写真の現像や動画編集といったクリエイティブな作業をしている人はモニターの色味について悩んだことはないでしょうか。
僕は日々ブログのために写真を撮影し、YouTubeの投稿用に動画編集をするわけですが、編集した色味と実際にiPhoneやMacで映る色味が違うことがあり悩んでいます。
それもそのはずで、モニターは格安のものを使っていたので決して表現が正確とは言えず、色ずれを起こしていました。
普段見慣れているiPhoneやMacのディスプレイというのは実際かなりきれいで、格安モニターだと違和感があるというのが実態としてあります。
そんな色味に対する課題を解決してくれるのがBenQの「MA320U」。
なんとMacBookとの使用に最適なモデルとして開発されていて、色ズレを起こさない工夫が取り込まれているモニターです。
今回はMA320Uを実際に使ってわかった良かったポイントや気になったポイントについてまとめていきます。
提供:BenQ
BenQ MA320Uの特徴
- Macと同じDisplay P3色域を採用
- USB-Cケーブル1本で出力可能
- 90Wと15W給電のUSB-Cポートを搭載
- Display Pilot 2で詳細なディスプレイ設定
- 価格 108,000円
特徴はなんといってもMacBookとの使用を想定して設計されているというところ。
モニターを使っているとどうしても色ズレというのが気になってしまいます。
モニターごとにカラーモードといった調整がある程度できるようにはなっていますし、Mac側からもある程度操作が可能です。
とはいえなかなか一致するレベルとまではいかず、小さなズレが生まれます。
ブラウジングしたり動画を見たりする分には問題ないのですが、写真や動画の編集では致命的。
自分でこれだ!と思う色味の編集をしてみても「MacやiPhoneで見直してみると鮮やかさ足りてなくない…?」みたいなことが起こってしまいます。
クリエイティブな活動をしている人であれば狙った意図の色を表現できないというのはかなり打撃が大きいのではないのではないでしょうか。
となってくると色味が正しいモニターというのが必要になってくるわけです。
とはいえ、正しさを突き詰めるとおそらく辿り着くのがStudio Display。
性能は最高だけれど価格は20万というところがネック。
他にも色味の正確さを重視していくとモニターの価格が10万を超えてしまうというのはあるあるの問題です。
そんななかで10万円という価格で販売しているのも魅力的なポイント。
決して安くはないのですが、色味という点において選んでいくのであれば、この価格はわりと下限な気がしているので思っているよりも高すぎないというか、納得感のある価格な気もしています。
「Macに最適化されている」「価格も割高すぎない」この辺りが非常に優秀で刺さる人には非常に刺さる製品であると言えるでしょう。
BenQ MA320Uのデザイン
カラーについては種類があるわけではなく、正面はブラック、背面やスタンドはシルバーといった色味になっています。
一見正面の印象がブラック?と思われた方もいるかもしれませんが、並べてみると理由が明快。
たしかに全体デザインはメタリックなMacBookですが、ディスプレイ部分に関してはそこは関係なくブラックのベゼルというかディスプレイ。

そのため並べたときにMacBookと親和性が高いデザインとなっています。
ベゼルの太さに関しても下側がやや太いくらいですが、これも全体の雰囲気に馴染んでいるのでそこまできになりません。

「BenQ」のロゴの印字がありますが、これも同系統色になっているので特に気にならないと思います。

ディスプレイ背面には各種インターフェースが搭載。
- HDMI (v2.0)×2
- USB Type-C(90W給電, DisplayPort Alt Mode, データ転送)×1
- USB Type-A 下りポート (USB 3.2 Gen 1, 5 Gbps, パワーチャージング 7.5W)×1
- USB Type-C 下りポート (USB 3.2 Gen 1, 5 Gbps, パワーチャージング 15W)×1
USB-Cケーブル1本での出力と給電に対応しているので、ハブやドックがなくてもデスクをすっきりと整理できるのが嬉しいポイント。
HDMIのポートもあるので、複数のディスプレイを切り替えるという運用もできます。
給電のポートも豊富にあるので、モニターライト用の給電をしたり、その他ガジェットの給電用として活用できるでしょう。
BenQ MA320U レビュー
ここからはMA320Uの各項目についてレビューしていきます。
画質関係
パネルはIPSパネルで、解像度は4K。
色域に関してはsRGB 99% 、P3 97%となっています。
文句なしにきれいなディスプレイだと感じました。
発色はもちろん鮮やかだし、ドット感のあるモニターでもない。
見ていて美しいと感じられるそんなモニターです。
ただそんなレビューは高価なモニターであれば当たり前の話で、このMA320Uに関しての本質はここではありません。
MacBook向け謳っているだけあって、本当になればて見てもMacBookと遜色ないような発色で見えます。

