少し前にはなるのですが、2024年9月に定番キーボードであるREALFORCE R3 に新モデルが追加されました。
それが今回紹介していく「REALFORCE R3 キーボード「かなレス」モデル」。
静電容量無接点方式を採用したREALFORCE R3の印字が刷新され、よりスタイリッシュでミニマルな装いとなって新登場しました。
今回はそんな「かなレスモデル」の詳細を見ていきつつ、キーボードとしてのレビューもあわせて行い、実際に使ってみて わかったことや気がついたことについてレビューしていきます。
提供:東プレ
REALFORCE R3 キーボード「かなレス」モデルの特徴
- 「かなレス」のキーキャップでデザインがミニマルかつスタイリッシュに
- Bluetooth対応で最大4台の接続が可能
- 静電容量無接点方式採用で疲れの少ない打鍵感
- APC(アクチュエーションポイントチェンジャー)で反応速度を最適化できる
- テンキーレスモデル価格36520円(11月2日現在Amazon)
基本的にはキーキャップが「かなレス」になったというところが違い。
どうしてもJIS配列のキーキャップだと印字がごちゃついてしまうので、US配列並みにすっきりとしたのは好印象。
REALFORCE R3 キーボード「かなレス」モデルの外観・付属品
REALFORCE R3 キーボード「かなレス」モデルの同梱物やデザインについてチェックします。
同梱物
- キーボード本体
- 取扱説明書(保証書)
- USBケーブル
デザイン
カラーについてはブラックとホワイトの2種類展開。
レイアウトについてはテンキーレスとフルサイズの2種類から選べます。今回はテンキーレスタイプをチョイス。
全体的なデザインから見ていくと、第一印象は「重厚さを感じる」です。
余裕を持たせたキーボードサイズとかなの印字がない洗練された見た目で、パッと見たときの印象に高級な風格を感じます。
しかし、雰囲気が重たくなりすぎないように、ブラックのカラーは少し明るめ。
HHKBの「墨モデル」よりももう少し明るめなブラックで、手持ちのブラック系のガジェットと比べても明るめであることがわかります。
キーキャップが特に少しグレーに近いような色味で、ボディはキーキャップに比べると暗めです。
サイズについてはさきほども紹介した通り、テンキーレスタイプを選択。
テンキーレスではあるのですが、ここ最近僕がレビューしてきたテンキーレスのタイプのキーボードとは違い矢印キーが独立しています。
これはフルサイズキーボード(100%)のテンキーを除いた状態なので、正しい形のテンキーレスサイズとでも言えば良いのでしょうか。
これまで使用してきたキーボードは矢印キーを無理やり収めているだけだったので、正しいレイアウトからするとどこかしらに無理がある仕様に。
例えば有名なHHKB Professional HYBRID Type-Sは実は「Z」が本来の場所から0.25uずれた状態になっています。
さほど違和感がないくらいの位置のズレなので、言われなければ気が付かなかった人もいるかと思いますが、コンパクトに収めるというのは細かな調整がされていることが多いです。
その点、このキーボードはフルサイズのキーボードからテンキーを除いただけなので、サイズや配置といったポイントでは贅沢に大きさを活かしているといえるでしょう。
キーキャップの印字については左上、または左に寄せてある印字がデフォルトのようです。
ボディはプラスチック製で金属製ではありません。
しかし、重さはかなりあり、公式によると1.3Kg。デスクに置いたらまったくズレない重さです。
正面右上には電源ボタンとLEDインジゲーターがあります。
電源ボタンは単押しの場合にはキーレイアウトの切り替えボタンとしても使用。
側面にはUSB-Cの給電&有線接続用のポートがあるのみで他は特に何もありません。
背面にはゴム足が付いており、キーボードがズレないようにサポートしてくれています。
角度調整用のチルトがあり、これは1段階の変更のみ対応。
バッテリーについては乾電池駆動となっており、単3電池が2本必要です。
REALFORCE R3 キーボード「かなレス」モデル レビュー
ここからはREALFORCE R3 キーボード「かなレス」モデルの各項目についてレビューしていきます。
打鍵感|柔らかでありつつ適度な反発で満足感がある打鍵感
特徴はなんといっても静電容量無接点方式のキースイッチ。
物理的な引っかかりではなく、一定レベルに近づけば回路が接続されてキー押下を認識する仕組み。
