作業もゲームも妥協ゼロ|磁気スイッチ採用「Keychron Q1 HE」は“二刀流”キーボードの新スタンダード

作業用とゲーム用にキーボード分けるのめんどくさいし予算もかさむから嫌ではないですか?

この課題を解決できる最高級のキーボードがあります。

それが今回レビューしていくKeychronの「Q1 HE」。

磁気式スイッチを採用したことによって、ゲームプレイではもはや欠かせないラピットトリガーやアクチュエーションポイントの調整ができます。

それでいてフルメタルボディにガスケットマウントを採用していて、作業用キーボードとしても最高級。

そんなQ1 HEを実際に使ってみてわかったことや気になったポイントについて共有します。

メリット!
デメリット…
  • 磁気式スイッチによる多機能さと調整力
  • フルメタルボディ&ガスケットマウントによる高級感と快適な打鍵感
  • 作業とゲームの両立ができる「二刀流」キーボード
  • キースイッチがやや重く、長時間使用では疲れる可能性
  • スリープ復帰仕様がやや不親切
  • 価格が高く、競技志向ゲーマーには他の選択肢も
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Keychron

提供:Keychron

Q1 HEの特徴

  • 磁気センサースイッチ搭載
  • ラピッドトリガーモード
  • アクチュエーションポイント調整可能
  • ストロークによって複数のアクションを割り当て
  • フルメタルボディ
  • 機能性の高いキーマップソフト
  • JIS配列対応
  • 定価44,990円(5月7日Amazonの価格)

特徴はなんといっても磁気式のスイッチを採用したことによる圧倒的な多機能性。

このスイッチの採用によってラピッドトリガーやアクチュエーションポイントの調整など、さまざまな機能に対応しています。

つまり、作業用途だけでなく、本格的なゲームプレイにも対応できる「二刀流」のキーボードです。

これまでKeychronのキーボードはいくつか使ってきましたが、質感はそのままにゲームにまで対応できるくらいの高性能化を実現したのは驚き。

ラインナップとしては高級ラインのQシリーズなので、もう文句なしの性能をしています。

またこのQ1 HEはJIS配列にも対応しているので、ちょっと良いキーボードが欲しいものの配列が合わずに諦めていた人にもおすすめできる製品です。

定価こそかなり高いキーボードとなっていますが、その価格に見合うだけのビルドクオリティや機能性を秘めたキーボードと言えるでしょう。

Q1 HEのデザイン

カラーについてはカーボンブラックとシェルホワイトの2色から選べます。

僕は今回ホワイトをチョイス。

ホワイトの色味としては明るめ。

キーキャップが特に明るく、ボディは一段暗めといった印象。

シェルホワイトのカラーではホワイトを基調としつつグリーンのキーキャップが差し色で使われています。

基本が深い緑で、ESCキーとエンターキーはパステルカラーのようなポップな緑が採用されていました。

キーキャップにはPBT素材を使用し、文字はダブルショット刻印技術で印刷されているとのことで、使い込んでも擦れず、表面が美しいまま保たれます。

文字が中央に印字されているデザインも良いですね。

キーキャップが取り外せるのはもちろん、キースイッチに関してもホットスワップ対応で取り替え可能です。

レイアウトは75%キーボードですが、全体がぎゅっとまとまったタイプではなく、ところどころゆとりがあるようなタイプ。

右端にはノブが付いていますし、右端の列や矢印キーは独立しています。

側面は上部にUSB-Cポート、WinMacの切り替えボタン、接続切り替えボタンがあります。

背面はゴム足が付いているだけで、チルトはありません。

傾斜は元からついていますが、この傾斜固定で使用します。

フルプロファイルキーボードとなっているので、傾斜があるとはいえ高さがあるのでパームレストの使用が推奨です。

Q1 HE レビュー

ここからはQ1 HEの各項目についてレビューしていきます。

打鍵感

打鍵感の特徴はなめらかなこと。

一般的なメカニカルスイッチは物理的な接点によってキーの押し込みを感知するのに対して、Q1 HEで採用されているスイッチは磁気式。

つまり、磁石の反応によってキーの反応を認識する仕様なので、物理的な接点がありません。

そのためスムーズに押下できるのでなめらかなタイピングが実現しています。

メカニカルスイッチで近い仲間としてはリニアタイプのスイッチのようなスムーズさです。

採用しているスイッチはGateron Double Rail Magnetic Nebula Switchを採用。

これは押し始めの押下圧が40gで底打ち付近では60gになるというスイッチです。

そのため入口こそ軽快ですが、打鍵感全体の雰囲気としては重めな印象ですし、長時間打鍵しているとほんのり腕の筋が痛くなってくるような感覚もありました。(無意識に力を入れ続けてしまうので)

