- 会議の内容を文字起こししたい…
- この会話の内容あとでまとめるのしんどいな…
- ボイスレコーダーを買ったり使ったりするのは抵抗がある…
音声のやりとりをあとでテキスト直さなきゃいけない場面って多々あると思うのですが、けっこうめんどくさいですよね。
そんな文字起こしの悩み、イヤホンで解決できる時代がきました。
それが今回レビューしていく「viaim RecDot」。
ワンタッチで録音開始し、AIによって文字起こしや要約までできてしまいます。
今回はそんなviaim RecDotを実際に使ってみてわかったよかったポイントや気になったポイントはもちろん、できることについても紹介していきます。
提供:viaim
viaim RecDotの特徴
- ワンタッチで録音開始
- あらゆる音声を文字起こし&翻訳
- 議事録・要約もAIで
- リアルタイム文字起こしも対応
- イヤホンとしても高性能
- 定価34,800円(単体最安値27,840円)
- 現在MAKUAKEでクラファン開催中
最近AIを活用したボイスレコーダーやPDFなどの編集アプリは次々と登場していましたが、ついにAIはイヤホンと一体となる時代に。
イヤホンで即座に録音が開始できるようになったことで、音楽や動画を楽しみながらも、気になったアイデアも突然の会議も即座に録音することができます。
もちろん録音ができるだけではなく、その録音した音声を高精度に文字起こし。
そしてその内容をAIの機能によってToDoリストの自動作成や要約までこなしてくれます。
外部音の取り込みはもちろんですが、通話やスマホ内部から聞こえるような内部音の録音まで対応しているので、いつでもどこでもどんな状況でも録音が可能です。
話者ごとの識別やリアルタイム文字起こし、同時翻訳などもこなしてくれるので、多彩な使い方が想定されます。
viaim RecDotのデザイン
カラーについてはブラックとシルバーがあります。
今回僕はシルバーを選択。

メタリックな質感でクールな印象です。
ケースには中央にviaimのロゴが大きく印字されており、周囲は丸みを帯びたデザイン。

全体的にはAnkerのような雰囲気を感じました。
ケースはスライドで開く方式になっていて、開くとすぐにイヤホンを取り出せます。

イヤホン本体はAir Podsのようなうどん型の形で、イヤホンの形状はインナーイヤー型。

ステムの部分はシルバーの加工があり、ここはQCYのような仕上がりを感じました。

ステムの側面部分にタッチセンサー部分があり、ここをつまむことで再生停止や録音などの操作を行えます。
viaim RecDotでできること

ここからはviaim RecDotでできることについてまとめていきます。
主な機能としては
- 録音
- 文字起こし
- 要約
- 翻訳
このような機能になっていきます。
素早く録音可能