キーを押すとブニュっとした反発を感じられ、強めに打鍵したとしても余分な力を吸収してくれるような感覚になります。
押下圧は45gと一般的な重さで、不自然に軽いという感じも重いという感覚にもなりません。
このちょうど良い重さの塩梅によって、「キーをある程度の強さで押下できる」と「でも余分な力はスイッチによって吸収」が両立しています。
底までタイピングしなくて良いのでそもそも軽い力でタイピングができるのですが、底まで打ったとしてもキーキャップがボディにあたる感覚が他のキーボードと比べて極端に少なく、指へ跳ね返ってくる衝撃が少ないです。
HHKBと比較
HHKBと比べてみると、打鍵感としては似た傾向にあるものの、REALFORCE R3の方が押下の瞬間が重く、そして底打ちの感覚は柔らかい印象を受けました。
どちらも長時間タイピングで疲れにくいキーボードですが、個人的な感覚だとREALFORCE R3の方が疲れにくいです。
底打ちしてしまったときの衝撃が緩やかというのが本当に大きく、これは金属製のボディでないことやスイッチの機構によるところだと思うのですが、ずっとタイピングし続けていても指が疲れません。
ちょっと軽めに打鍵したい人はHHKB、指疲れは防ぎつつも適度な反発が欲しい人はREALFORCE R3 という棲み分けになるような気がします。
打鍵音・静音性:低音中心の非常に静かな打鍵音
キーキャップがこすれて出てしまうようなカチャカチャとした音は少なく、非常に静音性は高いように感じました。
この音の感じであれば職場で使いたいと思えるし、実用的で常識的な範囲内の音のように感じます。
音としては静電容量無接点方式らしく「スコスコ」といった表現が適切のように聞こえてきました。
タイピングが強めで底までしっかり打ってしまう人であっても、本当に高音が出にくいキーボードとなっているので、音が響きにくいでしょう。
心なしかキーがボディに当たる強さが他のキーボードよりも小さい気がしていて(キーキャップとボディまでの距離の調整なのかスイッチなのかはっきりしないが)、そのおかげか静音性は非常に優秀です。
キー配列・レイアウト
キー配列はJIS配列(日本語配列)。他モデルであればUS配列もあるようですが、2024年9月に新発売されたこの「かなレスモデル」に関してはJIS配列のみの展開です。
レイアウトについてはテンキーレスサイズ。
ただし、最近僕がよく使っているようななんちゃってテンキーレスではなく、正式サイズのテンキーレス。
矢印キーやPageUpなどのキーが独立しています。
ファンクションキーに関しても詰まっているのではなく、4つずつ隙間が空いているレイアウト。
いつも矢印キーがコンパクトに収まっているタイプを使い続けてきたので、少し離れているのに違和感を覚えますが、矢印キーの打ち間違いがないのは良いです。
接続方法
接続方法はBluetoothと有線の2種類。
Bluetoothについては4台の接続が可能です。
対応端末についてもWindows・Mac・Android・iOSなど、幅広く対応しているのでどの端末と繋いでもスムーズに使用できるでしょう。
MacBookに繋いで使用していますが、設定が特殊だとか接続がうまくいかないということはなく、すぐに使い始められました。
バッテリー方式
バッテリーについては乾電池駆動。
単3が2本必要となります。
アルカリ電池で3ヶ月保つという記載を見つけましたが、これは使用する電池にも左右されるので参考程度に。
バッテリーがないことには賛否両論ありますが、個人的には電池でも嬉しい派。
一般的にガジェットが壊れる理由はバッテリーが湿気にやられて使えなくなることが多く、その点からバッテリーを電池にするだけで「長年の相棒」にできる可能性が高まります。
せっかく良いキーボードやガジェットを買ったのであれば長年共にしたいと思うので、その点で僕は電池駆動意外と好きです。
ただし、たまにしなければならない電池交換は手間ではあります。
キーマップソフト
純正のキーマップソフトが用意されています。
このソフトを活用することで、好きな位置に好きなキーを設定することやスリープまでの時間を調整することも可能です。
キーレイアウト機能にも対応しているので、大胆にキーの位置を変更させるレイアウトを設定することもできます。
他にも、テンキーレスのモデルとなっているので、テンキー的な役割を持たせるキーを設定してみると使いやすさが上がるかもしれません。
このあたりはカスタマイズ性が高いので、使用環境に合わせて使ってみてください。
その他気になったところ
