ARグラス人気メーカーの「XREAL Air 2 Pro」と「Rokid Max」を比較|使い込んでわかった違いやおすすめポイントを解説

メガネをかけるだけで目の前に大画面の映像を映し出せるガジェットであるARグラス。

近未来的なガジェットで新しい体験ができる一方で、まだまだ周り使っている人も少なく情報はあまりありません。

しかも価格もそれなりにするので簡単に購入に踏み切ることもできないのではないでしょうか。

そこで今回は僕が所有するXREALRokidの人気機種2つを比較し、実際に使ってわかった違いやおすすめのポイントについてまとめていきます。

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Rokid
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トップシェアのXREALと躍進続けるRokid

ざっくりXREALとRokidのメーカー紹介をしたいと思います。

XREAL

引用:https://www.xreal.com/jp/

XREALは2023年度ARグラスのシェアトップのメーカーで、現在も規模を拡大しています。

発売されているARグラスの種類も他メーカーよりも豊富で、多様なラインナップから選べるのが魅力。

ハンドトラッキングに対応しているハイエンドのARグラス「XREAL Air 2 Ultra」やXREALのARグラス専用OSを搭載したXREAL Beam Proなど、2024年も様々な新製品を発売しています。

現在僕が公式アンバサダーを務めているメーカーでもあります。

Rokid

引用:https://jp.rokid.com/pages/rokid-max

AR関係のソフトウェアなどを開発している中国のメーカー。

4月に発表したARグラス「Rokid AR Lite」は、7月11日にKickstarterでのクラウドファンディングで日本円で1億8000万円もの資金を集めるという大成功を収め、注目されています。

今回紹介するRokid Maxも日本のクラファンサイトで1億円の資金を集めた実績があるとのこと。

規模感としては十分大きなARグラス関連メーカーです。

XREAL Air 2 ProとRokid Maxの比較

XREAL Air 2 ProとRokid Maxを各項目で比較し、使ってみてわかったことや気がついたことをまとめていきます。

画質:XREALの方が素直な発色

先に言っておくと、両機種とも映像を見ていられないほど画質が荒いとか発色が悪いとか、そんなことなく実使用に耐えられるきれいさを持っています

そもそもARグラスの画質に疑いを持っている人も多いかと思いますが、これまで何台もARグラスを使ってきましたが、これは酷すぎてみていられない!と思うほどの物にはまだ出会っていません。

そのため、この2機種についても圧倒的なまでの画質の違いや見ていられないほどの不備はないので、どちらを購入してもきれいな映像は楽しめるでしょう。

と、した上でなぜXREAL Air 2 Proの方が画質が良いとしているのかというと、Rokid Maxは若干映像が黄色味がかっているように感じています。

極端に映像が黄色になっているというほどではないのですが、どこか全体的にくすみを感じるような感覚に。

映像を視聴したり、仕事の資料を見たりする際に致命的な差になるのかというとそうではないのですが、XREAL Air 2 Proの方がいつも見ているスマホやテレビの発色に近いような気がしています。