録音については3つの方法で録音が可能です。
- イヤホン本体から
- ケースから
- アプリから
イヤホン本体のステムのタッチセンサー部分を長押しすると即座に録音のモードになります。
ケースの場合はボタンがついているのでそこを押す。この録音方法ですが、イヤホンをケースの中にしまったままでも大丈夫です。
最後はアプリから。
イヤホン接続状態でアプリを起動すると3つの録音モードが選べます。
- 通話録音
- オーディオ/ビデオ音質
- 現場録音
通話録音の状態で録音すると自分の声はもちろんWEB会議中の相手の声も録音できます。
オーディオ/ビデオ音質はスマホの中で流れている音声の録音方法。YouTube動画とか音楽とかを録音して認識できます。
現場録音はイヤホンやケースから録音できるのと同じタイプのシンプルな録音です。
イヤホンとして使用
AI機能とか録音に目が行きがちですが普通にイヤホンとして使えます。
AI機能や録音がメインだからイヤホンは力入れていないのかと思いきや、意外としっかりした仕様。
- アプリでイコライジング
- 強力なノイズキャンセリング
- ノイズキャンセリングの強度設定
- 外部音取り込み
- タッチコントロールによる再生停止
- ワイヤレス充電対応
- IP55の防水性能
音質については1万円くらいのイヤホンの音質はしている気がします。
低音も迫力があり、中高音域もクリアに聞こえました。
低音が迫力を出すためか少しボワっと聞こえるので、もう少しローカットできると最適のように感じましたが、このあたりもアプリのイコライジングで調整可能。
録音とAI目的で買ったのであれば音質も意外と良くて満足すると思います。
音が聞こえるだけかと思いきやノイキャンも実用レベルで強く、ワイヤレス充電対応も嬉しい。
外音取り込みはそんなに精度が良くないように感じましたが、メイン機能でないのであれば許容。
というか外音取り込みはハイエンドのイヤホンようやくきれいに聞こえるくらいなので、性能がそこそこでも納得感あります。
文字起こし
当たり前ですけど、録音内容の文字起こしが可能です。
文字起こしの方法には2種類あって、読み込んで文字起こしするかリアルタイムで文字起こしするか。
読み込みの文字起こしは録音終了後アプリから録音音声を選択すると読み込みをして、数分待つとすべてテキスト化できます。
アプリからの録音開始によってはリアルタイムの文字起こしにも対応しています。
しかもこの文字起こしですが、日本語はもちろん16言語対応の文字起こしに対応。(翻訳15言語対応)
使える言語は日本語、英語(共通・アメリカ英語・イギリス英語)、 中国語(簡体字・繁体字)、韓国語、スペイン語、フランス語、 ドイツ語、イタリア語、ロシア語、アラビア語、タイ語、マレー語、 ポーランド語、ベトナム語、オランダ語、広東語(※広東語は文字起こしのみ対応、翻訳非対応)
幅広い言語に対応しているということで、言語学習にこのイヤホンを役立てるのも良いかもしれないですし、外国語を話す相手との意思疎通のためにリアルタイム翻訳で対応するといった使い方もあるかもしれません。
精度自体はまったく間違いがないほど正確というわけではないですが、自分で読み返してもある程度文脈がわかりますし、AIに読み込ませてしまえば不明瞭な部分もあわせて補正してくれるので、実際にはそこまできになりませんでした。
AIによる自動要約など
テキスト化したデータに関してはAIによる要約をかけられます。
この要約機能を使うことで長文だとしてもわかりやすい文章にまとめられました。
情報も破綻していないですし、精度はかなり優秀。
1時間くらいの会議の内容だとしてもしっかりと短くまとめてくれたので、情報量による破綻もみられず好印象。
ToDoの抽出という機能もあり、録音音声のなかで行動しなければならない事項について抜き出してくれます。
これらの作業をボタン1つで完了させてくれるのでなかなか使い勝手が良いように感じました。
話者の識別とかエクスポートなどに対応しているので、テキストデータの活用はかなり優秀です。
AI機能について、追加で質問をChat GPTのように行うことはできないので、より拡張性のある分析をするのであれば、このテキストデータを別のAIに読み込ませる必要があると思います。
viaim RecDotの利用料金

