次世代型のガジェットであるARグラス。
キーボードやマウスなどのデスクを快適にするガジェットをあらかた買いそろってしまった人は気になるガジェットなのではないでしょうか。
僕もちょっと気になりつつもどこでどうやって使えるのかがわからなくて、けっこう見送っていた時期がありました。
そこで今回は今ではどこに行くにも持ち歩くくらい使うようになり、ARグラスメーカーのアンバサダーを務めるまでになったARグラスマニアが、実際ARグラスってどんなことができるの?という疑問に答えていきます。
どこでも大画面で作業
基本的な使い方ですが、主にこれが僕の使用用途でもあります。
ARグラスはどんなガジェットなのかというと、簡単に表すのであれば「小型のモバイルモニター」です。
そのため、グラスをかけると有線で接続した端末の映像が目の前に大画面で表示されます。
映像の大きさについては視界いっぱいに画面が広がるような大きさがあるので、ウルトラワイドモニターが目の前にあるとか、映画館のような迫力を味わえるとか、いろいろな方法で表現されますし、実際に自分もそう感じました。
イメージとしては27〜34インチくらいのモニターが空中に浮かんでいるような感覚で、iPadや PCの画面よりは圧倒的に大きい画面が見えています。
そんな大画面モニターが手の平サイズでどこでも使えるというのは本当に革命的。
僕のおすすめは電車内で使用すること。
これまで膝の上の小さく不安定な画面で見ていた作業が一転、空中の大きくて綺麗な映像を見ながら作業できるようになります。
また、カフェの小さな座席も気にならなくなるでしょう。
どれだけ小さくてもキーボードが置けるスペースくらいがあれば、モニターを置く必要がないので省スペースでも問題なく作業ができます。最悪膝の上にキーボードを置いてしまえばいいので、座れるなら作業可能です。
その他、新幹線でも使いましたが、新幹線であれば座席とスペースが確実に確保されているのでより使いやすかったです。
試してはいないのですが、飛行機や夜行バスも同様に相性が良いと感じています。
このように、これまではスペースがなくてできなかった場所や、作業自体はできていたけれど不満を感じていたような場所でも快適に作業ができるようになるでしょう。
マルチディスプレイも可能
さらに驚きなのはマルチディスプレイで作業ができるARグラスもあるということ。
基本はミラーリングなので、接続端末に映っている映像1つしか見られないのですが、アプリを併用することでマルチディスプレイを使用できるようになるARグラスも多数あります。
多くは専用のAndroidアプリか、PCのアプリをダウンロードし、そのアプリを起動すると複数の画面を表示できる設定可能です。
僕が認知しているなかだと、XREAL・Rokid・TCLのARグラスはマルチディスプレイが可能でした。
しかし、Androidアプリからのマルチディスプレイだと、表示させられるアプリに制限がある場合があったので、PC版アプリに対応しているARグラスの方がより自然なマルチディスプレイを表示させられる傾向にあります。
僕は使用してるARグラスがXREALのもので、XREALはMac版のアプリがリリースされているので、それを使うと最大3つまでPCのディスプレイを表示させることができます。
アプリを起動すればディスプレイの距離や大きさなどもある程度調整できるようになるので、普通にかけて見るよりは自分好みに調整した状態で映像を見られました。
映画館のような環境でエンタメを楽しむ
作業について力を入れて紹介してしまいましたが、もちろん仕事をするだけではなく、エンタメも大いに楽しめます。
画質の良さを心配している・疑っている人もいると思いますが、十分きれいで映像を楽しめるほどです。
普段見ているスマホやPCのディスプレイと変わらないレベルで映るので、アニメ・映画・動画を見るのにも適しています。
高精細に見えるので、カフェや移動時間といった普段なら大きな画面では見られないような場所でも、映画館のような迫力で映像を楽しめるでしょう。
僕は普段ブログを書くという時間が多いので作業にフォーカスしがちでしたが、多くの人やメーカーにとってメインの使い方はこっちな気がします。
あとは、家にプロジェクターがあるけれど準備が面倒、みたいな人にもおすすめです。
部屋を暗くしてARグラスをかけて映像を見れば、プロジェクターに映し出したかのようなクオリティで映像を見られます。
スペースを取らなくても目の前に大きなスクリーンが現れるような感覚になれるので、準備まで考えるとARグラスの方がお手軽です。
エンタメ視聴専用オプションがある
プライムビデオやNetflixを見てARグラスを楽しむことは各メーカー、メインの使い方として想定しています。
そのため、それらの動画視聴を楽しむためのアプリを簡単に視聴できるような専用オプションが発売中です。
XREALであれば「XREAL Beam」というオプション製品があり、これはARグラスと接続するとプライムビデオを見ることができます。
スマホやiPadと接続する必要がなく、ARグラスとBeamだけで動画を楽しめるように。
Rokidからは「Rokid Station」というオプション製品が発売されており、エンタメを楽しむだけならXREALよりも使いやすい製品です。
