みなさんはARグラスというガジェットを知っていますか?
簡単にまとめると、メガネの中にディスプレイを内蔵し、小型なのに映画館のスクリーンのような大型のディスプレイが目の前に広がるガジェット。
僕は半年前にARグラスを購入してからは電車内やカフェなど、場所を選ばず大画面を映し出し、ブログの執筆や動画視聴をしています。
そんなARグラスですが、現在人気トップのメーカーがXREALというメーカーで、実際に僕が購入したのもXREALの製品です。
人気のメーカーということもあって、XREALのARグラスの購入を考えている人も多いのではないでしょうか。
しかし、現状XREALのARグラスは複数台発売されているうえに、まだまだ情報の少ない分野ということもあって、モデルごとの差を十分に理解するのは難しいと思います。
そこで今回はXREALの人気機種3種を実際に使用して感じた使用感や実際にXREALの社員の方に聞いた内容を含めつつ、各モデルの違いやよさについて紹介します!
本記事はXREAL様から製品をレンタルさせていただき作成しています。
主なラインナップは3種類
現在XREALから販売されているARグラスとして主なラインナップは以下3種類。
Airのみ1年前以上に発売された旧型で、Air 2とAir 2 Proについては2023年11月に発売されたばかりのモデルとなります。
これらの他にLightと2024年5月末に発売予定のAir 2 Ultraという機種がありますが、これら2機種は日常使い目的のユーザー向けというよりはアプリ開発をする個人・企業向けのデバイスとなっており、動画視聴目的で使用したいのであれば考えなくてもいいのではないか、というのが個人的な考えです。詳しくは最後に解説します。
ARグラスを初めて試してみたい!どんなものか気になる!という人はひとまず上記3機種のなかから選べば問題ありません。
Air 2 ProとAir 2の違い
まず気になるのは昨年11月に発売されたばかりの新型ARグラスであるAIr 2 ProとAir 2の違いではないでしょうか。
僕が購入した頃はレビューをしている人も情報も少なく、勢いに任せて上位機種を選んでしまいましたが、今ならはっきりと違いを理解しているのでかなり正確に答えられるようになったと思います。
重要な点は意外とシンプルでした。
電子調光機能の有無だけ
今ラインナップとして新型が2機種発売されていますが、この2機種の決定的な違いは何かというと、実は電子調光機能があるかどうかだけなんです。
Air 2とAir 2 Proだったら映像にも違いがあるのでは?と思うところですが、実際には採用されているディスプレイは同じだし、視野角なども同一。
モデルによって色域が違うということもなかったので、見え方に違いはないといってもよいのではないでしょうか。
社員さんにも確認しましたが、画質については違いがないとのことでした。
というところで、Air 2 ProとAir 2はこの1点のみおさえておけば、違いについてはほぼほぼ理解できたといってOK。
遮光カバー持ち歩くならAir 2でもいい
電子調光しか変化がないならAir 2 Proいらないのでは?というとそうでもないのが重要なポイント。
日常使いするうえで、電子調光の有無はかなり大きいです。
前提として、グラスの中が明るい状態だと、映像がはっきり見えません。
明るいところでスクリーンに映像を映しても鮮やかに見えないあの状況と同じです。
ということもあり、通常の状態のグラスのままだと、明るめの視界に映像が映るので、とてもはっきり鮮やかな映像とは言い難い映像が目の前に広がります。
そこで活躍するのが電子調光機能。
電子調光があるとグラス内の透過度を調整できるので、グラスを暗くして、かけるだけで映画が始まる前のような暗さを目の前に準備できます。
グラス1つでこの状態を作り出せるので電子調光機能が優れているのですが、ないなら鮮やかな映像を諦めなければならないかというと、そうではありません。
画面の明るさを調整したい場合には遮光カバーをつければ解決できます。
遮光カバーを装着すれば視界は電気を消したような暗さになり、暗い部屋で映像を見ているかのように映し出される画面は鮮やかではっきりと見れるように。
半透明のグラスから画面を覗かなくてはならない状況というのは現状ほぼほぼないので、常に遮光カバーをつける運用に違和感がないのであれば上位機種のAir 2 Proを購入せずにAir 2でも問題なさそうです。
めんどくさいならAir 2 Pro
僕はこれに当てはまるのですが、遮光カバーをつけて持ち歩くのが面倒な人は電子調光機能があるAir 2 Proがおすすめ。
遮光カバーをつけっぱなしなら、着脱の手間もなくて問題ないといえば問題ないのですが、やっぱり何かつけている感じが嫌だし、単純に装着したとき重くなるのも不快。
そして現状はほとんどないとはいえ、グラスが半透明(デフォルト)の状態で使用したいとなったときは、いちいち着脱しなくてはならないのもなんだかめんどう。
