キーボードは僕のなかでもかなり熱いジャンルとなっていて、注力している自覚があります。
今年は25個のキーボードをレビューしてきたようで、今年もたくさんのキーボードを体験してきました。
さらにはキーケットやキーボードエキスポのようなリアルイベントも盛り上がっていて、実際に参加できたのも良い思い出です。
過熱するキーボードブームのなか、実際に今年使ってみて良かったキーボードについて特に紹介したいものについて7つ取り上げてみたので、気になった製品についてはチェックしてみてください。
完全に独断と偏見にはなりますが、個人的に今年使って「感動した」「打鍵感がよかった」「機能性が素晴らしい」など、さまざま感じたことを複合してよかった物をランキング付けしてみました。
ランキング形式で紹介する関係で点数をつけていますが、完全なる主観となっています。
また、みなさんが使ってみて良かったキーボードについても教えてもらえると嬉しいです!
7位:EPOMAKER TH40
- 打鍵感:7
- 疲れにくさ:7
- 機能性:7
- デザイン:8
第7位はEPOMAKERのTH40。
40%のコンパクトなレイアウトが特徴のミニマルなキーボード。
数字や矢印キーがないタイプのキーボードです。
使えるようになるまでかなり苦戦したのですが、これを触ったからこそ自作キーボードに踏み出せたという、自作に手を出す前の練習機として非常に優秀なキーボードでした。
僕は昨年からキーボードにハマり、自作キーボードも気になってはいたのですが、心配の要素としては組み立て以外にサイズが手に馴染むのかというところがありました。
興味のある自作の多くは数字キーや矢印キーなどが省略されているミニマルなキーボードで、キーマップを駆使するといろいろなキーが打てるのは理解できるが、自分の手に馴染むのかどうかはずっとわからないといった状況。
そんななかで出会ったのがTH40。
これはメーカー品ということで複雑な組み込みやハンダ付けもなくすぐに使い始められます。
サイズについてはメーカー品なのに40%レイアウトで矢印キーがないというかなり尖った仕様。
なかなかこんなキーボード既製品では見たことなかったので驚いたのを覚えています。
このキーボードを自作キーボードを購入する前に使うことによって、「意外とキーマップを駆使すればいろいろ打てる」「そこまでストレスないかも」みたいな、自作を想定した実感を持つことができるようになり、安心してミニマルな自作に踏み出すことができました。
価格についてもAmazonのセールでよく対象になっており、セール時はおおよそ1万円という価格もありがたいところ。
自作に踏み出したいけど本当に自分に合うのか不安な人に1歩目としておすすめできるし、自分自身も助けられたキーボードでした。
6位:Keychron Q15 Max
- 打鍵感:7
- 疲れにくさ:6
- 機能性:8
- デザイン:9
第6位はKeychronのQ15 Max。
Keychronが手がける最高級のオーソリニアキーボードです。
格子上に整った配列が特徴的なキーボードとなっています。
オーソリニアの配列については基本的には自作キーボードでしかみないような配列だったのですが、Keychronがメーカーとして販売をしていてさすがとしか言いようがありません。
一般的でなくおそらくあまり売れないからこそ販売していないのだと思うのですが、ちょっと変わり種のキーボードもしっかり展開していてありがたい限りです。
しかもそのキーボードの性能に妥協はありません。
Keychronが展開するラインナップの最上級に位置するQシリーズ、そしてそのなかでも1番高級なMaxのシリーズで製作されているということもあり、見た目の奇抜さとは裏腹にかなり堅実な性能をしています。
筐体についてはフルアルミのボディとなっており、非常に堅牢。
ガスケットマウントも採用されているため衝撃吸収についても考えられており、打鍵感も非常に心地が良いです。
左右にはノブも搭載しているので、キーを打つ以外の操作についても操作が可能。
キーマップソフトについてはKeychron Launcher Webアプリというキーマップソフトに対応しています。
このアプリで基本的な操作については一通り設定ができるため、よほどこだわらないのであれば十分満足できるでしょう。
オーソリニアということもあり、打つのに慣れが必要なことと、ある程度慣れても手や肩の角度的にどうしても疲れやすいという側面はあるのですが、自作でしかほぼ使えないようなオーソリニアを安定のメーカー品質で、しかも最上級のラインナップで楽しめたのは非常に良い体験ができました。
5位:dotmatrix40
- 打鍵感:8
- 疲れにくさ:6
- 機能性:7
- デザイン:10
第5位はdotmatrix40。
dotting dotsというブランドを運営するJunnaさんとモリシタヨウスケさんが設計や販売を手がける自作キーボード。
40%のオーソリニアキーボードとなっていて、コンパクトながら必要なキーはしっかりと搭載されているといった仕様になっています。
