iPad用のキーボードと言えばトラックパッド付きのキーボードを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
僕自身もこれまでたくさんのiPad用キーボードを使ってきましたが、性能に差はあれど、基本的には純正のMagic Keyboardのような形状か、キーボードだけの製品といった感じで大きくタイプが違う製品はないという印象。
しかし、今回多機能トラックパッド付きキーボードのCOMBO TOUCHや最高のトラックボールマウスMX ERGO Sなどを販売しているLogicoolから、新たな選択肢となるiPad用キーボード付きケースが発売されました。
それが今回レビューしていく「Flip Folio」。
なんとケースに装着できるタイプのキーボードで、iPadらしい使い方もタイピングもどちらも両立できるというアイテム。
今回はFlip Folioを実際に使ってわかった良かったポイントや気になったポイントについてレビューしていきます。
提供:Logicool
Flip Folioの特徴
- ケースに装着できるキーボード
- 多角度に調整可能なキックスタンド
- 縦向きで使用可能
- マルチペアリング:3台
- コイン型電池式で最大2年間のバッテリー
- M4Pro/Airが使用可能
- 11インチと13インチ対応
- 定価26,180円(11インチ)
- Amazonセール時23,800円(11インチ)
特徴はなんといっても取り外し可能なキーボードが付属しているというところ。
これまでもLogicoolは分離できるCOMBO TOUCHというトラックパッド付きキーボードは発売しているので、分離については特徴的ではあるものの、このタイプの分離はLogicoolはもちろん、他のメーカー品でも見たことがなかった新しいタイプ。
COMBO TOUCHももちろん機能性に優れる良いトラックパッド付きキーボードではあるものの、iPadらしく使おうと思うと一度キーボードは外す必要があるなど、キーボードと通常のiPad使用の頻度が半々くらいの人にはむしろ使い勝手が悪い部分もあったかもしれません。
その点で、キーボードを取り付けたまま角度調整ができたり、縦置きと横置きを選べるなど、取り外し前から機能性が高いFlip FolioはiPadらしい使い方の頻度が多い人にとってはトラックパッド付きキーボードよりも快適に使えるキーボードと言えるかもしれないと感じました。
対応iPadとしてはM4ProとM3やM2などのiPadが対象で、サイズは11インチと13インチのiPadで使えます。
ProとAirどちらにも使えるユニバーサルなデザインにもなっていて、数は少ないかもしれないですが、M4ProとiPad Airを2台持ちしている人にとっては両方で使える多機能ケースというところでありがたい存在になりそうです。
Flip Folioのデザイン
カラーについてはグレーの1色展開。
基本はグレーですが、iPadの底面を引っ掛けられるところやキーボードのタグはミントグリーンのようなカラーが採用されています。
ケースを折りたたんで正面は、キーボード付きのときはキーボードの分かなり浮き出しています。

イメージは純正のスマートフォリオのような浮き出し方です。
正面のキーボードはマグネットで貼り付いているだけなので、簡単に取り外しができます。

取り外した状態だとトラックパッド付きキーボードのカバーのような印象に変化。
カバーを開くと内側には特に印字などはありません。

カバーについてはCOMBO TOUCHのように分離できるわけではなく、しっかりと繋がっています。
背面には「Logi」のロゴが印字。

iPadを保護している面ということもあり、コツコツとした音が出るくらいには硬めの素材です。
ハードケースのような硬さを感じました。
キーボードについてはiPadの幅と同じサイズとなっています。
そのため、エンターキーとか「」のキーが少し変形した形になっています。
Flip Folio レビュー
ここからはFlip Folioの各項目についてレビューしていきます。
機能性
まず特徴的なのはなんといっても取り外しができる構造というところ。

これによって、キーボードを使うときは取り外し、使わないときはiPadと一緒に持ち運ぶ、という運用ができます。
iPadを使うとき、キーボードはあった方が作業が捗る場面もありますがキーボードの持ち運びはめんどくさい場面もあったので、これはありがたい仕様です。
ケース自体はキックスタンドとなっており、折り目に沿っておることで傾斜をつけながらiPadを置くことができます。
傾斜については5度くらいから60度くらいをカバーしている印象です。

