PDFアプリはどれも同じ…そう思ってはいませんか?
これまでAdobeのAcrobatやPDF Expert、GoodnotesでPDFを管理しているときもありました。
いろいろ使ってみてシンプルな機能しか使わないのであればどれも同じかな、くらいに考えていたのですが、PDFアプリも順当な進化を遂げているようです。
最新のPDFアプリは当然のようにAIに対応していますし、いつかの自分が渇望していたOCR機能にも対応。
当たり前のようにテキストまで編集もできて、注釈の機能も使いやすくカスタマイズされているのが操作が直感的です。
そんな新機能から基本的な機能まで、PDFに関するすべてを管理してくれるのが「PDFelement」。
今回はPDFelementを実際に使ってみてわかったことや気になったポイントについてレビューしていきます。
提供:Wondershare
PDFelementとは
PDFの作成・編集・変換・結合・圧縮・署名・OCRなどこれ一本でOKです!
キャッチコピーの通り、PDF関連の作業について一括でこなしてくれるオールインワンアプリとなっています。
クラウド上での作業に対応しているほか、アプリもリリースされているのでiPadやAndroid端末からでも操作可能です。
どこでも見られて、どこでも編集もできる。時間も場所も端末も問わないタイプのサービスです。
PDFelementの特徴
- ワード感覚でPDFを編集
- 異なる形式へ高画質で変換
- OCR機能で文字を読み込む
- 品質を維持したまま圧縮
- AIでPDFドキュメントを賢く扱う
PDFであるものの、PDFelementを使うことでワードのような自由な編集が可能になることやOCR機能を高精度で使えること、そして最近は必須となりつつあるAI機能に対応しているところが特徴としてあげられます。
PDFelementの使い方
ここからはPDFelementの基本的な使い方について紹介します。
今回はiPadでの使用をメインに説明しているので、PC上のPDFelementとは異なる場合がありますがご了承ください。
PDFを管理・閲覧する
ホーム画面はApple純正のファイルアプリのような感覚で使用可能です。
PDFをPDFelement内に取り込んで、整理をしていくイメージ。
右下の「+」ボタンからPDFのファイルを取り込んだり、フォルダを作成したりできます。
作成したフォルダはさらにその中にフォルダを作ることもできるので、必要なPDFを綺麗に整理できるでしょう。
左のメニューバーについてはログインしているGoogleアカウントのドライブを読み込めました。
他にはOneDriveやDropboxなどのサービスにも対応しているので、必要なサービスにログインをすれば、そのサービス内に保存してあるPDFを開いて編集可能です。
PDFファイルを開くと、画面の上部にツールバーが表示されており、これを適宜選択することで便利な機能を使えるようになります。
画面右上の3点リーダーをタッチすると、さらに細かく詳細が設定できる画面が表示されました。
PDFのしおりと注釈
基本的な仕様として、しおり機能と注釈機能があり、これらを活用することでより便利にPDFを閲覧・検索ができます。
しおりに関しては目次のように使える機能となっていて、「追加」ボタンを押すことで任意のページにジャンプすることができるように。
しかし、これは元のデータに文字情報が付与されているものであれば、読み込み段階で目次を自動でつけてくれました。
しおり機能が最初に反応してくれていなかった場合は「自動生成」を押すことで同様の目次を自動でつけることもできます。
注釈についてもしおり機能と同様に、もし書き込みのあるPDFを読み込んでいた場合、自動で注釈マークがつきました。
後からPDFelementで注釈をつける場合、マーカーや手書き、図形を使った操作など、さまざまなツールがあるので、用途にあわせてPDFを編集できるでしょう。
PDFのテキストの直接編集機能
ツールバーから「PDF編集」を選択することで使用可能です。
ここを選択するだけで簡単にPDFのテキストを編集することができるようになります。
僕が簡単に使ってみたところ、フォントもあわせてくれているようなので、編集した文字だけ違和感があるということもなく、自然に編集をすることができました。
PDFのテキストを直接編集できるというのはなかなかない機能なので非常に便利です。
画像OCRについて
個人的にこの機能が最高です。
教員時代の資料というのは大量の紙資料で、何を探すにしても記憶を頼りになんとか探し出すしかありませんでした。
「Goodnotesみたいに手書きもテキストも全部文字検索できるようになればいいのに…」と何度考えたかわかりません…
そんな紙の資料をデータ化できるのがOCRです。
PDFにはスキャンしてPDFにしたファイルと、Wordなどから書き出してPDFにしたデータの2種類があると思います。
Wordから書き出したデータには、見えないし普段は意識しないのですが、PDFのデータ上には文字データが記載されていて、適切なPDFアプリを使用すると検索できるようになっています。
一方で、画像からスキャンしたものは写真をPDFっぽくしているだけなので、文字データがなくPDFアプリを使用したとしても検索ができません。
そこで役立つのがOCRという「紙に書かれた文字を撮影した画像データから文字部分を認識し、文字データに変換する」技術です。