数字キーはないですが、矢印キーやシフトやタブなどのキーは標準搭載されているサイズのキーボードとなっているので、日常的な使用感としてはそれなりに使いやすいでしょう。
お気に入りのポイントとしてはiPadとの併用を想定されたキーボードであるということ。
サイズ感的にiPadの11インチサイズと合わせて持ち運んでも違和感のないサイズになっているというところに始まり、中央のロータリーエンコーダーに上下左右のカーソル移動を割り振ることでiPadの画面を触らずに操作ができるようになるといった使い方ができます。
実際に製作者の方もこの操作をされていて、この設定にすることによってテキスト入力などのときに手でタッチして改行をするといった操作が不要に。
レイヤー切り替えなどを駆使すればこのロータリーエンコーダーにクリエイティブ系のアプリの色や明るさの調整の機能を割り当てることもできるので、テキストワークだけではなくクリエイティブ系の作業にも使いやすい対応力があります。
キーマップソフトについてはREMAPが採用されていて、Hold Tapにも対応しているので、単押しで◯◯、長押しで◯◯のようなカスタマイズ性の高い設定も可能です。
無線で接続することができず有線接続のみなのがデメリットではありますが、今後の進化に期待したい1台となっています。
4位:Keychron K2 MAX
- 打鍵感:8
- 疲れにくさ:8
- 機能性:8
- デザイン:8
第4位はKeychronのK2 MAX。
総合力の高いキーボードで、ついついこれを使ってしまう良さがあります。
特徴としてはKeychronが展開するスタンダートなラインナップであるKシリーズの75%のフルプロファイルキーボード。
クセがなくタイピングしやすい打鍵感、自分好みのカスタマイズも楽しめるキーマップソフトの機能性の高さ、JIS配列にも対応して価格も超高額とまではいかない程度。
これからキーボード沼にめちゃくちゃハマったとしても対応できるし、そうでなくてもシンプルに使いやすいといった、玄人にも初心者にもおすすめできる、そんな味わい深いキーボードです。
基本的な使用としては足りない機能は感じない優等生のようなキーボードといった印象があります。
打鍵感の特徴としてはスムーズでなめらか。でも反発もしっかり感じられるというところ。
ストンと底打ちまで滑るように沈み込んだあと、しっかりと指を元の位置まで跳ね返してくれるような感覚があります。
ガスケットマウントも採用しているので底打ちのときの衝撃も分散されて適度になっており、長時間のタイピングでも疲れません。
スイッチについては3種類選べるのですが、僕は押下圧45gの赤軸を選択。
赤軸ということもあって、メカニカルスイッチながらカチカチとしたスイッチによるひっかかりを感じることはなく、なめらかに滑るように打鍵できます。
45gの押下圧というところで極端に軽い・重いということはなく、適正な重さでタイピングができるでしょう。
機能性についてはKeychronが公開しているKeychron Launcher Webアプリというキーマップソフトに対応しています。
このアプリで基本的な操作については一通り設定ができるため、よほどこだわらないのであれば十分満足できるでしょう。
3位:DRESSTHING
- 打鍵感:8
- 疲れにくさ:5
- 機能性:10
- デザイン:10
第3位はDRESSTHING。
これはiPad mini関連機器の紹介をしているYouTubeを運営するそーすけさんが設計・販売をしている自作キーボード。
iPad miniとあわせて使うことを想定された30%レイアウトのキーボードで非常にミニマルなデザインが特徴的。
30%レイアウトがミニマルで魅力的な一方、さすがに小さすぎて手と脳が慣れなくて疲れるといったある程度の弊害はありますが、非常に楽しく使える一台です。
Bluetooth接続にも対応しているので、快適に使えます。(分割使用時のキーボード同士の接続には有線接続が必要)
デザイン的な美しさはもちろん、分割で使うこともできるし折りたたみや一体型として使えるといったギミックがあるのも嬉しいポイント。
使用できるスイッチはフルプロファイルとロープロファイルどちらにも対応しているので、好きなスイッチを幅広く使えます。
現在僕はLofree Flowに採用されているGhostのスイッチとLofree Flowのキーキャップを装着中。
スイッチによって打鍵感は変わるのはもちろんですが、このアクリルのプレートがなかなか感触が良く、簡易的なように見えてかなりしっかりとした打鍵感を実現しています。
これまでいくつかの自作キーボードを使ってみましたが、プレートの関係か少しいまいちに感じることも多かったのですが、DRESSTHINGはスイッチの良さをそのまま活かせているように感じました。
キーマップソフトについてはVialを使用し、Mod Tapなどを駆使することで30%レイアウトとは思えないほどの多機能さを実現。
見た目上では矢印キーも数字キーもないですが、慣れればそれも気にならなくなるほど自在に操作が可能になるほどの使い勝手の良さがあります。
