iPad併用が想定されてる自作キーボード「dotmatrix40」|40%レイアウト×オーソリニアでミニマルだけど快適に使える

iPad用に持ち運べるキーボードが気になっている人も多いのではないでしょうか。

既製品を選んでも良いのですが、キーボードが熱い今だからこそ、持ち運び用に自作キーボードに手を出してみませんか?

というところで、今現在僕がiPadとあわせて使うお気に入りの自作キーボードを紹介します。

それが、コンパクトなオーソリニアで機能性は抜群なキーボード、dotting dotsの「dotmatrix40」です。

今回はdotmatrix40を実際に使ってみて良かったポイントや気になったポイントについてまとめていきます。

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遊び心をプラスした40%キーボード

提供:Cerakey

dotmatrix40とは

エンジニアとデザイナーのユニットで製作販売を手掛けるブランドdotting dotsから発売されているキーボードです。

今回僕はdotmatrix40を購入しましたが、マクロパッドデスクトップCO2モニターの販売もありました。

僕は少し前に行われたキーケットで初めてこのキーボードを見つけ、iPadとの併用も想定しているというところに心を撃たれ後日購入したという経緯。(当日は売り切れてました)

キーケット当日はかなり製作の話なんかを聞かせてもらいました。

キーケット以外も天キーや文具マーケットといったイベントに定期的に出店をしているようなので、試打できる機会もないわけではなさそうです。

直近の参加のイベントはなさそうですが、今後開催のキーボードイベントがあった場合には参加されるかもしれません。

dotmatrix40の特徴

  • 40%レイアウト
  • オーソリニア
  • センター配置のロータリーエンコーダー
  • 主要部品(マイコン周辺部品、キースイッチ用ダイオード等)は全て実装済み
  • CherryMX互換キースイッチ対応(カスタムパーツでロープロ対応)
  • 好みのキースイッチ・キャップで自由にカスタマイズ可能
  • Remapによるキーマップ書き換えに対応
  • はんだ付けオプションあり
  • 有線接続のみ
  • ¥22,000 〜 ¥25,000 円

必要最小限のキーに、遊び心をプラスした40%キーボード。センター配置のロータリーエンコーダーが、直感的な操作性を実現。コンパクトで心地よい、個性派なあなたに。

40%レイアウトかつオーソリニアの配列で、コンパクトさと機能性を担保したモデルとなっています。

キーとしてはアルファベット・BS・エンターキーは標準で搭載できるだけのキー数あり。

最近コンパクトレイアウトとなるとBSすらないようなレイアウトのキーボードもありますが、必要なキーはある程度準備しておけるというのも安心のポイントです。

また初心者にも優しい製作難易度になっているところもありがたいところ。

ハンダ付けオプションがあるので、ハンダ付けに不安がある人はオプションをつけると良いと思います。

価格も3000円差なので、僕は手元に一式道具はあるのですが今回は頼んでしまいました。

標準装備ではCherryMX互換キースイッチ対応なので、フルプロファイルのキーボードになるのですが、オプションでロープロ対応のパーツを購入するとロープロのキーボードとしても使えるようになります。

製作難易度は低い

自作キーボードで気になるのは「製作が難しいんじゃないの?」というところですよね。

dotmatrix40は自作としては非常に製作難易度の低いキーボードとなっているので初心者にも自身をもっておすすめできるキーボードです。

そもそもとしてはハンダつけ不要のEasy Kit が用意されているので、道具がなかったりハンダ付けが不安だったりしても安心。

自分でできるという人の場合はStandard Kitを選びましょう。

僕は道具を出すのをめんどくさがってEasy Kit にしてしまったのですが、ビルドガイドを見る限りロータリーエンコーダーとフィラメントLEDをハンダ付けする程度なようなので、はんだの箇所的には10箇所いかないくらいでしょう。