独特の打鍵感でやみつきになってしまうREALFORCE R3 キーボード「かなレス」モデル。かなり気に入って使用しているのですが、気になるところもあったので共有します。
レシーバーには対応していない
これはこのモデルが、というよりはREALFORCE全体に関わるうえ、個人的な好みなので聞き流してもらっても構わないのですが、レシーバーに対応していないのは残念でした。
自分のなかでキーボードで1番ストレスを感じやすいのがスリープからの復帰までの時間なのですが、これがBluetooth接続だと復帰まで遅いモデルが多いです。
だからといって有線にするのか、というそれもデスクを圧迫するので、中間択がレシーバーになります。
最近は1万円台のキーボードでも有線・無線・レシーバーの3つに対応している場合があるので、最高級であれば選択肢はすべて使えると嬉しかったな、という感想です。
電源設定がデフォルトだと使いにくい
1つ目と少し重なるのですが、やはり電源関係に僕は不満を持ちがち。
REALFORCE R3 キーボード「かなレス」モデルはデフォルトの状態が待機状態から10分で切れるモードとなっており、少し休憩するなどしてキーボードから離れるととすぐに復帰をやり直す必要があります。
このとき復帰は右上の電源ボタンを押さなければなりません。
たったこれだけなんですけど、毎回地味にめんどうです。
スリープに入るとしてもどこでもいいからキーを押せば復帰するモデルもあるなかで、電源ボタンを押して毎回復帰しなくてはいけないのは使いにくく感じました。
しかし、これは設定で無効にすることも可能で、ソフトウェアから「エコモード無効」を選択すると電源切れの煩わしさから解放されます。
バッテリーの消費は早くなりますが、めんどくささを少しでも感じたくない人はこの設定がおすすめです。
サイズは大きめ
わかってはいたことですが大きいです。
最近コンパクトなキーボードばかり使っていたこともあり、余計に大きく感じました。
最近は矢印キーをコンパクトに整えたレイアウトも多くあり、独立しているタイプだともちろん大きめな筐体に。
正式なサイズ感なので、こちらの方が手に馴染む人もいるとは思うのですが、僕はMacBookばかり使っていたので余計に馴染みが少なく大きく感じました。
また、上部や側面にゆとりのある設計となっているため、キーはないけどスペースはある、といった箇所も散見され、デザインのミニマルさはありますが、筐体のミニマルさを求めるキーボードではないと思います。
パームレストはあった方が楽
角度調整のチルトも十分な高さが出るため、気にならない人も多いかもしれませんが個人的にはパームレストがあった方が手首に負担を感じずにタイピングできました。
どうしてもフルプロファイルの大きめキーボードなので、デスクからキーボードまで高さと角度があります。
この状態でタイピングをすると手首が負担を感じる角度になってしまい痛むので、緩和するためにパームレストの使用が推奨です。
REALFORCE R3 キーボード「かなレス」モデルはこんな人におすすめ
最高の定番キーボードをスタイリッシュに使いたい人
この新モデルの特徴はなんといってもキーキャップが「かなレス」になったというところ。
ごちゃついた印字がなくなり、すっきりとした印象を与えてくれます。
ミニマルでスタイリッシュなデザインになったことで、よりデスクが洗練されるでしょう。
ではデザインだけが良いのか?というともちろんそんなはずはなく、最高の定番キーボードとしての性能は変わらず持ち続けています。
静電容量無接点方式のキーボードは指に優しく、いつまでも疲れずにタイピングが可能です。
毎日ハードにキーボードを使う人にとって、キーボードからくる衝撃というのはバカにならない疲労として蓄積するので、柔らかかつ打鍵している感覚は十分に与えてくれるキーボードを使うのはもはや必須事項。
また、レイアウトについても無理やり小さく納めた75%レイアウトのようなキーボードではなく、正式なサイズ感で矢印キーが独立しています。
昨今のコンパクトな流れではなく伝統のサイズ感というところで、フルサイズが好きだけれどもテンキーは使わない人にとって体に馴染むサイズ感になっているのではないでしょうか。
デザイン性と機能性の両立を重視する人におすすめです。
まとめ
静電容量無接点方式で有名ななREALFORCEが装いを新たに新登場、というレビューでした。
けっしてこれまでもデザインが悪いということもないと感じていましたが、より洗練されたことで職場や自宅などで使いたくなった人もいるのではないでしょうか。
最近は新作「RC1」が発売されるなど、今後の動向も目が離せません!