というところで、遮光カバーの着脱が億劫になりそうな人は電子調光機能付きの方がボタン1つで明るさ・暗さを調整できるので便利です。
僕は電子調光機能付きのAir 2 Proを選んだおかげで、電車のなかで使うときに作業中は透過度100%の暗い状態、降りる駅が近づいてきてないか様子を確認するときは透過度を明るくして周囲を見る、みたいな使い方をしています。
もし仮に電子調光機能がなかった場合、周囲を確認する場合は遮光カバーの着脱をしなければならなかったと考えるとめんどくさくて嫌になってそうだと感じました。
Air 2 Pro・Air 2とAirの違い
Air 2 ProとAir 2の違いが十分にわかったところ、この上位2機種に比べてAirはなにがどう違うのか?という疑問が出ることでしょう。
最近値引きの対象になることが多く手に取りやすくなってきた旧モデルAirですが、Air 2 ProとAir 2のように新型と比べてもほぼ変わりはありません!ではなく、さすがにいくつものアップデートがされているので、その違いを解説します。
ノーズパッドが違う
地味なポイントかもしれないのですが、旧モデルと新モデルの個人的な1番大きな差はノーズパッドだと感じました。
「そんな地味なポイント大切?」みたいな気持ちになるかもしれないのですが、ARグラスを長時間かけ続けると意外とバカにできない差になるんです。
Airのノーズパッドですが、シリコン製のパッドで肌触りよく、一見何も問題がなさそうに見えます。
ですが、新型モデルと比べてみると、新型2機種はノーズパッドの中が空洞となっており、クッション性が高く、反発や柔らかさにAirとの大きな差を感じました。
グラス自体にディスプレイを搭載していることもありそこそこ重量があるため、普通のメガネやサングラスに比べると鼻の付け根にかかる負担はもちろん大きいです。
そのため、鼻の付け根の痛みを軽減するための施作は地味ながら効果が高い部分となります。
実際にAir 2 Pro・Air 2とAirをかけ比べてみると、Air 2 Pro・Air 2はノーズパッドの中が空洞になっているので30分以上かけてもあまり痛みを感じませんでしたが、Airについては30分も使っているとかなり負担を感じました。
感覚としては固い座面の椅子にでも座ったときのダメージが腰に直撃するような感じでしょうか。
ノーズパッドの反発や柔らかさは疲れ・痛みなどに直結するので、長時間かけたい人はAir 2 Pro・Air 2を選んだ方がよいといえるでしょう。
音質関係の差
現状僕は普段自分が使っているAir 2 Proで直接音を聞くことはないので、無視できるといえば無視してもよいポイントではあるのですが、Airは音漏れ目立ちます。
Air 2 Pro・Air 2は指向性オーディオを搭載したと公式にHPに書いており、音が分散しにくいシステムとなっているため、音漏れがまったくないとはいいませんが、ある程度雑音がある場所だと近くに座っていても気が付かない程度の音量となっていました。
一方でAirはかなり力任せに鳴らしているような印象で、ボリュームを上げていくごとに特にドラムの音がっきりと周囲に聞こえていくような響きに。
電車の騒音にも負けないほど音漏れで、もし車内や静かな場所で使ったら確実に隣の人に睨まれるか音量下げるか切れと注意されてしまうレベル。
自分が備え付けのスピーカーをもともと使う気がなくスルーしていたのですが、新旧のモデルを使い比べてみると新型はスピーカーが順当に進化していたことを実感しました。
音質周りについては、新型2機種についてはディアルスピーカーになり、Airは1つ。
そのため、音の臨場感や迫力についても新型の方が迫力のある音で音声や音楽を楽しめます。
イヤホンをつけずにARグラスだけで音を聞こうと考えている人にとって、自宅で活用する分には問題なさそうですが、外出先で使うときは注意が必要です。
画質は気が付かない人もいるのでは?
「新型に変わったんだから映像こそきれいになったんでしょ!」というイメージを持っている人も多いと思うのですが、個人的な体感としては言われなければそこまで大きな差はない程度だと感じています。
これは新型があまり進化していないのではなく、Airの時点でかなり完成度が高いという話です。
僕も初めてAir 2 Proを使ったときにおどろいたのですが、画質について誇張なく想像していた画面よりもずっときれいで感動しました。
「どうせ色物ガジェットだから質が悪いんでしょ、、、」と高を括っていたのでかなり驚いたのを覚えています。
もちろん使われている新型の2機種はディスプレイも変更されたし、新型発売に向けて新しい技術も盛り込まれているはずなので、ちゃんと見れば色のグラデーションの表現とか鮮明さとか、新型2機種の方によさを感じます。
ですが、大きな差として画質を評価するかというと微妙なラインで、他のポイントの方が変更点として差がわかりやすいのではないかという印象でした。
どのARグラスがおすすめ?
