最近毎日使用するレベルで活用しているARグラス、XREALのAir 2 Proですが、このモデルには下位機種としてAir 2というモデルがあります。
当時購入したときは、公式HPやレビューを見ても違いがはっきりとは理解できなかったので、ひとまず上位機種を使ってみるか、くらいの気持ちで購入したのですが、今なら何が違うのか、どんなところに差が生まれてしまうのかをしっかり把握できました。
同時期に発売された新型として、今XREALのARグラスを購入を悩んでいる人にとってどちらの機種を買えばいいのかかなり迷ってしまうところだと思うので、 Air 2 ProとAir 2の違いやできることについて実機を見つつ、比較しながら解説したいと思います。
電子調光機能の有無が分かれ目
けっきょくのところ Air 2 ProとAir 2の何が違うのかというと電子調光機能があるかどうかです。
Air 2 Proには電子調光機能が搭載されていて、Air 2にはありません。
電子調光というと聞き慣れない人も多いかと思うのですが、簡単に機能の説明をするとグラスの透過度(明るさ/暗さ)を変更する機能のことです。
この機能が実はかなり重要で、機能搭載の有無が分かれ目となるでしょう。
ワンタッチで透過度を調整できる
ARグラスは特性上明るい場所で映像を映すことに向いていません。
明るい部屋でプロジェクターからの光をスクリーンに照射しても映像がぼやけて見にくい、あの感じと同様です。
ARグラスもグラスをスクリーン代わりにして映像を映し出しているので、グラス自体の明るさ暗さによって見える映像の鮮やかさに大きな差があります。
このグラスの明るさや暗さを調整できるのが電子調光機能で、ボタン操作だけでグラスの明るさを大きく変えてくれる仕様。
遮光カバーが必要なくなる
では電子調光機能がないと具体的に何が困るのかというと、明るさと暗さの調整を自分で行わなくてはいけないということ。
もし暗い環境を作り出したいなら部屋自体を暗くするか遮光カバーという、ARグラスを覆うカバーを装着しなくてはいけません。
個人的には遮光カバーをつけ続けるのがちょっとめんどうだなと感じてしまい、 Air 2 Proを選択した経緯があります。
ものすごい重いとか、見た目が劇的に変わってしまうという類のものではないのですが、それでも毎回ARグラス+遮光カバーを持ち歩かなくてはいけないのはなんだか負担に感じてしまい、身軽に使える Air 2 Proが魅力的にうつりました。
着脱の手間がなくなる
ARグラスを使用していて地味に困るのが周囲の様子がまったく見えなくなること。
僕は普段使うとき電子調光機能で透過度を100%に設定して真っ暗にして映像を見ているのですが、この設定にすると、「グラスの中は暗くて」「映像が視野中央に大きく広がっている」ことから、周囲の情報というのはまったく認識できなくなります。
この状態で何が困るかというと、電車で使用している場合、自分が今どこの駅にいるか、目の前に人が立っているかどうかなどの視覚的な情報を得られません。
遮光カバーをつけて運用する場合、電子調光機能の透過度100%と同様、視界は真っ暗で何も見えない状態になっているでしょう。
つまり、周囲を見渡すためには一度遮光カバーを取り外して視認する必要があります。
ですが、電子調光機能搭載であれば、ボタン操作だけで明るさを調整できるので、透過度が1番低い状態にすればある程度周囲の視界も見えるようになり、わざわざ遮光カバーを取り外すような手間なく周囲の情報を得ることができました。
遮光カバー着脱の一手間なのですが、あるとないとでは日常的な使用感は大きく変わるような気がしています。
差額7000円の考え方
この機能の有無によって価格はどれほど変わるかというと、7000円の差があります。
- Air 2:54,980円
- Air 2 Pro:61,980円
正直Air 2 ProとAir 2はこの電子調光機能の有無くらいしか違いがないので、差額の金額はこの機能があるかどうかというだけ。