工数がかかる自作キーボードの場合はスイッチのソケットをすべてはんだ付けする必要があるらしいので、それに比べたら非常に簡単な作業になるでしょう。

ロープロキットは話が別

dotmatrix40は基本がCherryMX互換キースイッチとなっています。

ですが、ロープロキットを別途購入することでロープロのスイッチも使用できるように。

しかし、この場合はスイッチ1つ1つに取り付けが必要なようです。

部品がそれなりに大きいので難易度はそこまで高くなさそうですが、シンプルに時間がかかりそうではあります。

ロープロ化させたい人はご注意を。

dotmatrix40のデザイン

カラーの種類は特になく、1色展開。

ブラックの基盤にイエローの足やロータリーエンコーダーという配色。

ブランドイメージとしてブラック×イエローで統一しているような印象です。

正面のプレート右上にはブランド名が書いてあります。

中央にはロータリーエンコーダーがあり、クルクルと回せるタイプです。

側面には上部の右上にUSB-Cのポートがあります。

背面は穴あきのプレートと、チルトのボディがあるといった感じ。

傾斜は若干ついているので、フルプロファイルのキースイッチを使ってもなかなか打ちやすいです。

ボディについては3Dプリンター製となっています。

打鍵感・キースイッチ

キースイッチについてはGateron Smoothieというスイッチを使っています。

僕はLofree Flowのようなコトコトとしたタイプの打鍵感が好きなので、似たような感触のキースイッチがないかコミュニティ投稿で相談したところ視聴者さんが教えてくれたものを選びました。情報共有ありがとうございます。

肝心の打鍵感ですが、リニアタイプのスイッチでストンと落ちるなめらかさが気持ちよく、押下圧も40gで軽快に打てました。

反発も心地よく、小気味よくタイピングができて非常に心地よいです。

フレームについてはけっこうたわむような構造になっているので、打鍵の衝撃を分散できているのかあまり指に疲れがたまるような感覚にはなりません。

打鍵の部分については自分の使うスイッチやキーキャップによってかなり感触が変わってくるので好みのものを選んで使いましょう。

キーキャップ

キーキャップについては今回は「CERAMIC KEYCAP SET V2」の無刻印ホワイトを使用。

フルプロファイル対応のキーキャップで、セラミック製なのが特徴。

光沢のあるキーキャップとなっており、非常に高級感があります。

打鍵感に関してもかなり変化があって、PBTキーキャップとは重さや物としての密度が違うことから、コトコトとした打鍵感が加速するような感じです。

キーキャップの変更で印象はもちろん打鍵感もかなり変わるので気になる人は試してみてください。

既製品のキーボードだとわざわざキーキャップを付け替えてまで使う人は少ないかもしれないですが、自作の場合はキーキャップも自分で選ぶことができるので、普段とは違うキーキャップを選ぶのも楽しいですよ。

芸術的なスムーズなタイピングを堪能

無刻印ってどうなの?

最近無刻印のキーキャップも増えているし、使っている人もそれなりに見かけるようになった気がしています。

dotmatrix40もイメージ画像は無刻印ですしね。

自作キーボードには無刻印使用の人が多いのですが、デザイン性を重視してという理由ももちろんあるとは思いますが、形に合う適切な印字のあるキーキャップというのを探すのが難しいという理由もあると思っています。

1uのエンターキーとかBSを探そうとしても対応のキーキャップがセットの製品では見つけられず、1u部分を印字されたキーを使おうとすると単品購入になるので、そこだけ種類が違うキーキャップを使わなくてはいけなくてやや歪な印象になるんですよね。

そこで活躍するのが無刻印のキーキャップ。

印字がないのでシンプルだしデザイン性もよく使えます。

CERAMIC KEYCAP SET V2であればかなりいろんな種類があって、カラーはもちろん刻印ありと無刻印どちらも準備があります。

今回僕はキーボードの印象を整えるために無刻印を選びましたが、使いづらい人は刻印がありがおすすめです。

慣れればある程度打てるのですが、慣れないと無刻印けっこうタイプミス多くなります。

というかけっこう難しいからこそ、キーケットではHHKBブースで無刻印タイピングチャレンジというのをやっていて、無刻印キーボードで指定の文章打ち切れたらプレゼントという企画をやって成立するほど。僕は失敗しました。

