ラピッドトリガー搭載のキーボードが溢れかえっている今日、ハイエンドの筆頭格とされているWooting。
「やはりWootingを手に入れればエンドゲームか?」「いやこの新作はどうだ?」と一喜一憂できるのは、デバイス好きにとってたまらない時間ですよね。
そこで今回は、市場からの評価も非常に高く、Wootingの対抗馬との声もある「IQUNIX EZ80」をレビューしていきます。
はじめはデザインで惹かれていった僕ですが、調べていくうちにその性能の高さにも虜になっていきました。
とはいえ僕自身はハードなゲーマーではないので、主にキーボードとしての性能についてレビューし、ゲーム性能についてはゲーム好きの友人にも実際に使ってもらいながらその使用感をレビューしていきます。
提供:IQUNIX
IQUNIX EZ80の特徴
- 重量1.6kg超えのフルアルミ筐体
- ガスケットマウント構造で心地よい打鍵感
- オリジナルの磁気スイッチ「Magnetic X Ultra」
- 押下圧:36g
- ラピッドトリガー0.005mmから調整可能
- 8kHzポーリングレート、16kHzスキャンレートの超低レイテンシ
- Webベースのソフトウェアで、フルリマップ・マクロ対応
- クリアキーキャップ × 南向きRGBライティング
- 価格41,123円
端的に表すのであれば、打鍵精度とゲーミング性能を両立したハイエンドキーボードといった製品。
ゲームに勝つことにこだわるのであれば、ぜひとも手に入れておきたい一台。
ゲーム性能としては0.005mmからラピッドトリガーを調整可能で、8000Hzポーリングレートなど、低遅延かつ高精度に動いてくれます。
キーマップの機能も充実していて、ゲームに特化した動きに調整していくことも可能です。
打鍵感についてもフルアルミ筐体に加えガスケットマウント採用で、ゲーミング用途だけではもったいないほどの感触。
Wootingとは何が違う?

RTINGS等の実測データ・評価を参照しつつ、簡単にまとめてみます(あくまでも参考程度に!)
- 性能・レイテンシ:どちらも高性能だが、ややEZ80優勢。
- ソフトウェア:EZ80も洗練されているが、Wootingの完成度が非常に高い。
- デザイン:ライティングが特徴的なEZ80。互換品充実のWooting。
- レイアウト:標準的なEZ80。Wootingは75%寄りで独特だが、ISO/JIS配列も
- 価格:同程度だが、Wootingはプラスチック筐体の廉価版あり
どちらも十分に高性能で、それぞれ良さがあると思います。
あえてWootingを選ぶ理由は、互換品充実でカスタムしたい需要に応えられる点、日本語配列がある点、ソフトウェアへの信頼などでしょう。
EZ80は、少しでも高い性能に興味がある人や、デザインに惹かれた人、標準的なレイアウトがいい人などの選択肢となりそうです。
IQUNIX EZ80のデザイン
ここからは、EZ80について詳しくレビューしていきます。
2色展開で、今回僕が選んだのは新色のEZ80 Dark Side RS。

ダークグレーのクリアなキーキャップを採用しており、南向きRGBが映えるデザインです。

キーごとにライティングを変更できるほか、さまざまなエフェクトが用意されています。

印字も南側で目立たないので、ライティングを消せばHHKBの無刻印のようなシックなデザインになるのも気に入っているポイント。
天面には有線接続用のUSB Type-Cの端子があり、クオリティの高いケーブルが付属していました。

本体はかなりの重量感があり、ちょっとやそっとのタイピングじゃ動きません。

側面はこんな感じでメカメカしい印象です。かなりビルドクオリティが高く、ネジ1つをとっても高級感があります。

傾斜は調節できませんが使いにくさは感じませんでした。パームレストはあったほうがいいかもしれません。
ちなみにもう一色はブルーのカラーリング。当時EZ63が発売されたとき、確かこのカラーリングしかなくて、個人的にはIQUNIXといえばこれだ!というイメージがあります。

IQUNIX EZ80 レビュー
IQUNIX EZ80の各項目についてレビューしていきます。
打鍵感

スイッチは、磁気の定番となりつつあるMagnetic Jade Proと、IQUNIX独自開発のMagnetic X Ultraの2種類があり、気になっていたMagnetic X Ultraを選びました。
まずは打鍵感ですが、コトコトとカタカタの中間で、磁気スイッチのなかでもかなり心地よいと感じました。
押下圧については36gで、底打ち付近が48gとなっています。
そのため、全体的には軽めの打鍵感となりつつも、底まで打ち切ると確かな感触が得られるといった感じ。
感覚的には以前レビューした同社製品のMQ80とも似たような感覚で、Lofree系の打鍵感が好きな人は気に入りそうといった感触です。
僕がしばらく使っていたRealforce GX1は、押下圧45gでストロークも深かったのですが、それと比べてEZ80はキーストロークがそこまで深くありません。
最初はストロークの浅さが気になり、底打ち感が少しあるかな?と思っていたのですが、使っていくうちに「疲れにくく軽快にタイピングができる」と感じるようになっていきました。
タイプミスも少なく、仕事で使っていても快適でした。※ゲーム中の使い心地は後ほど記載します。
打鍵音・静音性
打鍵音は正直静かではないかな、、、と思いましたが、自分でタイピングしていて不快感があるわけではなく、上品で深みあるカタカタという響きです。
アルミボディなので、プラスチック筐体のようなカチャカチャとした音ではなく、カタカタという響きになっているのかなと思います。
Discordを繋ぎながらタイピングしてみましたが、ノイズキャンセリングがかかるので、通話に乗るほどうるさくはありませんでした。
ただ自分の録画を見返すと、Discordのノイズキャンセリングがきかないので、タイピング音は結構入っているなと感じました。
ソフトウェア・機能面
ドライバのアップデートやキーリマップなどは、WEBベースで公開されている EZ.IQUNIX.COM から行います(最新版か確認のうえアクセスをお願いします)。
インストール不要のWEBアプリで完結できるのは良いポイントですね。
WEB版というところでMacのもキーマップの設定は可能でした。(Macで使う人はほとんどいないと思いますが)