ペンなどで押したら潰れるくらいの固定力なので、ペンシルで何か書くというのは全体通して難しいと思います。
カバーや本体の縁にゴム足のような滑り止めがついているので、意外と滑らずに使うことができました。
iPadは通常横置きですが、縦置きにも対応しています。

詰めておけばiPhoneを置いて2台並べることもできるようです。
縦置きの際には貼り付く力は弱く、倒れかかっているに近い状態なので、転倒には気をつけましょう。
打鍵感
打鍵感はLogicoolらしい柔らかくポコポコとした押し心地の打鍵感。
柔らかな打鍵感というところで長時間タイピングしても指が疲れにくいでしょう。
一打ごとにポコポコと反発や引っ掛かりも感じられるので、たしかな感触を得ながらタイピングができます。
カチャカチャとした音が聞こえてきますが、そこまで大きな音ではないので、そこまで周囲へ迷惑をかけずに使える範囲でしょう。
キー配列・レイアウト
キー配列はJIS配列で、レイアウトはiPadの横幅に合わせたサイズ感となっています。

iPadの幅に収めるというところで、エンターキーや「」が少し変形して小さなキーになっています。

よく使うキーについては通常の大きさをしていますし、フルサイズキーボードと公式HPに書いてあるので、ピッチが通常のキーボードと同じなのでしょう。
iPad系のキーボードとしては正統派な大きさかつ仕様のように感じました。
カスタムキーが最上段についており、画面輝度や音量などの設定が可能です。
バッテリー
バッテリーに関しては内蔵バッテリーではなく電池式。
電池にはコイン電池の「CR2016」を使用。

最大2年間の使用が可能とのことです。
本体に電源ボタンもついているので、使用しないときはオフにして使えば頻繁に電池を交換せずに使えるでしょう。

バッテリー内蔵ではないとうところで充電にめんどくささを感じる人もいるかもしれませんが、バッテリーが内蔵していないというところで、湿気などによるバッテリーの劣化の可能性はありません。
つまり、長期間の使用に向いているという強みがあります。
これは個人の好みが多いにありますが、実は長く使う目的であれば電池の方が優れているので、この点をどう思うかによって、電池採用はメリットにもデメリットにもなり得るといったところ。
その他気になるところ
素晴らしい機能性を持つFlip Folioですが、気になるところもあるので、共有します。
重量は気になる
Amazonの口コミや他のYouTuberさんの動画コメントでも言及が多かったのが本体重量について。
実際僕自身も使ってみてかなり気になりました。
このケース重量が611gあり、純正のMagic Keyboardが582gよりも重い設計。
正直ずっしり感は否めないです。
キーボード自体は非常に軽量なのですが、ケースがかなり重め。
厚みのある背面のケースや正面のカバーで、薄さや軽さというのはあまり感じられません。
そのため、多機能に使えるギミックはありつつも、軽快に使えるほどの軽さはしていないといった感じ。
トラックパッド付きキーボードであれば社外製標準くらいの重さですが、この重さを許容できるかどうかは選ぶべきポイントになるでしょう。
US配列出してほしい
今回の機種にはUS配列がなくJIS配列のみ。
そこまで多くの需要がないからかもしれないですが、US配列もあったら嬉しいなという希望。
正直コンパクト系のキーボードであればJISよりもUSの方が相性が良いと思うので、最適化されたコンパクトキーボードが使いたいなと感じています。
Flip Folioがおすすめな人
iPadとキーボードの持ち運びを楽にしたい人
iPadとキーボードを合わせて使うとなるとトラックパッド付きキーボードくらいしか選択肢がなかったわけですが、そこに新たに現れたキーボード。
もちろんトラックパッド付きの方が操作感に優れるというのは前提としてあるものの、トラックパッドがないからこその収納ギミックとか置き方や角度調整の自由度という魅力もあるように感じます。
シンプルにテキストを打つくらいの作業であれば、むしろこっちの方が書くこととiPadらしく使うことに特化しているので、使いやすい人もいるのではないかと思えるほど。
一方で、重量に関しては重めとなっているので、本当に軽快に使いたい場合には注意が必要です。
いろいろとトレードオフにはなりますが、新しい選択肢というところで非常に楽しい製品であると感じました。
まとめ
新感覚のキーボード付きケースのレビューでした。
生活に合う人にとっては革命的な存在になるのではないでしょうか。
気になった人はチェックしてみてください。