Lightroomでの現像や動画編集などもしてみましたが、これまで感じていた自分が感じる色ズレは気にならなくなりました。
MA320U以上に色の正確さを求めるとこの上はさらに高価なモデルになってしまいます。
特別なこだわりとかどうしようもない事情がないのであれば、費用対効果を考えてMA320Uを選ぶのが大抵の場合の最適解となると思いました。
設定変更で幅広く対応
実は接続しただけではMacBookに対応したディスプレイであるとは言えません。
このモニターの実力を引き出すには専用のソフトウェア「Display Pilot 2」が必要です。

このソフトウェアを使用することで発色を調整することができます。
大まかなカラーモードをここで変更できるのはもちろん、細かなコントラストやカラー調整もこのアプリで操作が可能です。
カラーモードのなかに「M-book」というモードがあるので、MacBookと近い色味にしたい人はこのモードを選択しましょう。
基本的にモニターのこれらの設定はモニター側の物理ボタンからカチカチ操作しなければならないことが通常ですが、アプリで操作できるのは楽ですね。
機能性
背面のポート類は種類も多く非常に優秀だと思います。
特にUSB-CもUSB-Aも揃っているので、普段どちらのポートを使っている人で問題なく使用できるのではないでしょうか。
また、USB-Cにはこの価格帯では当たり前かもしれないですがケーブル1本での出力にも対応しています。
これまでモニターへの出力の場合はハブと接続する必要がありましたが、それがなくなり非常にすっきり。
しかもケーブルから直接給電もまかなえているので、充電器を別途準備する必要がないのも嬉しいポイントですね。
ソフトウェアに関しても専用のものが準備されているので操作がしやすく、非常に使いやすいモニターになっていると思います。
スタンド
スタンドに関しては重厚感のあるMacBookとも相性の良い備え付きのスタンドが付属しています。

高さの調整はもちろん、上下へのかたむき(チルト)が-5〜20度、左右首ふり(スイーベル)が15度。
90度のピボット回転も可能で、縦表示への切り替えもできます。
BSH01を使おう!
とても質の良いスタンドが付属しているのですが、贅沢にも僕はこのスタンドを使用していません。
公式HPにもセット売りがされている、強力なモニターアーム「BSH01」と合わせて僕はこのモニターを使用中です。

スタンドは良いのですが、どうしても下のスペースの活用が気になってしまいます。
そんなときに役立つのがモニターアームなわけですが、テキトーなモニターアームの場合、この大きさのモニターには重さ負けしてしまいます。
しかし、BSH01は併売されているくらいなので当たり前ですが、ぐらつきも一切なく、非常に安定してモニターを浮かすことができました。
耐荷重は2~20Kgということで、かなり重さのあるモニターまで対応できます。
余力のある耐荷重のおかげで、高さの調整はもちろん、チルトの調整も横へのシフト、前後への伸縮までばっちりサポート。