キーマップ設定でさらに快適に

自作かつコンパクトキーボード特有の悩み、「キーの数足りてないけどどうするの?」という問題がありますよね。これについても解説します。

コンパクトレイアウトのキーボードでは基本的に足りないキーは、とあるキーを押している間だけ別のレイヤーに移動するとか、長押ししているときだけ別のキーとして入力される、みたいな機能を使って少ないキーでもうまく操作をします。

それをどうやってカスタマイズするかというと、dotmatrix40ではREMAPというWEBアプリを使って調整可能です。

アプリのインストールは不要でWinMacどちらからでも使用できます。

このアプリを使えばシンプルにキーの割り当てを変えることも、今説明したような多機能な設定にすることもできます。

例えば僕の場合であれば、左下のキーに関しては「押している間だけレイヤー2になる」というキーの割り当て。

こうすることによって、左下のキーを押しながらSとかAのキーを押すと音量の増減を調整できます。

これはレイヤー2にはSやAの位置にメディアキーを割り当てしているからです。

他には左のスペースバーは短く押すと普通にスペース、長押しするとレイヤー2に移動するというキーに設定しています。

これで左下で行っていた操作と同じことをスペースでも行えるので、好きな位置からレイヤー2にアクセスできるように。

僕はレイヤー2に数字キーやーとか+みたいなキーを割り振っているので、通常のレイアウトでは数的に足りないキーをこんな感じで打てるようにしています。

このカスタマイズですが、他にもいろんなキーや機能があるので、調べれば調べるほど快適にキーボードを使いこなすことができるでしょう。

気に入っているポイント

ここからは実際にdotmatrix40を使ってみて気に入ったポイントについてまとめていきます。

iPadとの併用が想定されている

これは実際にキーケットに行ったとき製作者の方と話して教えてもらったのですが、iPadとの併用も想定されているとのこと。

併用を想定している要素としてはiPadの11インチサイズの幅に収まるようなサイズ感にして、持ち運びやすいようにしているところとロータリーエンコーダーの使い勝手。

サイズに関しては重ねればわかるのですが、かなりフィットしたサイズ感になっています。

市販の折りたたみキーボードだと、広げたとき横幅より大きくなるとかそもそも大きくはみ出ているとかあるので、サイズよく使えるのは良いところですよね。

個人的に感動したのはこのポイントで、ロータリーエンコーダーの使い方。

iPadとキーボードを繋げていて困るのは改行とか選択とかでディスプレイをタッチしなくてはいけないところではないでしょうか。

これをロータリーエンコーダーの操作で解決できます。

僕の設定であれば基本はこのロータリーエンコーダーを回すと横に移動します。

これをレイヤー切り替えのボタンを押しながら回すと縦の移動ができるように。

これでテキストワーク中マウスがなくてもカーソルが縦横無人に動かすことができます。

僕はシンプルにブログの記事を書くくらいしかしないので、マウスほどの操作はできなくても良いけどカーソルの移動はしたいといったニーズでした。

そんな希望をピンポイントで叶えてくれるような仕様で非常に使いやすいです。

製作者さんは写真の現像や製作の作業で各種アプリを使うときにロータリーエンコーダーで調整するのが便利と言っていました。

コンパクトだけど十分なキー数

僕はもう一台自作キーボードのDRESSTHINGというキーボードを持っています。

このキーボードも非常に気に入っているのですが、レイアウトが30%ということで、BSすらないようなキーボードで、コンパクトだけどキーがやっぱり足りないなという印象。

もちろんキーマップソフトで全部使えるようにしているのですが、体感としてBSとかエンターキーとか、あまりにもよく使うキーくらいは最初からあってもいいかもと思うように。

そんな学びをばっちり反映できているのがdotmatrix40。

40%も十分コンパクトなのですが、それでも矢印キー・BS・エンタキーなどは標準で打てるくらいの数があります。

これによって直接入力できないキーというのはーとか+のようなキーくらいになり、かなり打ちやすく感じました。

サイズはもちろん大きいのですが、ある程度キーがある方が迷いなく打てるような気もしています。

キーマップの設定も簡単

キーマップの設定についても非常に簡単でした。

REMAPは初めて使ったのですが、基本的には使いたいキーを押していけば設定が可能。

さらにHold Tapにも対応しているので、単押しで◯◯、長押しで◯◯のようなカスタマイズ性の高い設定も可能に。

シンプルに1つの割り当てしかできないだけだと拡張性が少なくなってしまいますが、簡単な使用感でありつつできることの奥深さもあるので、自分好みの最適化されたキーボードに設定していくことも可能でしょう。