教員時代OCRについて調べたのですが、まともに動くかどうかも怪しいうえに高額だったので諦めたのですが、もう高精度かつ安価に使える時代が来ているということで嬉しく思います。
使い方は非常に簡単で、3点リーダーの「認識」、もしくは画面右側の青いアイコンをタップして認識を開始するだけ。
これで少し待つとOCRの処理をしたデータが複製されます。
OCRの処理がされると今まで文字検索ができなかった資料が文字検索できるようになるので、紙媒体のPDF資料に悩まされていた人にとっては革命が起きると言ってもよいでしょう。(セキュリティ上のマナーは個人の判断に委ねますが)
PDFを書き出す
画面右上の3点リーダーから書き出しが可能で、さまざまなファイルに変換することができます。
WordやExcelはもちろん、AppleのアプリであるPagesにも変換可能でした。
試しにPagesで書き出してみたところ、きれいに文字認識できたファイルとそうでないファイルに分かれる結果に。
まず自分のブログをPDFにしてそれをPDFelementのOCR機能で読み込んだファイルを変換したところ、ブログの画像部分を変な部分で切り出していたり、本文についてはすべて画像扱いになっていたり、とても編集が可能なデータではありませんでした。
一方、文字データがもともとファイルに書き込まれているような元情報がしっかりとしたPDFファイルの場合、レイアウトの崩れもなく、テキストは認識されていて簡単に編集できます。
画像のようなPDFを読み込んだOCRもPDFelement内での検索機能は十分に活用できましたが、変換までしてしまうと対応できないようです。
用途にもよるかと思いますが、元データの情報がしっかりとしているデータに関しては書き出し後のデータについても質が高いのではないかと思います。
PDFelement AIの使い方
PDFelementにはAI機能が搭載されており、さまざまな作業を補助してくれます。
機能としては「PDFの要約」「指定した内容の説明」「指定した内容の翻訳」「PDFについて質問する」です。
画面右側にあるAIのアイコンをタップすることでこれらの操作をすることができ、それぞれの項目を選択することで利用開始できます。
要約についてはそのデータを読み込んで内容をまとめているように感じました。
質問に関しては、PDFを読み込んでというよりはインターネット上の汎用的な答えを教えてくれるといった印象です。
利用料・プランについて
料金プランについては定期的にイベントなども行われるそうなので、2024年10月現在の話として参考程度にお聞きください。
2024年10月現在、完全無料で使用し続けるプランはないようです。
以前レビューをした同メーカーのサービス「EdrawMind」ではフリー版が用意されていて、機能制限はあるものの無料で使用できる範囲がありました。
しかし、PDFelementは無料で使用し続けられる機能は特になく、無料という括りではトライアル版が7日間使えるというものだけのようです。
この無料トライアル期間を経て、有料購入をするのか、使用をしないのかを決めるといった流れになるでしょう。
有料版には「個人向け」「法人・チーム向け」「学生・教職員向け」の3つの大枠があり、そのなかでさらに「標準1年間プラン」「プロ版1年間プラン」「プロ版永続ライセンス」などを選択できるようになっています。
詳細な違いについては公式HPから確認してみてください。
個人的に最推しの機能であるOCR機能がプロ版空しか使えないようなので、自分が選択するのであれば差額はある程度あるとはいえ、プロ版を購入します。
また、2024年10月現在の話にはなりますが、プロ版の永続ライセンスが通常80040円のところ、セールで9980円の大幅な割引が適用中。
OCR機能が永続的に使えるアプリが1万円で購入できるのであれば個人的にはかなり熱いと感じています。
このようなセールが頻繁に行われているとのことなので、タイミングを見計らって購入するとかなりお得に有料版が手に入るようです。
そのほか気になったポイント
かなり魅力的なポイントの多いPDFelement。実際に使ってみて気がついたポイントや気になったポイントについて最後まとめます。
AIトークンは別途購入が必要
「EdrawMind」のときも同様だったのですが、AI機能を使用するためにはAIトークンを消費しなくてはなりません。
有料版に切り替えたときに20000トークンもらえるので、ある程度はAI機能を使うことができますが、ポイントが不足した場合は購入する必要があります。
買い切り、という方法ではなく、月額1500円のサブスクのようです。
しかし、AIトークンは月に2000000トークンもらえるため、使い切るのが難しいほど受け取れます。
AI機能を思う存分活用していきたいと考えている人は契約してみても良いかもしれません。
無料版はない
「EdrawMind」はフリー版というバージョンがあり、無料でも制限はあるものの、ある程度機能が使えました。
しかし、PDFelementは無料のトライアル期間はあるものの、完全に無料で利用できるプランはないようです。
使用する場合は無料のトライアル期間で機能を確かめてから、どのように購入するかを検討する必要があります。
まとめ
PDF管理アプリの進化に驚かされるばかりでした。
特にOCR機能が手の届きやすい価格で使用できるのは非常に魅力に感じる人もいるのではないでしょうか。
気になった方がいれば検討してみてください。