ついに発売されましたAirPods Pro 3!
AirPods Pro 2を購入してからはや3年…もうそんなに経ったのかといった感じです。
僕がこのYouTubeを始めるきっかけとなったガジェットであり、初めて出した動画がAirPods Pro 2の動画なので本当に感慨深いといったところ。
久々の新型であり、個人的にも思い入れのあるガジェットなので僕はすぐに乗り換えを決めましたが、実際世間的にはちょっと懐疑的なのが実態。
搭載されているチップが同じというところで、「AirPods Pro 3って2から進化してるポイントあるの?」とか「買い替える価値はあるのか?」など、ややネガティブめな意見も散見される印象です。
そこで今回は製品自体のレビューもしていきますが、それにあわせて実際買い替えの価値はあるのかとか、進化は感じられたのか?みたいなポイントについても解説していきます。
今回のレビューはファーストインプレッション的なところになるので、ライブ翻訳などのソフトウェア面については後々レビューしていく予定です。
今回の進化ポイントのおさらい
- 音質の向上
- USB-C対応
- AirPods Pro 2から2倍のノイキャン性能
- 本体バッテリーが6→8時間
- イヤーチップの拡充
- IP54→IP57への防水性能向上
- ライブ翻訳機能に対応予定
- 心拍センサーを搭載
- 価格据置39,800円
イベントで大きく取り上げられていた印象があるのは音質向上・ノイキャン強化・ライブ翻訳機能あたりです。
しかし、これらについては実はどこまで本当に向上があるのか、そしてAirPods Pro 3のみの特徴として考えるのかは懐疑的。
その理由についてはAirPods Pro 2から変わらないH2チップというポイントが大きいでしょう。
同じチップというところでライブ翻訳機能は新型ではなくても使えるし、音質向上もどこまで見込めるのかというのが前評判です。
そもそもライブ翻訳機能もApple Intelligenceに対応したiPhoneを持っている場合に限るようなので、15以降のiPhoneを持っていない場合、使えない機能となります。
そのため、市場では「焦って買い替える必要はないのでは?」「魅力の薄い新型ではないのか?」といった声が飛び交ってます。
とは言いつつも、新型になりバッテリーの向上や防水性能の強化など、アップデートがされているポイントもあります。
特に、3年前に発売されたLightning版のAirPods Pro 2を持っている人にとってはLightningからUSB-Cに変わるというだけでもかなり大きなアップデートでしょう。
もちろん2年前USB-Cに対応したAirPods Pro 2は発売されましたが、これを我慢していた人にとって、USB-C対応した新型というところで買い替えが検討できるくらいのポテンシャルはあると思っています。
実際どうだった?
詳細いろいろ見ていきたいのですが、まずざっくり所感についてまとめておきます。
結論、思っていたよりも進化を感じられて個人的には買い替えてよかったなと思いました。
とはいえ、この性能向上の幅をどれくらいの人が喜べるのかは微妙といった印象。
個人的に使ってすぐに気がついた良さについては下記。
- 音の立体感が向上していて音質向上を感じられる
- 耳奥までイヤーピースが入り込む形状に変化
- ケースの重量がはっきりわかるほど軽い
チップの改善がないから音質はそんな変化がないかなと思いきやわかるくらいには向上がありました。
あとで詳しくレビューしますが、低音の厚みが増して音の立体感が良くなったような感じ。
あとは装着感ですが、イヤホンの形状が見てわかるくらい変わっています。
これまで耳に沿うような形だったのがイヤーピースだけ耳奥にぐっと入るような形状に。
これによって密閉感が上がって遮音性能が増したように感じました。
最後にケースの重量の軽量化が思ったより好印象。
しっかり軽さを感じられます。
思っていたよりもはっきり違いが感じられたので、個人的には買い替えてよかったなと感じています。(そもそもUSB-Cに変化というポイントもありますが)
買い替えについてどうかは後半で解説します。
AirPods Pro 3のデザイン
カラーについてはこれまでと同じく特にバリエーションはなくホワイトのみ。
見た目を華やかにした場合は専用のケースの購入がおすすめです。
まず本体についてですが、基本的なフォルムは変わりありませんが、AirPods Pro 2と比べるとサイズが全体的に大きくなっています。