底打ちからの戻りについてですが、このバネの力は若干弱めで、やや自分で元の高さまで戻すような感覚になります。

Lofree Flowのゴーストスイッチのような跳ね返りはなく、ハデスと系統は似ているような感じ。

ちょっとしっとりめな打鍵感のように感じました。

このしっとり感とかスムーズなストロークこそ磁気式かつガスケットマウント、そしてアルミボディの筐体すべてが重なった結果だと思います。

個人的にはもう少し跳ね返りがあるとより好み、ただ最近評価の高い打鍵感の傾向ではあるような気がするので、好きな人はどハマりしそうな打鍵感でもあると感じました。

ゲーム用途としてはどう?

今は作業用途目線で考えてしまったのですが、ゲーム用目線としての打鍵感についても考えてみたいと思います。

とはいえ僕はそこまでゲームするわけでもなく、FPSをするわけでもないので話半分くらいで聞いてもらえるとありがたいです…

個人的な体感として作業用には優れると思う一方で、即時性の求められるゲームにおいてこのやや重めの押下圧はプレイに影響があるのでは?と感じてしまいました。

この重さとスムーズさこそがこのキーボードの魅力だと思うのですが、ストンと触れただけでキーが落ちていくようなタイプではありません。

もちろんアクチュエーションポイントの調整によって少しのストロークで反応するように設定はできますが、このGateron Double Rail Magnetic Nebula Switchを使っている限り、重さという課題は常に付きまとうのではないでしょうか。

もう少し負担軽減しながらキーを打つなら押下圧が低めのGateron Double Rail Magnetic Dawn Switchへの換装も視野に入れた方が良いかもしれません。

打鍵音・静音性

比較的静音性が高いのではないかと思います。

もちろんノートPCなどと比べて静音かと言われると微妙なところなのですが、この手のフルプロファイルキーボードのなかでは静かな方かなという印象。

余分な高音成分が少ないので、耳に痛く響きやすい音は少なめという感じ。

高音が出にくいだけでも響きが非常に少なくなり、周囲への影響も少なくなるのが良いですね。

エンター・バックスペースは少しかちゃついた音がするので、底打ちまでしっかりタイピングすると高音がなる印象です。

総じて静音性が高めなキーボードなので、この音くらいであれば職場で使っても問題ないくらいの音のような気はします。

キー配列・レイアウト

レイアウトは75%。今回僕はUS配列を使っていますが、JIS配列にも対応しています。

Keychronのキーボードは変わり種のレイアウトとか機能盛り盛りのキーボードでもUS配列・JIS配列どちらも対応しているのがすごいですね。

レイアウトの話に戻りますが、75%ですがサイズとしては少し大きめ。

右端のキーや矢印キーが独立しています。

この独立している分、コンパクトにまとまっている75%レイアウトに比べると少し大きくなっています。

誤差としては数mmですが、気になる人は注意が必要です。

キーマップソフト

このキーボード最大の特徴はこのキーマップにあると言っても過言ではありません。

そもそもKeychronは非常に優秀なKeychron Launcher Webアプリというキーマップソフトに対応しています。

WEBアプリとなっていてソフトのインストールも不要、そしてWinMac両対応となっていて非常に使いやすいです。

このアプリを使うことによって基本的なキーマップ変更というのは容易に行えます。

1番目玉となるのがHE Modeによる磁気スイッチの設定でしょう。

アクチュエーションポイントは0.2mmから3.8mmまで0.1mm単位で設定ができ、個別にも全体にも反映することができます。

アクチュエーションポイントの変更によって、よく使うキーは浅く打っても反応するように調整。逆にあまり使わない・誤タッチが気になるキーは深めに設定してタイプミスを減らすといった使い方をすることができます。

アクチュエーションポイントとあわせて設定ができるのがラピットトリガー。

こちらはどれだけキーが戻ったとき、キー入力を解除するといった機能。

一定の高さでの入力解除の場合、コンマ何秒といった素早い動きに対応できないため、激しさのなかに繊細さも求められるFPSゲームでは必須の機能となっています。

動いて立ち止まる、この動きを最適化するために欠かせない機能で、この調整をキー1つ1つ単位で調整可能です。

このリセット距離は0.1mmから1.8mmまでで調整ができました。

さらにアクチュエーションポイントを超えた深さでキー入力が解除されたとき、再度どれくらい押し込むとキーの入力が認識されるのかという設定もできます。

これによって数mm単位での細かな調整をしてさらに快適かつ効率的なゲームプレイを実現できるという仕組み。

磁気スイッチという強みを活かして押した深さによって割り当てるキーを変えられるという機能もあるのですが、僕がゲームをあまりプレイしていないだけに使いこなせる未来が見えません。ゲーマーのみなさんこの機能どうですか?