備え付けのスタンドも素晴らしいのですが、余力があるのであればモニターアームがあるとデスク構築の自由度が増すので個人的にはおすすめしたいガジェット。
価格についても14,400円となっていて、ERGOTRON(19,700円)やCOFO(21,999円)といった定番のモニターアームより安価となっています。
というかむしろこの競合のモニターアームは14Kgくらいまでしか対応していないので、20Kgまで対応できるBSH01の方が優秀と言えるくらいではないでしょうか。
デザインの好みはあるかもしれませんが、個人的にはもはやBSH01の方が良いのでは?と思っているほどおすすめしたいモニターアームです。
その他気になるところ
最高な性能があるMA320Uですが、気になったポイントもあるので共有します。
リフレッシュレート
Mac向けと割り切っているのであえて批判するべきポイントでもないのですが、ちょっとだけ惜しいと感じているのはリフレッシュレートが60Hzまでなところ。
Macだけで使うのであればゲームは想定されていないので60Hzもあれば良いのですが、めちゃくちゃ贅沢なことを言ってしまえば10万のモニターならちょっとくらいゲームに対応してくれても良いのでは…と思ったり思わなかったり。
作業用のモニターとゲーム用のモニターを使い分けられるほど予算とスペースに余裕がある人は少数派なのではないでしょうか。少なくとも僕はモニターをこれ以上家に置くスペースはありません。
そのため、PCゲームがしたいとか、Switch2のゲームをするなら必然的に1枚のモニターで楽しむ必要があるわけですが、その場合に120Hz出ないのがネック。
10万円もするならゲーミングモニターであれば色味も良い化け物リフレッシュレートのモニターの選択肢も出てきます。
作業にはもちろんMA320Uが向いてますが、ゲームまで考えるなら別の選択肢もありそうです。
自動切り替え検知
リフレッシュレートがないのは残念ですが、Switchのゲームであればそもそも60Hzまでしか出ないので、関係なくゲームでも使えるだろうというところでゲーム用途でも僕は使っています。
しかし、ゲーム用途として使う場合にはちょっと困った仕様があり、自動切り替え検知には対応していないようです。
これまで使っていたLGのモニターはSwitchの電源を入れると「HDMI2に入力がありました。切り替えますか?」みたいなポップが出てきて、モニター下のボタンを1回押すと簡単に切り替えられました。
ですがMA320UはSwitchの電源を入れたとしても特にこのようなポップはなく、自分でHDMIの切り替えをする必要があります。
しかも切り替えにはメニューボタンを押して切り替え画面まで何画面か移動しなくてはいけないので、かなり手間。
ゲームをやりたい!と思ってもすぐに起動できないのでこれはなかなかストレスでした。
今回僕はこれがゲームでしたが、例えばサブPCとかiPadと接続しても同様の問題が起こってしまうでしょう。
せっかく出力が複数あるのにも関わらず切り替えが面倒なのはちょっと残念でした。
BenQ MA320Uはこんな人におすすめ
Macの色味で正確な作業ができる大きなモニターが欲しい人
写真の現像や動画編集をやっている人がクリティカルな悩みを持っている人となると思いますが、Macのディスプレイとモニターのディスプレイで色味のズレが気になるという課題があります。
これを真剣に解決使用と思うとStudio Displayが候補になるというか、完璧を求めるならStudio Displayになるとは思いますが、ネックなのは価格。なんと定価20万超え。
最高の環境は欲しいけどそこまでは出せない…というときの選択肢になりえるのがこのMA320Uではないでしょうか。
Mac用と謳っているだけあり、ディスプレイの色味や解像感といったところも非常に似ていると思います。
これまでどうしてもメインのモニターで写真や動画の編集をすると、iPhoneやiPadで見たときに色が思っていたように出ていないことがありましたが、ようやく色ずれなく出力できるようになりました。
また、僕はこれまで34インチのウルトラワイドモニターを使っていたので、どうしても大きめなモニターという要望は外せないポイントだったのですが、ここもクリア。
実際には34インチはなく31.5インチなのですが、思ったよりも縦が長いこの比率が意外と良く、使いやすいですし、34インチからの乗り換えでもあまり違和感を覚えずに移行できました。
このサイズ感で色味まで気にして購入しようとすると10万を余裕で超えてくるものばかりなので、その点では10万円で購入できるのであればある意味お得かもしれないとも感じています。
そこまで精緻な色味を考えないのであればいくらでもお手頃な選択肢は生まれます。
しかし、色の精緻さを気にし出したとき、ある程度満足するレベルのモニターを準備使用とするとどうしても価格が跳ね上がることに。
そんな高額なモニターが渦巻くなかで、決して安いとは言いませんが、下限に近い価格でMac向けに作られていて品質も良いというところで考えると、ある程度のラインを越したしっかりとしたモニターが欲しいけど予算は可能であれば抑えたい、みたいなニーズは満たせる良モニターだと感じています。
これまでモニターは30種類以上見てきましたが、しっかりきれいでハードとしても使いやすく、経験を踏まえても非常に気に入っているモニターです。
まとめ
非常にクオリティの高いモニターに乗り換えることができ最高の気分です。
クリエイティブ系の作業をするとなるとどこかのタイミングで必要になってくるものだと思うので、気になった人はチェックしてみてください!
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