高さ・幅・厚みに関してすべての項目について旧型より大きいです。

しかし、本体重量に関してはAirPods Pro 2が50.8gに対し、43.99gで軽くなっています。
これは体感持てばはっきりわかるレベルの軽さの違いなので、個人的には好印象。
買う買わないの決めてにはなり得ないと思いますが、使用感はけっこう変わると思います。
続いて本体ですが、AirPods Pro 2と比べるとかなり変化しています。
サイズ感がそもそも大きめに変化しているのですが、さらに注目すべきは形状。

底辺を揃えてみるとわかるのですが、耳に入れるドライバーの形状や向きが大きく異なります。
AirPods Pro 2は傾斜がついたような角度でしたが、AirPods Pro 3はドライバーが傾斜はなく直角に曲がったような角度になっており、イヤーピースが入る角度やステムとドライバーの位置関係などが大きく変わりました。
これによって、AirPods Pro 2は耳に沿うような装着感でしたが、AirPods Pro 3は耳奥にぐっとイヤーピースが入り込むような装着感に変化します。
サイズ感についても前に飛び出したような形状になった分、幅が広がったようなデザインとなりました。
ステム部分は変わらず凹んだ形状となっており、さわればどこを摘めば良いのかわかるような感触です。

AirPods Pro 3 レビュー
ここからはAirPods Pro 3の各項目についてレビューしていきます。
音質

音質向上が感じられます!
正直チップが変わっていないから変化がないのではと思っていたのですが、ちゃんとAirPods Pro 2から変化を感じられました。
感じられた変化としては「低音域の増強」「中音域のハリ」「音の立体感」です。
まず低音域についてですが、確実にAirPods Pro 2と比べて厚くなっているように感じました。
ここの改善のおかげで、これまで以上に迫力のある音を楽しめます。
もう少し踏み込んでいうと、単純な低音というよりはベースのさらに下、アンプでいうところのレゾナンスが増強されているようなイメージ。
シンプルに低音を強調したというよりはさらに下から持ち上げて音全体の厚みを増したように聞こえてきました。
中音のハリについては、AirPods Pro 2に比べて音がはっきり前に出てくるような調整になっているように聞こえます。
音のアタック感がほんのり強くなってよりそれぞれの音が聞こえやすくなったような印象です。
しかし、高音が耳に痛く刺さるような感じはなく、中音域をメインとして音にハリやクリアさが足されたような感じ。
最後に音の立体感については低音と中音の調整によって全体的なバランスが向上したことで、音全体の解像感や音域の棲み分けがより鮮明になり、これまで以上の迫力を感じられるようになりました。
全体的なイメージとしてはギターで例えて申し訳ないのですが、バッファーを通した音とでも言えば良いでしょうか。
もともとのAirPods Pro 2のサウンドにちょっと音が前に出るようなエフェクターをかましたような音だと感じています。
個人的にはRCブースターをかませたときの音のハリとか前に出る感じが近いと思ってます。
装着感

デザインのところでも触れたのですが、かなり違いがあります。
ちょっと長くなりそうなので先に言っておきますが、僕は嫌いじゃない装着感です。
AirPods Pro 2と比べるとドライバー部分の形状が変わり、イヤーピース部分の角度なども変化しています。