こちらもスマホやiPadを別途接続する必要はなく、ARグラスとRokid Stationを接続すればよいだけのタイプ。
そして、Rokid StationにはAndroidTV由来のOSが搭載されているため、VODアプリの多くを本体にダウンロードすることができます。
Netflix・プライムビデオ・Disney+、その他多くの動画視聴系のアプリをダウンロード可能。
もちろんYouTubeも入れることができるので、動画視聴に関しては隙がありません。
VITUREからも同様の製品が発売されているので、どのメーカーのARグラスを購入したとしてもエンタメは楽しみやすい状態にあるといえます。
寝っ転がりながらゲーム
僕が友達や知り合いにARグラスの話をするとこんな感じで使いたい!と言われること1位の使い方が「寝っ転がりながらゲーム」をするということ。
ゲームへの接続ももちろん対応しているので、SwitchやPS5といったゲーム機と接続して大画面でプレイができます。
周りの人で多いのはやはりSwitchをベッドの上で寝ながらプレイしたいという願望。
Switchというどこでもプレイできるタイプのゲーム機とは特に相性がよいように感じます。
他に相性がよい端末だとポータブルゲーミングPCです。
これは持っている人が限られるとは思いますが、ざっくりまとめると小型のPC。
ゲーム用にスティックなどが付属しているという仕様です。
最近はこれらのゲーミングデバイスも増えてきて、どこでもゲームができるようになっています。
先日TGS2024に行ってきましたが、いろいろなメーカーがポータブルゲーミングPCを展示していましたし、さらに今後力を入れていくと話をしていました。
僕が持っているROG ALLYを発売しているASUSからはARグラスの展示もあり、より一層ゲーム×ゲーミングデバイスの注目度も高まっているように感じます。
Switchへケーブル1本では接続できない
ちょっとした注意喚起ですが、Switchの場合USB-Cケーブル1本ではARグラスに映像を映せません。
普段テレビへ出力するときはドックを使用していると思うのですが、それに変わる製品がないと映像が出力できないのです。
そのため、各メーカーからはSwitchと接続するために必要なオプション製品を発売してることがほとんどなのでチェックしてみましょう。
XREALであればこのBeamというオプション製品が該当します。
Beamがドックの代わりをすることで、Switchの映像をARグラスに出力することが可能です。
映画館で自分だけの字幕が見られる
ここからは現状XREALのARグラスだけの話となってしまいます。
XREALのARグラスであれば映画館で自分だけの字幕が見られるというプロダクトを使用可能です。
この使い方はモバイルモニター的な使い方ではなく、真の意味でARとして活用できる数少ない使用法だと感じています。
プロダクトの名前は「HELLO!MOVIE」といい、現在上映中の数多くの映画の字幕をARグラスのなかに表示できます。
聴覚に障害がある人や耳が遠い人の場合、邦画にも字幕が付いていないと言葉を聞き取れないという課題があります。
しかし、現在邦画に字幕がつくというのはまれで、限られた映画館・限られたタイトル・限られた上映会を探すという、非常に視聴難易度が高い状態です。
そこでこのプロダクトですが、ARグラスがあれば全国どこの映画館であっても字幕を映して映画を見られます。
使い方や見た感想については別動画をあげているので、詳細が気になった方は記事・動画を見てみてください。
空間写真・動画を再生できる
これも現状XREALのARグラス限定の機能。
XREALから最近発売されたオプション製品「XREAL Beam Pro」というものがあります。
これはXREALのARグラスと接続すると専用のホーム画面が見えるようになったり、ブレ補正を加えることができたりするなど、映像視聴体験をさらに高めるオプションデバイスです。
数ある機能のなかに空間撮影したデータを再生できるというものがあります。
Beam Proと接続したとき限定にはなりますが、XREALのARグラスで空間写真や空間ビデオといった、立体感や奥行きを味わえる画像や映像を視聴が可能に。
目の前に映っている映像や写真が普段とは違う見え方をするので、新しい世界を見ることができます。
この画像や映像についてはBeam Proで撮影したデータを見るというのがメインの使い方になりますが、データの形式自体は汎用的なものであるとのことなので、Vision ProやMeta Questなどといった空間撮影ができる端末で撮影をしたデータをBeam Proに入れれば同様に見えるそうです。
これからはiPhoneでも空間撮影ができるとのことなので、撮影したデータの再生端末としての使い方も普及していくかもしれません。
まとめ
まだまだ普及していない不思議なガジェットARグラスでできることをまとめていました。
価格が高めなので少し手を出しにくいかもしれませんが、最近だんだん価格も落ちてきて手に取りやすくなってきました。
また、家電量販店での体験もできるところが増えてきているので、ぜひとも一度実際に使ってみてほしいと思います。
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