普段から電子調光機能を使っている身からすると、便利さが上がるのであると嬉しい機能ではあります。
一方で、遮光カバーをつけっぱなしでも容認できたり、着脱の手間くらい飲み込めたりする人にとって、1つの機能の有無によって7000円差あるのはちょっと考えものかもな、とも感じました。
たまに使う程度の使用想定の場合は電子調光機能がなくてもなんとかなりそうで、毎日ハードに使っていくなら電子調光機能があった方が7000円高くても便利だと考えています。
カラー展開の違い
Air 2 ProとAir 2で他に違いがあるとすれば Air 2にはブラックとレッドのカラーバリエーションがあります。
Air 2 Proはブラック1色なのですが、 Air 2にはレッドが選べるのが特徴的。
以前XREALはARグラス×ファッションというテーマで新製品発表会をしていたくらいなので、機能性だけで楽しむのではなく、カラーバリエーションも楽しみながら使っていくのがよいのかもしれません。
現在他のカラー展開はないのですが、レッドが気になる人は Air 2のみの魅力なので、十分に選ぶ理由になると思います。
画質は変わらない
ARグラスの重要な点として、画質がどうなのかというところがあると思います。
ですが、画質については Air 2 ProとAir 2は変わりがありません。
使用しているディスプレイも同じで、視野角やPPD(視野角1度当たりに何Pixel表示しているか)ろいう見え方に関係するスペックも同様。
Proって書いてある方がなんとなく画質もよいのかな?という感じに思ってしまうのですが、スペックを見たところ差はないですし、XREALの社員さんに確認したところ、やはり差はないようでした。
つまり、画質のよさでAir 2 ProとAir 2を選ぶ決め手にはならず、どちらを購入しても見える映像は同じくきれいということになります。
拡張性も同様
XREALのARグラスは専用のアプリがあり、アプリと併用して使用することでさまざまな機能を使用可能です。
例えばMacOSであれば、3画面の拡張ディスプレイを使用できますし、Androidのアプリと併用するれば最大5画面の拡張ディスプレイを表示させられます。
現状、これらのアプリは機種によって使えないということはなく、どのモデルでも使用して、拡張機能を楽しめます。
そのため、「あのアプリ使えないから、、」みたいな基準で選ぶ必要はないのは嬉しいポイントです。
使用頻度が高い人にはAir 2 Pro
僕のように毎日持ち出して外出先でモニター代わりに使うという人はAir 2 Proがおすすめです。
画質がきれいなのはもちろんのこと、やはり電子調光機能の差が大きい。
毎日遮光カバーを持ち歩く必要がなく、ボタン操作だけで透過度を調整して、いつどんな場所でも鮮やかな映像が見える手軽さは唯一無二。
Air 2に比べると値段が上がってしまうのはネックですが、7000円分くらいの便利さはあると感じています。
週に1~2回しか使用しないのであればあまり遮光カバーを使用環境に合わせて着脱を選択すればよいだけかもしれませんが、毎日ハードに使うとなると、電子調光機能の小回りのよさが使用感を大きく左右するでしょう。
遮光カバーをつけ続けてもよい人にはAir 2
遮光カバーの持ち歩きや透過度の調整のための着脱を特に手間と感じない人であればAir 2で問題ないと思います。
基本的な性能はAir 2 Proと同じなので、実質Air 2 Proといってもよいでしょう。
唯一差がある電子調光機能も遮光カバーの着脱の手間さえ許容できれば問題になりにくいです。
映像周りのクオリティを妥協せず、できるだけハイクオリティなARグラスをなるべく安く欲しい人におすすめといえます。
まとめ
Air 2 ProとAir 2の違いは理解できたでしょうか?
情報が少なく、なかなか決めるのが難しい商品だと思いますが、基本的な性能についてはどちらの機種も非常にクオリティが高く、不満なく使えるはずです。
ぜひとも自分の用途に合った方のARグラスを体験して欲しいと思います。