実際にアクセスするとこんな感じ。
デフォルト状態でも日本語対応となっていて何がどこにあるかがわかりやすかったです。
また、怪しい日本語訳という感じでもなくかなり正確に訳されているので使用に戸惑うことがなかったのは好印象。
僕が使っているWindows機では特に問題なく使用が開始できたのですが、MacBookでキーマップソフトを開いてみるとウィンドウが全画面じゃないとソフトウェアを開けないと表示されました。

友人の環境下でも同様な表示がでたようなので、表示が出た際には全画面にして対応しましょう。
SOCD、Mod Tap、Dynamic Keystrokeなど機能は申し分なく、とくにRapid Triggerの感度を0.005〜3.8mmで微調整可能なのはゲーマーにとって魅力的ですね。
アクチュエーションポイントやラピッドトリガーの設定もしやすく、十分使いやすいソフトウェアだと思います。

フルリマップに対応し、レイヤーも3層まで設定可能です。
レイヤーの切り替えは任意のキーに割り当てられるので、「仕事用」「ゲーム用」などソフトウェアを開かなくてもワンボタンで切り替えられるのがうれしいポイント。
不具合や、動作に違和感が発生した際には、キャリブレーション※の画面から調整できます(※工場出荷時などで使われる、各ボタンの誤差を調整する機能)。

すべてのキーを2回ずつ押すのですが、なんだか調整されている感じがして楽しい。アクチュエーションポイントや戻り値が設定どおり機能しているかを調整してくれているようです。
実際にゲームで使ってみて
今回は友人にValorantを中心にプレイしてみた結果をまとめてもらいました。
アクチュエーションポイント | 0.5mm |
ラピッドトリガー(プレス) | 0.01mm |
ラピッドトリガー(リリース) | 0.01mm |
ボトムセーフティゾーン | 0.00mm |
SOCD | OFF |
Mod Tap | OFF |
まず、使い始めた瞬間から「これは強いキーボードだな、、」と感じたとのこと。
キーストロークが浅めなのも相まって、離しストッピングでも「すぐ止まり、すぐ動き始める」ので直感的な操作が可能。
以下友人からの感想。
- 例えるなら、ホームボタンで操作していたiPhone 8から、ボタン廃止のタッチ操作に切り替わったiPhone Xのような衝撃。キーを押す感覚から、タップしている感覚に変わり、逆キーいらずでイメージ通りにストッピングできた。
- 動いていても、驚くほど弾がまっすぐ飛んだ。
- 逆キーをいれると、右左右左というステップがやりやすいですが、離しストッピングだと右右右という動きもやりやすいので、駆け引きの択が増えるのも嬉しい。
※ゲーム中の誤操作もなく、走り始めて止まらない・・なんてことはありませんでしたが、スキル系のキーは暴発防止のために1.0mm前後にしておくことをオススメします。
そのほか気になったところ
すべてのキーのアクチュエーションポイントを最短にして試していたのですが、いきなりCtrlが押しっぱなしになったり、Escがきかなくなったりしてちょっと困りました。
僕の場合、左のCtrlを変な押し方で押してるので、ずっとちょっとだけ押された状態になったのかな?と推測しています。
ラピトリONにしたり、キャリブレーションしたりしてすぐ直りましたが、やはり不必要なキーには最短の設定をせず、WASDなど必要なキーだけにとどめておくのがよさそうです。
IQUNIX EZ80 はこんな人におすすめ
勝つためのデバイスを求めている人
EZ80は高価ながら、それに見合うだけの高性能・高精度なキーボードだと思います。
僕視点ではシンプルにデザインと打鍵感が素晴らしい。
ゲーミングデバイスはどうしてもゲームのコントローラー的な要素をメインに置くと打鍵感というところは置き去りにされてしまう(というか作業の打ちやすいとゲームの打ちやすいは違うからしょうがないところだけど)ところが多いものの、EZ80は普段作業用キーボードに慣れている僕でも心地が良いと思える打鍵感でした。
性能については友人にも実際に使ってもらって確かめてみましたが、やはり性能が非常に優れているとのこと。
その他現在出ているレビューとかも調べて見た限り、かなりのハイエンド機であることは間違いなく、ゲームで「勝つこと」にこだわるなら使っていて損のないキーボードです。
Wootingとの比較を参考に、ぜひ選択肢に入れてみてください!
まとめ
今回はIQUNIX EZ80をレビューしてみました。
なかなかデバイスに全力でお金をかけられる人ばかりではないと思いますが、後悔しない買い物だと感じました。
キーボードの性能向上は凄まじいですが、現状のエンドゲームといえるデバイスの一つであり、長く活躍すること間違いなし(…と思います)。