底まで押し切ったら走る、少しでも浮いたら歩くみたいな設定ができるって感じでしょう。

僕みたいなライトユーザーだったらそれでやりやすいゲームもありそうですが、こんな細かな設定まで実はできます。

本当に従来の物理的な接点が必要だったスイッチからは考えられないほど多機能なセットアップを実現しています。

その他気になるところ

素晴らしいポイントも多いQ1 HEなのですが、1つ気になるポイントがあります。

それがスリープからの復帰方法。

無線接続時に30分操作がないとスリープするという仕様なのですが、復帰の方法はスペースバーを押すという方法。

多くのキーボードはとりあえず何かしらキーを押せばスリープ復帰という感じだと思うのですが、Q1 HEはスペースバーを押すという指定があります。

これは良い捉え方もできると思うのですが、個人的にはこの仕様に気がつけないといつまで経ってもスリープが解除できなくて焦ってしまうので、わかりやすくはないなと感じました。

Keychronのキーボードは大好きなのですがお世辞にもめちゃくちゃユーザー数がいるわけでもなく、参照できる情報が少ないのが現状だと思います。

となると、このスリープの仕様に行き着くのもちょっと手間というか、ある程度調べてようやくわかることになるかと思います。(そもそもそれくらい当然のように調べる人が行き着くキーボードかもしれないですが…)

僕はカスタマイズで使いやすいというよりは、すぐに使えて誰でも使いやすい製品の方が好きなので気になる寄りの意見を言ってしまいましたが、見方によっては余計なキーを押してもスリープが解除されないので快適に使えるかもしれません。

このあたりは好みも多いにあると思うので、自分に合わせて選んでもらえると良いんじゃないかと思います。

Q1 HEがおすすめな人

作業とゲームを両立できる高級ワイヤレスキーボードが欲しい人

特徴としてはやはり磁気式スイッチを搭載したことによる圧倒的な機能性。

無線時ポーリングレート1000Hz・ラピッドトリガー・アクチュエーションポイントの変更・ストロークによって複数のアクションを割り当てなど、普通のメカニカルスイッチでは対応できないような多機能さに溢れています。

この多機能を制御するだけの機能性を備えていることから、無線使用でもゲームに使えるだけのポテンシャルを秘めているといえるでしょう。

それでいてゲーム用途だけに振っているのかと思いきやそうではなく、Keychronの最高級ラインのQシリーズと同様のダブルガスケットデザインを採用し、アルミ筐体で高級感もある。

打鍵感については磁気式のスイッチで物理的な接点がないという使用上ひっかかりのないヌルヌルとした独特の感触がありつつ、ガスケットマウントでの衝撃吸収もあって指の痛みを感じませんでした。

つまり、ゲーム用途にも使えるだけの多機能さがありつつも日常使用の快適さも両立しているというところ。

ゲームとプライベート両刀のキーボードが欲しいと考えている人には良い選択肢なのかもしれません。

一方で価格がかなり高め。

Amazonのセール時でようやく35000円くらいになります。

正直キーボードに35000円出す人というのはかなり強いこだわりがある人なのではないでしょうか。

そう考えるとゲームプレイに振り切った最高性能が欲しいとか、作業用途に振り切った最高性能が欲しいとか、もう少し尖った製品を選びがちなのかなとも想像しています。

Q1 HE自体は性能も悪くないし素晴らしい製品ですが、ゲームプレイメインで考えればさらに上を目指せるデバイスがあるのも事実。

業界No1とまではいかずとも十分良い性能をしているというのが実態だと思います。

競技勢ほどではないが、カジュアルゲーマーとしてちょっと良いキーボードで作業もゲームも楽しみたい、という人には相性が良いように感じました。

まとめ

磁気式スイッチによってこれまでよりも圧倒的に多機能になったのはもちろん、打鍵感も素晴らしいものになっています。

作業用とゲーム用を兼ねたい人にとってはかなり有力な選択肢になると感じました。

気になる人はチェックしてみてください。

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