映像がやや見にくい問題

Rokid Maxにある問題なのですが、メガネの位置が少しズレると映像に見づらい部分が出てきます具体的には画像のような状態なのです。

映像を映しだしている部分がグラスの上部にあるのですが、この部分がメガネが下がってくると見えるようになってしまいます。

そうすると映像に重なってしまい、上部中央のあたりが円形に見えなくなってしまうところがでてきました。

常にメガネをクイっと上げてつけていれば問題ないのですが、時間とともに少しずつ落ちてくると見えづらくなり、これが映像視聴の際地味にストレスを感じる点です。

視野角はRokid Maxの方が広い

映像をどれだけ広く映し出せるのか、という指標で視野角という要素があります。

視野角が広いと画面が近くで映し出されたとしてもはみ出さずに見ることができ、視野角が狭いと画角を収めるために映像が小さくなりがちです。

この視野角がRokid Maxは50度と広く、XREAL Air 2 Proの46度を超えています。

そのため、Rokid Maxの方が映像が広々と見え、映画館のスクリーンのような感覚をより味わえました。

46度のXREAL Air 2 Proでも十分に迫力は感じるのですが、さらに上を求めるとRokid Maxの方が没入感の高い映像体験であるといえます。

機能性:XREALの電子調光機能が便利

共通している機能性としては接続端子がUSB-Cで、画面輝度の調整ボタンがどちらの機種にもあります。

一方で違う点としては、Rokid MaxにはXREAL Air 2 Proにはない音量調整機能があり、ARグラスのスピーカーで音を聞くときには便利な機能を搭載。

ここで差異はあるのですが、この機能の差を凌駕するほどのポイントとしてXREAL Air 2 Proには電子調光機能があります

電子調光機能とはボタン1つでグラス内の透過度を調整できる機能のこと

ARグラスはこのサングラスのように少し暗くなっている部分にディスプレイが表示されるのですが、この部分が明るいと映画館の上映前のスクリーンのように少しぼやけた色になってしまいます。

周囲の明るさを遮断し、真っ暗な中で見る映画館のようなスクリーンで見えるようになるのですが、光を遮るには遮光カバーをグラスつける必要があります。

しかし、電子調光機能があれば遮光カバーがなくてもグラスを暗くして映像を鮮やかに楽しめるように

電子調光機能のおかげで遮光カバーいらずになるのは本当に快適で、便利さを考えるうえではこの機能は必須級なほど気に入っています。

映像を鮮やかに見るという観点でも電子調光機能が入っているXREAL Air 2 Proの方が機能性が高いと言えるでしょう。

拡張性:Beam Proの登場で圧倒的な差が生まれた

これまでXREALにはブレ補正や3DoF表示をサポートするBeamというオプション製品があり、Rokidにはスマホ・PC不要でVODを楽しめるRokid Stationというオプション製品があります。

映像を快適に視聴するのであればBeam、VODを快適に楽しむならRokid Stationという具合によくもわるくも優劣のつけにくい状態でした。

しかし、2024年8月にXREALからXREAL Beam Proという新たなオプション製品が発売。

これは従来のオプション製品とは一線を画す性能を秘めています。

まず、Beamの特徴であったブレ補正や3DoF表示に対応していることはもちろん、XREALのARグラス専用OS「nebulaOS」が搭載されているのですがAndroidベースのOSということもあり、PlayStoreでダウンロードできるアプリには基本対応。

これまでスマホなしでVODを快適に見られるオプション製品としてRokid Stationが優秀でしたが、これはAndroidTV由来でUIがスマホとは違ったり、一部使用できないアプリもあったりと、やや不便な側面も。

これがBeam Proではすべて解消されてしまったとともに、Beam Proをリモコンのように扱って映像が視聴可能で、映像体験まで向上させてくれます。

オプション製品に関してはXREALがRokidを含む他メーカーすべてから一歩先に行ったような状態になっています。

公式アプリについて

XREALとRokidともにスマホアプリに対応しています。

ここでも正直XREALのUIはRokidを含む他メーカーすべてから一歩先に行っています。

Beam ProのようなUIはアプリ時代から実現されていて、自作のアプリを動かしたり、最大5面の拡張ディスプレイを表示させられました。

Rokidについてはアプリと連動させると3DoF表示はできるのですが拡張ディスプレイは映せません。

また、XREALはmacOSでのアプリもあり、これを使うとPCのディスプレイが最大3画面まで映せます。

その他アプリについて

実際に体験したのがXREALしかないので、ここからの話はXREALの体験談です。

まずXREALのARグラスであれば、全国の映画館で自分だけの字幕を映すことができるHELLO!MOVIEというサービスに対応しています。

社外のアプリに対応しているARグラスは他にない(僕が把握している限りは)ので、ここも魅力だと思います。

あとはXRのアプリを制作する学生の制作発表みたいな会に行ったことがあるのですが、そこでは自分たちが開発したアプリをXREALのARグラスを通して活用していました。

XREALのスマホアプリではUnityで開発したアプリを実際に使えるようなので、開発をしたい人にとっては最適なARグラスかもしれません。

視力関係:Rokidの視力補正は感動

Rokid Maxには標準装備として視度調整機能が搭載されています。

ARグラスは構造上、メガネを外して着用しなければいけません。

しかし、裸眼だと見えにくい人も多いかと思います。実際に僕も家ではメガネなので、コンタクトをつけていないときの使用には困っていました。

そこで活躍するのが視度調整の機能で、ARグラス上部にあるダイヤルを操作するとある程度視力を補正してくれます。

僕の視力は乱視がそこそこあり、0.01ほどしかないのですが、それでも補正をすれば小さな文字まではっきり見えるほど調整されてきれいに見えました!