viaim RecDotの機能ですが、基本的には無料で使えるのですが、有料の部分もあります。
前提としてRecDot/NoteKitの購入者には月600分まで文字起こしが利用できるBasicプランが標準搭載で利用可能。
利用ニーズに応じて、毎月1800分のテキスト化が可能なProプラン(1,500円/月 or 12,000円/年 )や時間無制限で使えるUltraプラン(3,000円/月 or 22,000円/年)を設定可能となっています。
RecDotとNoteKitのアカウントを同期される場合、2つの端末で月600分の利用時間になります。
また、別々のアカウントで利用される場合は、それぞれ月600分の利用時間に。
使用時間の残数はアプリから確認ができます。
viaim RecDotの気に入ったポイント
多彩な機能が使えるviaim RecDotですが、個人的に気に入ったポイントについてまとめていきます。
素早く気軽に録音&テキスト化
やはり魅力は素早く録音ができることではないでしょうか。
これまで録音をするとなるとスマホを取り出してボイスメモなどの録音アプリの収録ボタンをオンにしたり、ボイスレコーダーを取り出す必要がありました。
それが日常的に身につけているイヤホンから操作できるのは革新的だと思います。
自分のアイデアや考えたいことが思いついたときすぐに録音する使い方も良いと思いますし、オンラインのミーティングで話しながらテキスト化の準備をしても良いでしょう。
手軽に録音し、あとはアプリでテキスト化のボタンを押せば簡単に大量のデータを手に入れられます。
アプリ本体の機能で要約しても良いですし、他のAIツールにテキストデータを共有することで分析や文字生成がさらにスムーズになるかもしれません。
最近はAIの進化が目覚ましく、テキストデータから無限の可能性が生まれています。
僕自身も最近自己分析とかこの発信活動の思考みたいなのをひたすらChat GPTに話しているんですが、この話した内容自体が僕の無意識的な課題を洗い出してくれたり、そこから記事になったり、日々の情報はもう逃せない重要なデータに。
モラルを無視して考えるなら、日々の会話から独り言まで全部AIに読み込ませることで自分の思考を全部トレースさせて、無意識的に悩んでいることの言語化とか課題に対する解決策、これから気をつけた方が良いことなど、最高最適を目指すならこの方法に収束していくのではないかと思うほどです。
実際には勝手に録音できないとかセキュリティどこまで安全なのかとか、気をつけなければいけないポイントが多数あるのでこうはなりませんが、テキスト情報の価値が上がったように感じる現在、気軽に録音してテキスト化まで行える機器には価値があるように感じました。
アイデア次第では日常を変えるポテンシャルがあると思います。
イヤホンとしてもちゃんとしてる
ちょっとなめてたのがイヤホンの性能。
普通にイヤホンとしても質が高いです。
細かく言うのであれば低音がややボワついているので、しっかりとしたイヤホンに音質は勝てていません。
しかし、メインはボイレコ的な機能であることを考えると、こんなにクオリティ高くて良いの?という感じ。
音はけっこう迫力があるし、ノイキャンも強い。
音質やノイキャンについてはアプリ側で設定もできるので、イヤホンとしての精度も高めです。
イヤホン単体9時間、ケース込み36時間再生可能というところでバッテリーについても文句なし。
さらになワイヤレスの充電にまで対応しているので、機能的にも格安とは言い難い性能をしています。
最高の音質を求めるならもちろん別のイヤホンをおすすめしますが、日常的に少し音楽を聞くとかYouTube動画の視聴がメインくらいなのであれば十分に快適というか満足くらいのイヤホンのように感じました。
要約機能も十分機能する
AIによる要約機能ですが、けっこうしっかりまとめてくれる印象です。
元のテキストデータは音声読み取り段階でしっかりと認識ができていないようで、ところどころ日本語が破綻しているようにも見えたのですが、それをしっかり補正してまとまりのある文章に直してくれました。
音声のデータをざっくり内容をまとめたいくらいであれば、本体のアプリから見ればテキストの共有などの余計な手間をかけずに確認できそうです。
まったく使えないと言うレベルではなく、けっこう実用的なレベル。
viaim RecDot気になったポイント
魅力もたくさんあったviaim RecDotですが、気になるポイントもあったので共有しておきます。
セキュリティ面について
この手のAI活用系の製品は「会議を録音して要約」とか「メモ必要ない生活へ!」のような訴求をしますが、これは正解であって不正解。
事実高精度に認識してくれて要約も便利ですが、録音内容のセキュリティ面はしっかり注意しましょう。
そもそもこのAI機能を使うためにはオンラインの状態で使用する必要があり、データはすべてこのメーカーのサーバーに共有されています。
メーカーとしては日本国内にサーバーを移行する予定など、安心して利用もらうためのセキュリティと体制を構築しようとはしています。
しかし、このメーカーがいくらセキュリティを強化したところで会話内容が外部への共有可能な内容でないのであれば使用ができません。
例えば僕はもともと教員で、保護者と進路の面談や日常生活について電話での連絡などをし、それらは議事録としてまとめることが多々ありました。
これらの作業は自分のメモから議事録まで作り直す作業なので、正直手間でこれらのAIツールが使えたら非常に便利でしょう。
しかし、これらの内容は外部のツールを使用して要約して良いものなのでしょうか。
おそらくだめでしょう。
もちろんあまりの便利さにルールとしてはだめだとしてもこっそり使っている方も多くいると思います。
ですが、良いか悪いか2択で考えたとき、本来的に使いたい仕事での膨大な音声情報というのは、この手のオンラインで情報共有されてしまうサービスへの共有はNGとなるのではないでしょうか。
非常に難しいところですが、セキュリティはしっかりと自分自身で守らなくてはなりません。