ここまで拡張性が高いのにも関わらず制作難易度は非常に低く、ハンダ付けの箇所は10箇所程度で、さらにすごく丁寧でわかりやすいビルドガイドも公開中。
Discordにはオーナーが交流できるコミュニティがあるので、使い方とかわからないことについて共有できる場があるのもちょっと手を出しづらい自作としては安心感のある要素となるでしょう。
この自作キーボードを手にしたことによって、自作キーボード自体の理解も深まったし楽しさにも気がつけたというところで、キーボードのおもしろさを1段上げてくれた存在です。
2位:NuPhy Air75 V3
- 打鍵感:8
- 疲れにくさ:8
- 機能性:9
- デザイン:10
第2位はNuPhy Air75 V3。
僕が2022年に初めて買ったロープロファイルキーボードであるNuPhy Air75も、2025年には3世代目に突入していたようで、久々の新作は進化に驚くばかりでした。
まずNuPhyと言えばのような魅力ですが、相変わらずデザイン性が素晴らしい。
黒や白一色でまったく遊びがないわけではなく、ところどころ差し色を入れて、親しみやすさと色のバランスの美しさを両立しています。
これであれば職場で使っていても目立ちすぎないけど地味すぎないという非常にちょうど良いところなのではないでしょうか。
そしてデザインだけなのかというとそんなことはなく、打鍵感と機能性ともに優れたキーボードとなっています。
スイッチについては下記3つから選択可能。
- Red nano(リニア):押下圧45g
- Brown nano(タクタイル):押下圧50g
- Blush nano(静音リニア):押下圧42g
僕はリニアタイプを使っているのですが、リニアらしくなめらかな押下ができるうえ、適度な反発感があり非常に心地が良いです。
機能性については専用のキーマップソフトがあり、これが自作キーボード顔負けのカスタマイズ性能。
まずオンボードの設定なので、自宅で設定して職場に持って行けるというのはもちろんのこと、「Tap Dance」というVIAでいうMod Tapのような機能も実装。
単押し、ダブルクリック、長押しでキーの設定を行える機能で、例えば単押しはAにすると、普通に打つ分にはAの入力を行えます。
続いてダブルクリックは素早くトントンと2回押すことによって、設定したキーの入力を可能に。
最後に長押しでは押している間だけ別のキーになるので、⌘やshiftなどの押しながら何かを操作するキーを割り当てると相性が良いでしょう。
このように、キーにいくつもの役割を持たせることができるので表面上では判断できないほどの多機能さを手にいれることができています。
メーカー品でこの機能性を持つのは非常にありがたいポイント。
さらにこれだけ充実の仕様をしているのにも関わらず、日本語配列にも対応しているところもすごすぎる。
自作キーボードやUS配列のキーボードであれば、同等のスペックは探せばありそうですが、メーカー品かつ日本語配列というのはなかなかないでしょう。
1位:IQUNIX MQ80
- 打鍵感:10
- 疲れにくさ:9
- 機能性:8
- デザイン:10
今年1番使って良かったキーボードはIQUNIXのMQ80。
求めていた最高のロープロファイルはこれ!といった感じの、本当にタイピングが快適なうえ機能性も高くてデザインも秀逸というキーボード。
Lofree Flowというロープロファイルのキーボードに出会ったことから僕のキーボードへの愛は加速していくのですが、MQ80はLofree Flowの改善してほしいポイントをすべて改善したような仕様です。
特徴としては押下圧40gの軽快な打鍵感、Bluetooth・2.4GHz・有線接続対応、VIA対応といったところで、打鍵感・接続方法・機能性すべてにおいてLofree Flowを上回っています。
打鍵感はLofree FlowのGhostのスイッチに似たようなコトコトとした感触なのですが、押下圧が40gということで非常に軽いです。
サクサク打てつつもアルミ筐体によるたしかな支えにより、フィードバックの感触はたしか。
適度な感触は残しつつも指には負担をかけないこの荷重が絶妙です。
接続方法についてもLofree Flowでは対応していなかったレシーバー接続にも対応し、多様なデバイスとの接続ができます。
さらにはVIAにも対応しているということで、キーマップの自由度も高く自分好みのレイアウトを構成することもできるので、作業の快適さも十分。
弱点らしい弱点がない非常に完成度の高いキーボードで、今年1番満足しました。
まとめ
今年も一年たくさんのキーボードに囲まれる生活を送ることができました。
本当にキーボードが変わると作業効率もガラッと変わるどころか、体の負担まで変わるかなり重要度の高いガジェットなので、もしまだ最適なキーボードが見つかっていない人はこのランキングやこれまでのコンテンツなどを参考に自分に合ったキーボードを探してみてください。



































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