ができないのはネックです。
ここはNuPhy Air75 V3の明確な弱みとして考えても良いところでしょう。
他の調整としてバックライトの調整もかなり細かくできるので、好みの光り方にしてみてください。
マクロについても細かく調整ができるうえ、30種類以上保存をしておけるので、細かい調整が必要な人でも問題なく作業ができるのではないかと思います。
右端のキー列を普段使わない人はこのあたりに設定をしておくと良いかもしれません。
ここまでは一般的なメーカー品でも対応していることが多いくらいのカスタマイズ性能なのですが、この先がメーカー品としては非常に優秀といえるポイントになっていきます。
「キーのアドバンスド設定」から3つの高度な設定を行うことができます。

まず「トグルキー」に関してはキーを一度押すと持続的に操作が行われるという操作。
もう1つが「SOCD」で2つのキーを押したとき、どちらのキーが優先されるかという設定。
これら2つに関してはゲームで使われる設定のようで、特定の動作を連続させたいとかWASDのような移動を行う際に、キーを物理的に離すことなく、瞬時に方向転換を行うことが可能にするような設定。
NuPhy Air75 V3はどちらといえば作業用キーボードなのでこの設定を使って本格的なゲーム使用をするかは微妙なところですが、この機能があるおかげで作業用途ながらゲーム使用にもある程度耐えられるかもしれません。
最後に「Tap Dance」という機能ですが、これがメーカー品にあるのが素晴らしい。

機能としてはVIAでいうMod Tapのような機能。
単押し、ダブルクリック、長押しでキーの設定を行えます。
例えば単押しはAにすると、普通に打つ分にはAの入力を行えます。
続いてダブルクリックは素早くトントンと2回押すことによって、設定したキーの入力を可能に。
最後に長押しでは押している間だけ別のキーになるので、⌘やshiftなどの押しながら何かを操作するキーを割り当てると相性が良いでしょう。
このように、キーにいくつもの役割を持たせることができるので表面上では判断できないほどの多機能さを手にいれることができています。
このTap Danceの機能ですが、VIA対応のキーボードでも対応していないことが多いので、自作のような機能性の高さをメーカー品として、しかも設定も簡単に行えて使えるのは素晴らしいと思いました。
若干使ってみて感じた懸念があり、1つ目が入力の遅延。
Tap Danceを設定すると明らかに入力に遅延が感じられました。
仮の設定で「A」の部分にいろいろと割り当てをしたのですが、そうしたときに素早くキーをタイピングしたときにAの入力が判定されずに入力が進んでしまいました。
これはタイピングスピードによるとは思うのですが、ブラインドタッチでわりと早めに打てる人(寿司打高級でおつりくるくらい)は耐え難い苦痛を感じてしまうので、日常的に使うキーへのTap Danceの割り当ては現実的はないと思います。
Tap Danceの設定を外すと早くても問題ない正確な入力に戻せました。
もう1つはダブルクリックの時間の調整。
Vialなどのキーマップソフトではダブルクリックをした際に、どの程度の速さで反応するかを調整できます。
NuPhy Air75 V3ではホールドの時間は設定できるのですがダブルクリックの時間は調整ができないので、本体デフォルトの速さに体を慣らしていくしかありません。
体感ちょっとダブルクリックの判定が渋く、けっこう早めにクリックしないと反応してくれないのでやや使いにくいといった感じです。
機能としてあるのはありがたいものの、若干の使いにくさは感じるといったのが正直なところでした。
キー配列・レイアウト
レイアウトは75%で、配列に関しては日本語配列(JIS配列)と英語配列(US配列)に対応。
US配列であればこれら機能性があるキーボードというのもなくはないのですが、JIS配列でこれだけ充実しているのは初めて出会ったレベル。
どうしても日本市場のみを狙うことになるというリスキーな配列になってしまうので、そこそこ大きなメーカーか日本市場を重視しているところではないと対応していないイメージです。
そんななかで販売しているだけではなく、カラーの選択肢もスイッチの選択肢もあるのは本当に貴重。
JIS配列としては機能性が破格なので、価格の高さはもちろん懸念ですが、これしかないと思わされるレベルの仕上がり。
接続方法
接続は有線・Bluetooth・レシーバーの3種類から接続が選べます。
当然技適も取得済みで非常に安心して使えます。
Bluetoothについては3台まで接続が可能で、Fnキー+1〜3を押すとペアリングと接続切り替えが可能です。
Fnキー+4でレシーバー接続に切り替えられます。
NuPhy Air75 V3がおすすめな人
最高の日本語配列ロープロキーボードが欲しい人
安心・安定の多機能ロープロキーボードが欲しい人
正直現在日本市場で最も総合的な機能性に優れる既製品のロープロファイルキーボードなのではないかと思います。
もちろん各項目それぞれのみで比較したとき、NuPhy Air75 V3より優れるキーボードは存在するでしょう。
しかし、打鍵感・機能性・キーマップのカスタマイズ精度など、総合的なバランスで判断したときこのキーボードを上回れる製品はないのではないかと思います。
また、この手の多機能キーボードは英語配列(US配列)のみの展開であることがほとんどなところ、日本語配列(JIS)配列まで対応したことで他メーカーの追従を許していません。
多機能なキーボードは多数あるものの、日本語配列に対応した多機能なキーボードとなると劇的に数が少なくなります。
市場でもすでに評価が高いメーカーが多機能に使えるキーボードを出してくれたといところに強みを感じました。
本体の機能性として、シンプルに打鍵感が良いのは当然として、その他機能が非常に豪華。
キースイッチの選択はばが広く、静音リニアまで選べるので職場などの人が多い場所で使うときでも安心して使えるでしょう。
また、レシーバーでの接続もできるので、セキュリティが強くBluetoothの接続ができない環境でも使えるのも嬉しいところ。
持ち運んで使いたい人についても、底面にノートPCの上に載せやすい仕様が組み込まれているので、このあたりのハードとしての優秀さも見逃せません。
さらにキーマップソフトについては自作レベルの拡張性があるといえるほどいろいろなカスタマイズができるので、これ一台でできることや活躍させられる場面が無限に想定できます。
もちろん、キーボードに3万円程度というところで、足踏みしてしまうところはあるかもしれませんが、現状このクオリティを出そうと思うと間違いなく他社もこの価格に到達しているどころか同じ価格でもここまで機能性がないことがほとんど。
そのため、市場のキーボードと比べても特別高すぎるということもない、価格とスペックに見合った製品のように感じます。
まとめ
最高性能・最高傑作と呼べるような非常に優秀なキーボードでした。
価格はもちろんそれなりですが、機能性を優先するならかなり有力なキーボードだと思います。
気になる人はリンクをチェックしてみてください。
公式の方がやや安いです。





