このようにして仕事で使わないとなると、使用用途はセキュリティの関係ない自分のこと中心になりますが、そうなるとどれくらいこの機器は必要となるのでしょうか。
セキュリティ的に問題ない使用場面となると途端に活用できる場が狭まるような気はします。
もちろん録音OKでセキュリティ的にも問題ないところでの使用が多い人にとっては非常に便利なツールになると思いますが、この辺の匙加減はかなり難しい。
録音音質はそこまで高くない
録音してみた音を聞いてみましたが、正直そこまで良いようには感じませんでした。
全体的にこもったような音で聞こえてくるので、この音で録音の音を楽しむというような用途には耐えられないと思います。
そもそも想定はしていないとは思いますが、よりきれいに録音できるのであれば動画撮影などに使用してそのままマイク代わりに使いつつテキストも生成できるみたいな使い方もできるようになるかもしれないので、音質は良ければ良いでありがたいポイントです。
録音時間の制限
片耳約70分の録音ができるようなので最大140分くらいで2時間といったところでしょうか。
保存がイヤホン本体になっているので、これくらいなんでしょう。
僕は別のAIボイレコもあるのですが、そのボイレコは170時間の録音に対応しています。
物が違うので比較が難しいですが、ボイレコ単体の能力でいくとおそらく録音2時間はちょっと弱め。
録音するべき環境の場合、長時間収録も想定されることでしょう。
充電問題自体は、ケースにイヤホンを入れたままでもできるの解決できそうなのですが、容量についてはどうしても課題。
長時間の録音が想定される人は選びにくそうです。
また、録音とテキスト化はまた別扱いなのも若干懸念。
録音自体は連続録音時間こそ2時間程度ですが、そこからスマホにデータを移行したり削除したりすると回復します。
しかし、録音したデータをテキスト化するのには月ごとに制限がある状態。
これが少し前に説明した有料オプションに繋がる部分ですね。
録音をしても文字起こしに月あたりの制限がかかってしまうので、本当に大量にデータをテキスト化する予定だとここがネックになりそうです。
以前僕がレビューしたVOITER SR302 Proは月額の使用量なしで無制限の文字起こしが可能になっています。
そのため、本当に文字起こしに徹するのであればランニングコストがかからない機器を選ぶというのも1つ。
ただ、通常のボイレコの場合通話の内容までは録音できないので、機能性は充実しているが文字起こしに制限があるのを受け入れるのか、ランニングコストは魅力だけど機能にやや不足があるのを選ぶのかというところでしょうか。
一長一短あって悩ましいですね。
Chat GPTとどう棲み分ける?
AI要約機能も優秀で、僕の動画の内容を読み取ってしっかり要約することができました。
ですが、要約ができるだけでそこから発展性はありません。
質問ができるような機能はないので、本当に要約して終わり。
正直今のAIは進化がすごくて、例えば録音を読み取らせて要約だけではなく、箇条書きで出力させるとか、無意識的に考えていそうな意図を抜き出すとか、Xのポスト用に文字数指定でポストを生成するとか、テキストデータがあれば分析も文字生成もそこから広げられます。
となると、テキストデータはアプリで要約するというよりは別のAIツールに投げた方が良い要約もその後の活用もできるということに。
最近僕はChat GPTに課金するほど使っているのですが、この快適さを知っているとあえて「AI機能搭載してます!」的な製品のAI機能を使う気にはならないほど。
しかもこのChat GPT機能僕は課金してますが別に課金しない無料範囲でも要約とか分析は十分に行えます。
となると音声のテキストデータ化はイヤホン、分析はPCみたいな棲み分けになってしまって目玉のAIでの要約機能を使う必要が薄くなってしまうように感じました。
僕が使うとしたらこのイヤホンで要約までを担当させるというよりは、音声データのテキスト化までを任せて、テキストデータ自体は
viaim RecDotがおすすめな人
素早く音声を録音してテキストに残しておきたい人
モラルとかセキュリティ面の話を抜きにして考えるのであれば革新的なガジェットが登場したと思います。
自分の独り言をすぐに録音して記録しても良いし、会議の通話内容や外国人との会話だってOK。
viaim RecDotを身につけることによって自分の日常すべてがテキスト化できるので、毎日気軽に大量の情報を処理できるようになります。
viaim RecDotのAI機能で要約させても良いし、別サービスにテキストを共有して、膨大なデータの分析をさせても面白いかもしれません。
最近僕はAIを使って徹底的な自己分析をした結果、日常の独り言とか、自分が誰とどんな温度感でどのような量話したのかすべて記録できればさらに生活の改善策が生み出せそうって思っていたので、わりとそれを実現できる画期的なガジェットだとは思いました。
しかし、やはり課題になるのはモラルやセキュリティ面。
友人の会話や家族との会話を常時録音しておくなんて現実的ではないし、仕事で使うにはセキュリティ面で怖すぎる。
となると現状は自己分析の独り言を聞いてもらうとか、録音OKの製品発表会の内容を録音するとか、安心安全に使える場面というのは非常に限定的にならざるを得ないというのが正直な感想。
最近AIとめちゃくちゃに会話している僕としてはありがたい機能ですが、それでも他社とか仕事が介在する瞬間から取り扱い注意のガジェットになることは間違いないので、使い所が難しいですね。
良い機能はしていると思いますが、情報モラルとか社会常識が問われる製品のように感じます。
まとめ
めちゃくちゃおもしろい性能と高い機能性をもちつつも、社会課題的なところで手放しほめられないのが痛いところ。
コンセプトは非常に良いしこれからの時代にあっていると思うので、製品が良くなるのはもちろんですが、AIと共存する社会の雰囲気が作られたとき化けるかもしれないと感じています。
次世代的なガジェットで面白さは保証できるので、気になった人はチェックしてみてください。