これまでは傾斜がついている形状だったのですが、大きく角度が変化して直角のような位置関係に。
これによって、イヤーピースがぐっと奥まで入り込むような感覚になりました。
というか、イヤーピースだけが耳に詰まっているような感じといった方が正確かもしれません。
これまではドライバー部分に傾斜があったので、ドライバーも密着しますし、ステムも耳に密着しているような感覚が強かったです。
しかし、今回角度が変わったことで、ステムはほんのり耳から離れていますし、ドライバーも下半分が入っていないような感覚になります。
ここまで聞くと外れやすいように感じてしまうかもしれないのですが、それも違って、密閉感と密着感は増しています。
耳の面積全体の装着感は少なくなったのですが、イヤーピースが奥に入り込み、ドライバーがよりフィットすることで、AirPods Pro 2よりも遮音されているように感じるし密着している感じも上がっているという感覚。
これまでが柔らかいフィット感だったのに対し、オーダーメードの服や靴を身に纏ったような硬めのフィット感が得られました。
個人的には遮音性も上がっているしフィット感も良い感じ。
ただ、これから長時間つけていく中で、耳の奥までしっかり塞がった状態だと耳の疲れがAirPods Pro 2よりも出るのではないかとか、ちょっとフィットしすぎて疲れてしまうのか?みたいなところは検証が必要な気もしてます。
ノイズキャンセリング
確かに良くはなっているように感じますが、劇的な差があるかというと微妙な気もしてます。
というかチップが変わっていないので、これは形状が変わったフィット感の変化による遮音性能の違いかもしれません。
前提として、ノイキャンは強いです。静寂を作り出してくれるこのノイキャンは唯一無二ですし、相変わらずありがたい性能です。
普段使っているWH1000XM6よりも強いんじゃないかと思うほど。
しかし、AirPods Pro 2段階から劇的な進化を感じられるのかという観点では微妙です。
AirPods Pro 2からのノイキャン性能の進化を特に重要視して買い替えたいと考えている場合、決め手にはなりにくいのではないかと思ってしまいました。
外音取り込み
相変わらずめちゃくちゃきれいです。
強いて言えばAirPods Pro 2よりも大きくはっきり音が聞こえてくるような気もします。
性能が劇的に上がっているとは思いませんが、AirPods Pro 2同様に外の音がまるでイヤホンをしていないんじゃないかと思うほどクリアに聞こえました。
これからライブ翻訳や補聴器的な機能を打ち出していくにあたり、つけたままクリアに聞こえるかというのは重要なポイントなので、しっかり力を入れているように感じます。
正直めちゃくちゃクリアに聞こえるので、着けているかいないかの判断ができないレベル。
この精度あればこれからのソフトウェア面の機能向上にも期待が持てます。
マルチポイント
ここについても相変わらずのスムーズな接続。
iPhoneで音楽を再生中でも、iPadやMacで音楽を再生すればすぐに切り替わりました。
そして台数についても登録してあるApple製品の台数繋がったので、現状僕の環境では6台のマルチポイントが確認できています。
この台数を接続できるのは最高すぎ。
正直この機能だけでもAirPods Proを選ぶ理由になると思っています。
他のイヤホンの場合、マルチポイントに対応していたとしても2台、ハイエンド機でも3台あれば良いくらい。
そんななかApple製品限定とはいえ登録台数の上限の10台まではおそらくマルチポイントの接続が可能なAirPods ProはApple端末複数台持ちにとって最高の相棒と呼べるでしょう。
相変わらずの高性能で安心しました。
バッテリー
バッテリーについては下記。
- 本体バッテリーが8時間
- ケース込み最大24時間
本体のバッテリー持ちに関してはAirPods Pro 2が6時間だったのに対し、8時間となり性能が向上。
一方でケース込みについては30時間から24時間となり減少しています。
諸説あると思いますが、個人的には本体バッテリー性能が向上して嬉しく感じています。
僕の使い方の場合、強力なノイキャン性能を活かして耳栓代わり使うことも。
となると、作業中ずっと装着しているので4〜5時間着けっぱなしの場合があります。
しかし、集中して作業して長時間つけてしまうとこれまでは途中でバッテリーが切れてしまう場面が増えました。
