正直音質は微妙だけどそこで勝負はしてないイヤホン|6年ぶりの新型「Powerbeats Pro 2」レビュー

もう新型の登場はないと諦めていたイヤホンPowerbeats Proの後継機となる新型イヤホン「Powerbeats Pro 2」が6年の時を経て発売されました!

僕が初めて購入した1万円以上のイヤホンで、今でもドキドキしながら購入ボタンを押したのを覚えています。

このイヤホンですが僕は思い出が強かったので購入したものの、正直おすすめは全然できないと感じてしまいした。

今回はPowerbeats Pro 2はどんなイヤホンなのか、そしてなぜおすすめできないのか、なんてあたりも深掘りしていきながらレビューしていきます。

Powerbeats Pro 2の特徴

  • 究極に安定した付け心地のイヤーフック
  • 前モデルから本体20%、ケースが33%小型・軽量化
  • アクティブノイズキャンセリング搭載
  • クリアな外部音取り込みモード
  • イヤホン単体での心拍数モニタリング可能
  • IPX4等級の耐汗耐水性能
  • 45時間の再生時間
  • 物理ボタンで音量などを調整
  • スムーズなマルチポイント
  • 価格39,800円(税込)

コンセプトにも書いてある通りこのイヤホンはワークアウト向けの専用イヤホン。

ランニングやジムでの運動など、フィットネスに特化しています。

イヤーフックが特徴的で、耳にかけることができるおかげで激しい動きをしてもイヤホンが落ちることがありません。

また、Apple製品との親和性が高いBeats製品なので、機器間のシームレスな接続も魅力。

iPhoneと簡単に接続できるのはもちろんですが、iPhoneなしでもApple Watchと簡単に接続ができ、オフライン再生を手軽に行えます。

このあたりのフィットネスに最適化された機能を搭載しているところに魅力を感じている人には良く見えるイヤホンであると言えるでしょう。

しかし、価格は約4万円と非常に高額で、価格と各機能の品質の高さはよく検討する必要があります。

Powerbeats Pro 2のデザイン

カラーについてはジェットブラック・クイックサンド・ハイパーパープル・エレクトリックオレンジの4色から選べます。

当時のPowerbeats Proは最初はブラックだけでだんだんカラーが追加されていったタイプなので、最初からたくさん選べるのはいいですね。

イヤホン本体には特徴であるイヤーフックがついており、インパクトがあります。

イヤーフック自体はシリコンの素材になっているので伸縮性もあり、肌触りも良いです。

オープンイヤーではなくカナル型となっているので、ながら聞きというよりはしっかり音楽を聴く用途で使用ができます。

本体には上部に音量の増減ボタンがついており、押して調整可能です。

「b」のロゴが付いているところが押し込めるようになっていて、ここの押し込みや長押しで再生停止、ノイズキャンセリングと外部音取り込みなどの切り替えをします。

本体は片耳約8.6gでAirPods Proの5.3gと比べると重くはなってますが、耳にかけてしまえばそこまで重さに差を感じることはありませんでした。

ケースについてはさすがに大きいです。最近使ってきたなかではQCYのオープンイヤー型イヤホンに次ぐ大きさがあります。

ポケットに入れておいて気軽に使う、というのはちょっと厳しい大きさです。

充電端子はUSB-C、ワイヤレス充電にも対応しています。

Powerbeats Pro 2 レビュー

ここからはPowerbeats Pro 2の各項目についてレビューしていきます。

音質|4万でこれか…って感じ

正直感動するレベルの音質には届いてないと感じています。

まず別に音は悪くはないです。聞けるレベルの音ではあります。

しかし価格を加味すると「4万円でこれ…?」というような感じという話です。

今回音質で強く感じたのは中高域帯の音が強め・抜ける音であるということ。