XREALのARグラスには視度調整機能はないので、視力関係についてはRokidの方が使い勝手が良いと思います。

インサートレンズという選択肢

XREALもRokidもですが、インサートレンズというメガネの中に装着するタイプのレンズを作成可能です。

XREALの場合は視度調整機能がないので、視力に不安がある方はインサートレンズを作る必要があります。

また、Rokidは視度調整機能がありますが、細かいことを言うと乱視が強い人や不同視(ガチャ目)の人は備え付けの調整機能では対応できない場合も。

その場合はインサートレンズを作成することで視力問題を解決できます。

装着感:着用の違和感はないけど…

耳への感触や鼻への負担など、装着感についてはどちらの機種も違和感を覚えるほどの不快な要素はありません。

ただ、Rokid Maxには目元周り不満が2つあり、それが「眉間の熱」と「ノーズパッドの形状」です。

1つ目の眉間の熱については、Rokid Maxは30分ほど映像を見ていると眉間のあたりがかなり熱くなってしまい、若干不快感を覚えます。

もう1つのノーズパッドの形状については、最近発売されているARグラスに関してはノーズパッドが空洞になっている場合が多いのですが、Rokid Maxは空洞ではありません。

そのため鼻にかかる負担がXREAL Air 2 Proよりは大きく、より軽やかに着用したい人には不向きです。

価格:Rokidの方が気持ち安い

  • XREAL Air 2 Pro:61,980円
  • Rokid Max:59,800円

現状Rokid Maxの方が2000円ほど安い価格となっています。

定価で購入する場合は差があると言えるでしょう。

しかし、7月に行われていたAmazonのセールでXREAL Air 2 Proが55000円ほどで販売されていました。

そうなると金額が逆転してしまうので、また難しい選択になってしまいます。

最近ようやく現行の機種が割引対象に入り始めてきたので、セールタイミングをチェックしておくとお得に購入できるかもしれません。

XREAL Air 2 Proがおすすめな人

総合的にクオリティが高く、拡張性にも優れたARグラスを使いたい人

トップシェアを誇るメーカーなだけあり、画質・機能性・装着感など、すべてにおいて高品質

特に機能性についてはBeam Proが登場したことによって他メーカーの追従を許さない一強状態に。

画質面では正直ここで優劣をつけられるほど各メーカーに開きがあるわけではないというのが個人的な感想なのですが、機能性や拡張性が圧倒的に高く、使い勝手が抜群です。

ARグラスを便利に活用したい人にとって、XREALを買っておけばひとまず間違いない、と自信をもって言えるほど。

Rokid Maxがおすすめな人

インサートレンズを別途購入せずにARグラスを楽しみたい人

視度調整機能というのは強烈な特徴で、視力0.01程度の自分ですらここまで補正できたこの機能は正直かなり感動できると思います。

せっかくARグラスを購入したのにすぐに使えないというのはなんだかもどかしい気持ちになると思うので、買った直後から存分に楽しむためには良い選択だと感じました。

また、視度調整機能は視力に不安がある人だけではなく、特に問題なく感じている人にも有用です。

見える人だとしても自分の視力に合わせて最適な視度に調整することで、映像の鮮明さが上がり、より見やすい状態でARグラスを楽しめるでしょう。

Rokidは新作を近々発表する

現在RokidからはRokid Max1種類しか発売されていませんが、実はこれから新型の発売を控えている状態です。

新型としては「Rokid AR Lite」と「Rokid Max Pro」の発売が予定されています。

特にRokid Max Proは6DoFとハンドトラッキングにも対応しているとのことで、目の前に映っているディスプレイを実際に触れるような挙動ができるのではないでしょうか。

こうなると現在発売されているXREAL Air 2 Ultraと肩を並べる最上位機種となるので、今後の進化にはかなり期待ができます。

まとめ

話題のメーカーから2機種を比較・紹介してみました。

まだまだ数は少ないARグラスですが、それでもこれだけ違いがあるので、これからいろんな商品が出てきたときの紹介も今からかなり期待しています。

今後のARグラスの発表や発売が本当に楽しみ。

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