最近ちょっとARグラス気になっているなとか、XREALの機種のなかではどれを選んだ方がいいのか、と悩んでいる人に向けて、半年間ほぼ毎日Air 2 Proを使ってきた僕がおすすめを解説してみたいと思います。
フル活用するならAir 2 Pro
僕のように電車に乗っている間、ARグラスをかけて仕事や作業をしたいんだ!みたいに毎日レベルで使い倒す想定の人は間違いなくAir 2 Proの購入をおすすめします。
上でもふれてきたとおり、旧型のAirと比べて単純に画質がよくなったとか、長時間装着しやすい空洞になっているノーズパッドなど、新型にはさまざまなメリットがあります。
そのなかでも影響が大きいのがなんといっても電子調光機能。
この機能があることによってARグラス単体でも暗い状態を作り出して、いつでもどこでも鮮やかな映像を楽しめます。
また、少し周囲を見渡したいと思ったときはいちいちARグラスを外す必要はなく、透過度を調整すればある程度の視界も確保されるので、日常的な使いやすさが他モデルより高く、扱いやすいです。
コスパ重視ならAir 2
電子調光機能が大切だと考えているとはいえ、この機能が搭載されているかどうかでAir 2 Proと比べて値段が7000円ほど変わってきます。
性能を考えると旧型よりも新型をおすすめしたいという気持ちは決まっているのですが、電子聴講機能なんてなくても遮光カバーで明るさを調整すればよい、と考えられる人には電子調光機能なしのAir 2がおすすめ。
基本的な性能は変わりなく、単純に電子調光機能があるかないかの違いなので、映像関係については変わらないクオリティについて視聴できるでしょう。
気軽にARグラスを始めるならAir
XREAL最安値モデルであると同時に、現状発売されている主要メーカーのARグラスのなかでも最安値なのがAir。
最近はセールなども頻繁に開催され、実質5万円を切る価格にまで到達していて、1番求めやすい価格になっているといえるでしょう。
発売日も1年以上前で性能的にも大きく劣るのか、というとそうでもなく、映像自体は上位機種と遜色ないほどきれいな映像が見えます。
絶望するほど画質が大きく損なわれている、みたいなことはなく、十分きれいといえるレベルの画質だと個人的には感じました。
そのため、一定のクオリティを担保しつつ最安値でARグラスを試してみたいのであれば、Airを選択肢として考えてみてもよいのではないでしょう。
どのモデルを買っても拡張性は同じ
XREALのARグラスには専用のNebulaというアプリがあり、アプリと連動させることで複数のマルチモニターとして活用したり、自作のアプリを起動したりできます。
実際に僕もMacBookにアプリをインストールし、3画面のマルチモニターを体験しました。
これらの拡張機能ですが、モデルによっての使用制限は今のところありません。
旧型を買ってしまったからアプリに対応していなくて3画面を体験できないとかはなく、現行モデルであれば対応可能です。
そのため、XREALのARグラスを見るときはシンプルに性能で比較して合う物を選べばよいといえます。
最新機種Air 2 Ultraは無視でも大丈夫
少しXREALのARグラスが気になっている人は2024年5月末に発売予定のAir 2 Ultraも気になっているのではないでしょうか。
新型に関してですが、個人的にはスルーでも問題ないかなと感じています。
もちろん性能は抜群です。
広い視野角に加え、Air 2 やAir 2 Proにはないハンドトラッキングという、自分の手を認識してディスプレイをさわって操作できるような機能など、新技術と未来を感じるモデルに進化しました。
一方で、この機能を日常的に使えるアプリというものはまだまだ開発段階で、日常使いレベルで個人利用できるものを僕は見つけられていません。
そもそも公式HPにも書かれているとおり「開発パートナー向け」のデバイスとなります。
要するに、これからハンドトラッキングなどのアプリを開発していく個人・企業向けのARグラス、というのがメイン層であり、日常使いのユーザーには少し趣旨がズレている、というようなイメージ。
性能はスペックを見る限りまったく悪くなく、資金的に余裕があるのであればAir 2 Ultraを選んだ方がよいのは間違いないです。
ただ、開発者でない限り、Air 2 Ultraは定価が約10万円なので、Air 2 ProやAir 2と4万円程度の差があり、4万円分の差を映像視聴を主な使い道とした一般ユーザーが恩恵を受けられるかどうかは非常に微妙なところ。
実際僕自身も開発をするわけではく、映し出された映像を見て活用するタイプのユーザーなのでAir 2 Ultraの購入は見送ってしまいました。
というところもあって、新型が出て旧型買って平気なの?みたいな不安はあると思うのですが、現状は問題ないと考えています。
まとめ
単体をレビューしている人はたくさんいるのですが、現行販売分の比較や詳細なレビューはまだまだ少ないのではないかと思っていて、これまでずっと使いつつ調べてきたことをできる限りまとめてみたつもりです。
ARグラスはめちゃくちゃ面白ガジェットですしXREALのARグラスはクオリティが高いので、この記事をきっかけにぜひ試してみてください!