移動中に音楽を聞く用途であれば6時間聞ければ十分なのですが、作業で着けっぱなしにするとなると意外と心許なく、だからこそ本体のバッテリー持ち向上は嬉しいポイントです。
ケースが少なくなったといえ、ケース自体は必要であれば本体使用中に充電しておけば良いので、あまり気にならないのではないかと思っています。
AirPods Pro 3がおすすめな人
初代から使っている人
Lightning版2を使っている人
最先端の聴覚技術を試す準備をしておきたい人
そもそもとしてUSB-Cポートに変わり新型というところで、初代機または、Lightning版AirPods Pro 2を使っている人は買い替えても良いのかなという印象。
ポート以外の進化としてもしっかりと恩恵を感じられる進化はありました。
音質についてはAirPods Pro 2と比較して、低音の迫力と全体的な音のクリアさが増して立体感のある良い音質に進化しています。
普段音楽を聞く場合、このアップデートはシンプルに嬉しいです。
装着感についても耳の形によるところはあると思いますが、これまで以上にしっかりと耳に入るようになるので、遮蔽が強くなったことでノイキャン性能や音響体験の向上にも繋がっているのではないでしょうか。
また、今日時点ではまだ試せていない機能がたくさんありますが、これからのアップデートなどでライブ翻訳や聴覚技術について期待ができる仕様になっています。
近い将来翻訳機や補聴器のようなデバイスになっていく可能性のあるイヤホンの進化の過程を常に最速で試す準備をしておけるのはメリットかもしれません。
買い替えはおすすめ?
初代機からであれば買い替え推奨です。
AirPods Pro 2段階でもノイキャンの変化や音質の向上を感じられたので、2世代アップであればさらに感動できると思います。
しかし、AirPods Pro 2からの乗り換えについては検討の余地があります。
個人的には進化も感じましたが、劇的な変化を求めている場合には乗り換え非推奨。
理由としては下記。
- 使える機能についてはチップが同じだからAirPods Pro 2と変わらない
- ノイキャンも強くなっているが誤差の範囲
- 音質向上はしているがコーデックの対応は特に変わりない
おそらく乗り換えを考えている人はメジャーアップデートしたモデルのときに乗り換えたいというのが本音でしょう。
その観点で見ると今回の進化はチップも変わっていないのでマイナーアップデート寄り。
機能についてもチップが同じなので、AirPods Pro 2でもこれから実装されるアップデートは使える予定ですし、AirPods Pro 3のみの特別感が薄いのも事実です。
ノイキャン性能についてもAirPods Pro 2から2倍という話ですが、これもイヤーチップとか装着感が変わったことによる、物理的な遮蔽が関係しているのではないかというのが否めません。
最後に音質について僕は向上を感じましたが、それでも味付けが変わった程度というか圧倒的な差を感じるかと言われると、もとの段階でもそれなりにきれいに聞こえていると感じていたので人によってはそこまで感動がないかもしれません。
それこそ対応コーデックに変化があって、さらにオーディオの沼に浸かれるような性能をしているわけではないので、音質にしっかりと向き合うための進化を欲している人には不十分なような気もしています。
順当に進化はしているが、決め手に弱いと言われればその通りだなとは思います。
実際今回僕も機能に感動してというよりは3年間フルで使い続けたことによる経年劣化目線の乗り換えというのも理由として大きいです。
今はまだ動いているものの、ここまで酷使するのであれば3年に1度くらい買い替えても良いかなといった感じ。
そのため、機能的に絶対これは買い替えなければ!という意欲があっての乗り換えではありません。
だからこそ僕は「進化が最高だから絶対に買い替え推奨!」とまでは思っていません。
一方で、使ってみたらすぐにでもわかる進化したポイントもあったので、若干Apple好きの贔屓目があることは否めませんが、買って損したとも思いませんでした。
人気製品でいろんな人の意見やレビューがあると思うので、購入に悩んでいる人はこのレビューを参考の1つにしてもらえればと思います。
まとめ
僕の耳にはしっかりフィットしてくれたし思ったより感触の良い新型となりました!
これからどんどん使い込んで、機能的な部分とか使い込んでわかったポイントについてはさらに後日共有していきます!
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