ボーカルの音やギターの音が明瞭に聞こえてきます。

むしろちょっと聞こえすぎるくらい。

これによって、低音が鳴ってはいるのですが存在感がちょっと薄めな気がしてしまいます。

イヤホンを耳に押し付けて聞いてもこの印象は変わらず、低音は出ているものの、それを超える中高域帯の強さを感じました。

また、音の広がりというところも感動するほどは感じられず、小さめにまとまった曲に聞こえてきます。

総じて音質だけであれば僕はAirPods Proの方が好みですし、2万円のNothing Earの方が感動する音質をしているように感じました。

ただこれはワークアウトに向けた設定なのかもしれないとも思っていて、あまりにも曲だけに集中するとむしろ危ない?ことを想定した音作りなのかもしれません。

また、中高域帯が抜けることで人の声はよく聞こえます。

つまり、曲ではなく人が話すコンテンツをラジオ感覚で聴いていたい場合は適切なイヤホンであるようにも感じました。

このあたりは明確なシチュエーションとか想定する再生動画があるような気がしています。

装着感|餃子耳には安心感あるけど…

僕がなぜこのイヤホンが好きかというと、自分自身が餃子耳だからです。

中高柔道部だったのですが、練習の過程で耳が潰れてしまいました。

そのため耳の形が一般の人とは違い、普通のイヤホンだとしっかりはまらないとか落ちやすいといった弊害があります。

AirPods Proは日常使用くらいは問題ないものの、激しい動きは落ちそうで怖いとか、イヤーカフ型のイヤホンは耳が厚くてつけられないとかいろいろあるんです。

そんな耳の形に不安を覚える僕が安心して着用できるのがPowerbeats Pro 2。

イヤーフックのおかげで耳から落ちる心配はないので、本当に安心して着用できます。

僕が小学生くらいのときは耳にかけるタイプのイヤホンがたくさん発売されていたような印象なのですが、令和の現在はなかなか見かけなくなったので、懐かしさを覚えます。

イヤーフックに関しては最高なのですが、耳に入れる部分の形状についてはちょっとフィットしない感覚になりました。

これは僕が餃子耳で一般的な耳の形をしていないから感じる違和感として聞いて欲しいのですが、ちゃんと奥まで入り込む感覚があまりありません。

原因としては耳に入れる部分向きの違いではないか、と考えています。

AirPods Proは餃子耳の僕でもフィットするのですが、耳に入れる部分は斜めに入り込むような形状をしています。

一方でPowerbeats Pro 2の適正なポジションを参考にしながら見ていくと、耳に入れる部分は並行のような形で入っていくのが正式なポジショニングなのではないでしょうか。

僕の耳ではこの横向きに入るスペースがないようで、いまいちフィットしません。

そのため、遮蔽感が薄くなり、低音の響きやノイズキャンセリングの効きが悪いように感じます。

一般的な人には関係のない話かもしれませんが、耳に入れる部分の向きがAirPods Proとは違うというところに注意してください。

ノイズキャンセリング|周囲の音が聞こえてしまう

正直ノイズキャンセリングもそこまで強さを感じていません。

もちろんオンオフで違いはあるのですが、感動するレベルの違いがあるかというとそこまで。

オンにしていてもエアコンの音はけっこう聞こえてくるし、ランニングしていても車の音が気になります。

ワークアウト想定でいくとあまりにも周囲の音を消してしまうと逆に危ないという配慮でしょうか?

無音で没頭したい、みたいな用途で使いたいのであれば別のイヤホンの方が雑音は消してくれるように感じました。

外部音取り込み|つけたまま会話ができるレベル

ここはさすがのApple関連製品。最高です。

頻繁につけはずすことを想定していないイヤホンなので、装着したまま会話ができるかどうかは非常に重要なポイントとなるわけですが、外部音取り込みについてはつけていないかのようなクリアさで周囲の音が聞こえてきます。