このカスタマイズ性の高さと使いやすさは非常に好感が持てました。

注意すべきポイント

使いやすいポイントがそろったdotmatrix40ですが、気になったポイントもあったので共有します。

有線のみの接続

非常に残念ではあるのですが、このキーボードは有線接続。無線では接続できません。

無駄なケーブルを持ち歩きたくないとか、これを挿すと他のアクセサリーが使えなくなってしまうというところで痛手なポイント。

正直有線というだけで購入の選択肢から外れてしまう人もいるくらいクリティカルな要素だと思います。

製作のクオリティを安定させるためとのことなのですが、できればワイヤレスだと嬉しい。

いや、むしろ伸び代があってこれからさらなるアップデートの余地があると前向きに捉えましょう。

ワイヤレス化、よろしくお願いします。

アクセサリー選びが重要

プレートがブラックでボディがイエローというところで、本体そもそもの主張がけっこう強いような気もしてます。

そのため、隙間から見えるスイッチの色とかあわせるキーキャップの色やデザイン。これは合う物を見つけないとデザインが喧嘩してしまうとか配色がきれいじゃないとか、いろいろ大変だなと感じました。

もちろんデザイン通り黒の無刻印キーキャップをつければ間違いないとは思うのですが、それでは選択肢も少なくなってしまうし好きなものが使えないのはせっかくの自作としては痛手。

現状だとこのそもそものカラーにあうような、邪魔しないようなものを選ぶというところで初手からちょっと難しいなと感じています。

また、有線接続というところで、見た目を気にするならどんなケーブルを使うのかも重要。

僕は現在L字ケーブルがないのでストレートなケーブルを使っています。

しかし、ストレートのケーブルだとかなり突っ張ってしまうというか、ちょっと間抜けな感じもでていないでしょうか。

そのため、適切な長さの景観を崩さないケーブル選びにもこだわったほうがかっこよく使えるような気がしています。

ロープロ化は手間

持ち運び想定というあたりでロープロとの親和性が高いと思っているのですが、ロープロ化についてはオプションはあるものの一手間かかるといったところ。

ここに関してはDRESSTHINGは最初からCherryMX互換キースイッチもロープロのスイッチも使える基盤だったのでありがたかったポイント。

購入者視点であーだこーだと大変申し訳ないんですけど、価格上がっても良いからどちらも使えるorロープロ専用とかフルプロファイル専用とか2択選べるとめちゃくちゃ嬉しいです。

dotmatrix40がおすすめな人

11インチサイズのiPad用キーボードを探している人
製作難易度の低いオーソリニアを使ってみたい初心者

僕としては自作キーボードは外で使うものという感覚が強く、そして外で使うならiPadと合わせて使いたいというニーズが強いです。

そのため、iPadと使用を想定しているというのは非常に需要にマッチしていて、使いやすいキーボードと言えます。

11インチサイズのiPadを持っている人はサイズ感合うから持ち運びやすいし、作業も考えられてるから使いやすいはず。

iPadと使わない人であっても自作としては非常に製作難易度が低く、簡単に使えるオーソリニアです。

自作が気になっているけどもろもろのハードルでいまいち踏み出せない人、dotmatrix40はかなり始めやすいし、キー数もコンパクトながら大切なキーはちゃんとあるので、使いやすさとミニマルさがちょうどよく、ピーキー過ぎずマイルド過ぎずの絶妙なラインで楽しめると思います。

まとめ

非常に好感触な自作キーボードのレビューでした。

使えば使うほど良さが出てくるから自作面白いですね。

これからもいろいろ開拓していきたいと思います。

遊び心をプラスした40%キーボード

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