このレベルであれば会話は装着したまま余裕でこなせるし、つけていることを忘れるくらいではないでしょうか。

AirPods Proと同じくらいきれいに周囲の音が聞こえてきます。

外部音取り込みは他社製品でももちろんできるのですが、現状僕はAirPods Proが1番自然ではないかと感じています。

そんなAirPods Proと同等のレベルのクオリティなので、ワークアウト中に話かけられたり、周囲の状況を確かめたりしたいときにも外さずに行えるでしょう。

操作性|物理ボタンは正義

物理ボタンはやはり何かと便利です。

AirPods Proもステム部分の押し込みで操作が可能ですが、ワークアウト中に即座かつ確実に行うためには物理ボタンの安定感が嬉しいポイント。

音量操作に関してもノイキャンと外部音取り込みの切り替えに関しても、すべて確実に操作してくれます。

運動中は手も体も揺れている場合があるので、感触や配置で確実な操作ができるのは使いやすかったです。

マルチポイント|Apple純正品と同様

マルチポイントについても問題なく動作します。

Apple端末であればケースを開いた瞬間から簡単に接続が開始するところから始まり、同じApple IDでログインしている端末については1台接続してしまえば、その後は他の機器でも接続できるようになります。

僕はこの機能でApple Watchのオフライン再生のための端末としてよく使用中。

切り替えもスムーズなので、非常にありがたいです。

機能性|心拍数モニタリングいつ使うの?

特徴的な機能としてPowerbeats Pro 2単体で心拍数のモニタリングができるということなのですが、正直これはいつ使えば良いのかあまり活用法を見出していません。

おそらくこの価格のPowerbeats Pro 2を購入する人はすでにApple製品に囲まれた人であり、ワークアウトで使いたい人ならすでにApple Watchを持っているのではないでしょうか。

となると、心拍数やワークアウトの計測というのはApple Watchがしてくれるので、Powerbeats Pro 2が活躍する場面というのはないと思います。

Apple WatchをもっていなくてiPhoneを持っているという人であればある程度活用できるのかもしれませんが、非常に狭い幅の人に必要な機能というような気がしてしまいます。

もし上手い活用をしている人がいたらぜひコメント欄で教えてください。

Powerbeats Pro 2がおすすめな人

フィットネスで使いたいPowerbeats Proに懐かしさを感じる人
餃子耳の人

基本的にはおすすめしません。2万円だったらすすめてたかもしれないですけど、4万円でこれはよほど愛があるか目的がない限り最高!とは言えないかなと思っています。

今回僕は「初めて買った高級イヤホンがPowerbeats Proで懐かしかった」「餃子耳だから」という特殊な理由が重なったから購入しました。

おすすめできない理由としては4万円に対してというところがすべて理由にかかってきますが、「音質が感動のレベルにない」「ノイキャンが劇的に強いわけではない」「フィットネス以外の場所だと大きい・重い」などが挙げられます。

個人的な見解ですが、4万払うなら感動したくないですか?

素晴らしい音質に協力なノイキャン、他のイヤホンとは一線を画す使用感…といったことを感じてしまうのですが高望みでしょうか。

フィットネス、というコンセプトのなかでは非常に魅力的な部分もありますが、4万払ってフィットネスだけで使う・フィットネスにしか適さないというのはちょっと手が出しにくいですよね。

ここまで大金出すならもう少しオールマイティに使えて欲しいというか…

フィットネス用途とか僕の身体的な事情を加味すると唯一無二の良さを発揮しますが、これが万人に適用するとは思いません。

4万円だすのであれば、音質重視ならSONYのWF-1000XM5や話題のTechnicsのイヤホンなどが良いと思いますし、Appleユーザーで機能性と音質のバランスを取りたいならAirPods Proの方が日常使いしやすいでしょう。

「いつ使うのか」「なぜPowerbeats Pro 2ではないといけないのか」このあたりを明らかにすると後悔のない買い物ができると感じました。

まとめ

酷評してしまいましたが、僕のなかでは思い出のイヤホンの新作が6年ぶりに出てくれた感動がある、それだけで十分購入の動機になりました。

まだまだ使いあぐねているのですが、良いポイントを探して自分にフィットさせていきたいと思います。

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